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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第五章 推しのためならたとえ火の中水の中精神のシスターですが何か?
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ファーシルの生まれ育った村

ファーシルが仲間である魔界七魔衆のメンバーを欺き、情が移ってしまったせいか、自らの手で復讐を果たすことが出来ず、随分と回りくどいやり方でセブンシスターズである私に七魔衆を倒してもらう計画を立てた。


おそらくは自分を含めて私に七魔衆を倒させる算段だったのだろう。


羨ましいくらい綺麗なお尻の魔力を制御するための刻印は仲間を欺くだけではなく、私にちゃんと倒されるようにするためでもあったと私は思っている。


…ファーシルが刻印を解いた状態だったら、七魔衆全員相手にこの程度では済まなかっただろう。


もしかしたら、その時は奥(・)の(・)手(・)を(・)使(・)う(・)羽(・)目(・)に(・)な(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)かもしれない。


そして、これから七魔衆に復讐したかった理由がファーシルの口から語れる。


「…私は魔力が高いとされている魔族であるリキトスの一族で、私の生まれ育った村は全員そのリキトスの一族の者が住んでいました」


リキトス…聞いたことがある。


その昔、エルフと魔族のハーフだったリキトスという魔族がいて、当時の魔王よりも上の魔力だったというのを古文書で読んだことがあった。


でも、その性格自体は穏やかで、争い事が嫌いだったため、生涯を魔法の研究に当てたとかどうとか…


たしか、かつてのセブンシスターズもそのリキトスに魔法指南されていたらしい。


「私は生まれつき高い魔力を秘めていたので、その噂は魔界中に知られていたらしく、村の者たちはまだ赤子だった私を狙う魔族たちから守ってくれていたのです。そして、物心がついた時には自分で自分の身を守れるように、私の家族や村の者たちが私に魔法の使い方を教え込んでいました」


ファーシルがどこか懐かしむように語る。


「そんな時でした。まだ幼かったので記憶はハッキリとしていませんが、村の近くの森に見知らぬゴーレム…ルーゴフェルベが現れたんです」


ファーシルの話にファーシルの近くでじっとしているスモールサイズのルーゴフェルベに視線を向けた。


「ルーゴフェルベは森の動物たちと仲良しでした。どこから来たの?と訊ねても、ルーゴフェルベは言葉を理解できても、言葉は喋れません。なので、いつも私が一方的に話しかけていました。魔法の練習がしんどいとか、森へ一人で出かけると家族がうるさく怒るとか、愚痴ってたんだと思います。ルーゴフェルベと仲良くなった私はいつしか家族と村の者たちには内緒で毎日のように森へと行ってました」


ファーシルがそう語りながら、ルーゴフェルベを見下ろす。


「ところがある日、私がルーゴフェルベと遊んでいると、村の方から何やら煙が上がっているのが見えたので、急いで村へと戻りました。すると、ルーゴフェルベ以外の今の仲間…ヴィアレタン、タサン、ベルバブゼ、モデウスエス、マンモが村を襲撃していたんです」


ファーシルの話を頭の中で想像する。


「ヴィアレタンの水竜になった姿は村の者にとって、かなり脅威だったとは思いますが、他の4体は正直言ってリキトス一族の村の者たちにとっては大した相手ではありませんでした。でも、そんなことはベルバブゼたちが一番よく分かっていたので、ある作戦を立てていたんです」


「…ファーシルを人質にしたのか?」


私の問いにファーシルが頷く。


「はい…森からいつの間にか私をつけていたルーゴフェルベが私の脚を掴んで持ち上げ、タサンが動けば私の命はないと私の家族や村の者たちを脅したんです。ルーゴフェルベは私を油断させて、私を人質にするために送り込まれた罠だった…」


とファーシルが近くにいたルーゴフェルベの頭を小ついた。


ルーゴフェルベがウゴゴ…と鳴き声を上げる。


「そして…コイツらに村は壊滅させられたのです」


ファーシルが怒りを露わにした。


「私はあまりのショックに崩壊した村の真ん中で呆然と立ち尽くしていました。ヴィアレタンが私を連れて行こうとした時、咄嗟にショックで何も覚えていないフリをして、いずれはコイツらに復讐をすることを心に誓ったんです…」


「そして、いつしか他の七魔衆のメンバーを超える力を得てしまった」


私がそう言うと、ファーシルが縦に首を振る。


「それを悟られないように密かに刻印を刻み、仲間を欺いてきたんです…そして、復讐の時を狙っていた。でも、コイツらは私には優しかった…まるで家族のように接してくれた。でも、村や町を襲うときのみんなの表情は冷徹かつ残虐で、その度に私の村を襲った時のことを思い出す…だから、復讐はいつか必ずしようと思ってた…思っていたんです」


そう語るファーシルの表情はとても切ないものだった。

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