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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第五章 推しのためならたとえ火の中水の中精神のシスターですが何か?
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ファーシルの目的

ルーゴフェルベの振り下ろした大きな拳を軽々と片手で止めた。


ヴィアレタンを倒した段階でマイティブーストを力に全振りしていたので出来る技だ。


「リデュース」


と呟いた。


すると、デカい図体をしていたルーゴフェルベが見る見るうちに小さくなっていく。


質量を減らす魔法リデュース。


質量を減らせば、自ずと見た目も小さくなる。


子供くらいの大きさになったルーゴフェルベがそれでも私の脚にペチペチと拳を当てていた。


なんとも可愛らしい姿になっちゃって…


とロザリオを持っていない左手でルーゴフェルベを持ち上げた。


おそらくコイツはあまり思考を持たないゴーレムなんだろうな。


ただ、主(あるじ)たちの命令にしたがうだけ…


…とはいえ、コイツに罪がない訳じゃない。


そうだよなファーシル…?


と暴れるルーゴフェルベを掴んだまま、避難させた仲間の横で屈んでいるファーシルの元へと歩いて行く。


あの様子だとシャイニングスターを咄嗟に爆破魔法を使って回避したけど、割とダメージを負っているようだ。


ファーシルの近くまで行くと、ジタバタと動くルーゴフェルベをファーシルの手前の地面に向かって放り投げる。


ファーシルがルーゴフェルベを抱きかかえるように持った。


「…流石はセブンシスターズの金色のエメさん。正直言って、ここまでとは思いませんでした」


ファーシルが私を見て言った。


「そりゃどうも…さあ、アンネを返してもらおうか?」


とロザリオを右肩に乗せた。


正直言うとかなり魔力を消費している。


少し派手に暴れすぎたみたいだ…


「何を言っているんですか?まだ、私がいますよエメさん?」


とファーシルがルーゴフェルベを置いて立ち上がる。


「…もう良いだろう?ア(・)ン(・)タ(・)の(・)目(・)的(・)は果たした筈だ。もし、本当にまだ私と戦うなら、綺(・)麗(・)な(・)お(・)尻(・)の(・)刻(・)印(・)を解除してからにした方がいい。それは自身で解除出来るんだろ?」


私の台詞にファーシルが驚く。


「…全てお見通しって訳ですか?流石はエメさん…」


ファーシルが笑みを浮かべた。


「…なんとなくだけどね。全員、殺しちゃいない…トドメを刺すなら自分でしな」


とロザリオを小さくした。


そして、再びチェーンを繋いで首にかける。


「…厳しいですね。それが出来たら、わざわざこんな回(・)り(・)く(・)ど(・)い(・)ことはしませんでしたよ」


とファーシルが近くにあった瓦礫に腰掛ける。


「…まあ、そりゃそうか。お尻に刻印を入れてまで力を抑えて、コイツらを欺いていたんだから」


そう言って、戦意喪失した七魔衆の六体へと目を向ける。


バリアに閉じ込めて灼熱地獄を喰らわせたマンモは小さな霧となってふわふわと浮いていた。


「…温泉の時から、気づいていたんですか?私の本当の目的を…」


ファーシルが私を見上げる。


「いや、あの時は綺麗なお尻に刻印があるなくらいにしか思っていなかった。首筋の刻印だけじゃ力を抑えられないからなのかなってね。でも、ファーシルが首筋の刻印は自分じゃ消せないって言っていた時に、お尻の刻印のことには触れなかった。だから、お尻の刻印は私やオーリュウではなく、仲間を欺くためのものだと考えたんだ」


ファーシルを見下ろしながら、そう語る。


「…正解です。この刻印がなければ魔力を抑えきれず、仲間に私の本(・)当(・)の(・)魔(・)力(・)が(・)バ(・)レ(・)て(・)し(・)ま(・)う(・)。エメさんとアンネさんと一緒に温泉に入る時は、極力下半身をタオルで隠していたのですが…そうですか、最初に会った時に見られていたんですね」


ファーシルが薄く笑う。


「…本来の魔力を隠し、仲間を欺いてまでファーシルがしたかったのは復讐だよね?でも、自分では出来なかった。おそらく情が芽生えてしまっていたから…だから、魔王幹部に目をつけられることで、私たちセブンシスターズの介入を目論んだ。そして、仲間にわざとセブンシスターズの話をして、自分たちの力はセブンシスターズに通用すると仲間を焚き付けた。そんなところじゃない?」


私の見解にファーシルが黙って頷いた。


「…情が芽生えてしまっても尚、復讐を果たそうとしたのは何で?たしか、物心がついた幼い頃から一緒だったんだよね?」


と問いかける。


「…はい、ずっと一緒でした。でも、違うんです…コイツらは私の秘めたる魔力を欲(ほっ)しただけ…そのために私の大切な家族や村の者たちを皆殺しにしたんだ」


そう語るファーシルの眼からは僅かな怒りを感じた。


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