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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第五章 推しのためならたとえ火の中水の中精神のシスターですが何か?
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禁忌魔法

「大いなる神よ、我に力を与えたまえ」


ロザリオを大きくした瞬間、七魔衆全員が身構えた。


だが、遅い。


霧男マンモを透明な四角いバリアで囲む。


霧なので表情が分からないが、慌てふためいているのは分かった。


「灼熱地獄」


私がマンモに視線を送りながら、そう呟く。


その瞬間、マンモを囲むバリアの中が灼熱の炎で覆われた。


私に詠唱は不要だし、手を翳さなくても魔法を唱えられる。


とりあえず、この中で一番厄介になりそうな霧男のマンモを最速で仕留めたかった。


「マンモ!?」


隣にいたタサンが叫ぶ。


とそのタサンに私は一気に距離を詰めた。


そして、タサンが反応する前に脳天目掛けてロザリオをぶち込んだ。


タサンが堪らず悲鳴を上げた。


周囲の七魔衆がようやく反応する。


さあて、昨晩の借りはきっちり返してもらおうか?


タサンからロザリオを離した瞬間、人間と牛と羊の三つの頭を持つモデウスアスが私を目掛けて口から炎を放つ。


それと同時に近くにいたベルバブゼが炎の巻き添えを喰らわぬように私から一定の距離を保つため離れながら、私に向かってモデウスアスの攻撃を邪魔しないようおそらく同じく火系の魔法を瞬時に詠唱していた。


その手の色を見ると、火系の魔法に闇魔法が混ざっている。


「ヘルファイア!」


ベルバブゼがそう叫ぶと、蝿頭の手から黒い炎が放たれた。


ブレスと黒い炎の魔法が同時に私を襲う。


私はロザリオを下げたまま、そっと呟いた。


「絶対零度」


一瞬で私の立つ半径約三十メートルが氷で覆われる。


とりあえず、二つの攻撃を防ぎ、タサンとベルバブゼの動きは封じた。


私は瞬時に移動魔法でモデウスアスの背後に回り込む。


それに気づいたモデウスアスの牛頭が私の方へと振り返る…前に私はロザリオで三つの頭を瞬時に叩いた。


堪らずモデウスアスが悲痛の声を上げて地面に倒れ込む。


三つも頭があるせいで2本しかない手はどの頭を押さえるのか迷っている。


その時、初めてモデウスアスの身体を見た。


上半身は人型で下半身は馬のような四足歩行の獣の身体だ。


尾の蛇も本体みたく痛がっていた。


数秒、モデウスアスを観察していると、ウゴゴ…という音を発しながらゴーレムのルーゴフェルベが勢いよく襲ってくる。


昨晩も思ったが、図体の割にかなり素早い。


でも、今の私はもっと俊敏だ。


何せあんなにぺっちゃくっていた時間があれば、強化魔法の一つくらい余裕でかけられたからである。


だから、今の私には「マイティブースト」という、あらゆるステータスを上昇する魔法がかかっている。


と軽々ルーゴフェルベの攻撃を飛んで躱し、ロザリオを持っていない手でルーゴフェルベの頭を掴む。


そして、くるりと身体を回し、延伸力で馬鹿デカいルーゴフェルベを回転させて地面に叩きつける。


すると、いつの間にか距離を詰めていたファーシルが私に手を翳していた。


詠唱なしのファーシルの爆破魔法が放たれる。


が魔法が放たれる前に私は空中へと飛び上がっていた。


詠唱なしは褒めてやるが、手を翳さないと使えないのはまだまだだ。


しかも、ファーシルが詠唱なしで使える魔法は爆破魔法のみと見た。


まあ、それだけでも充分立派なんですが…


空中に浮きながら、ファーシルを見下ろす。


「…飛行魔法?流石はセブンシスターズ…特級魔法のオンパレードなんてズルすぎます」


下からファーシルの声が聞こえてきた。


お褒めの言葉を頂いたところで今度は禁忌(きんき)魔法のお披露目といきますか…


と空中でどデカいロザリオを脇に挟んで、詠唱を始めた。


その様子にファーシルが驚くのがチラッと見える。


そりゃそうだ…普段、詠唱なしの私が詠唱するということはそ(・)う(・)い(・)う(・)こ(・)と(・)だからだ。


「クロックロック」


そう唱えた瞬間、辺り一体が静まり返る。


私が禁忌魔法で時間を止めたのだ。


だけど、止められる時間は僅か数秒。


でも、それで充分素晴らしい程の隙が作れる。


時間を止める前に絶対零度の魔法を解除しておいたので、タサンとベルバブゼの身体は氷から解放されていた。


…霧男以外だから計6箇所か。


左手を天に翳す。


「シャイニングスター」


叫ばずに囁いた。


特級光魔法だ。


左手から六つの光が放たれる。


目標は勿論、マンモ以外の七魔衆六体だ。


それぞれの敵に攻撃が行き届く寸前でクロックロックの魔法が切れた。


そして、再び時が動き出す。


その瞬間、六つの光り輝く爆発が起きる。


激しく塔が揺れて、上からいくつかの細かい瓦礫が落ちてきた。


いけね…上には人質にされている推しがいるんだった…


と少々派手に暴れたことを悔やむ。


そして、飛行魔法を解き、地面に舞い降りた。

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