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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第五章 推しのためならたとえ火の中水の中精神のシスターですが何か?
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霧男

突然の強襲に魔法と物理攻撃とブレスのオンパレード…


私、一人ならまだしも、アンネがいる状態じゃ非常に戦いづらい。


…まあ、これだけ派手に屋上で騒げば、流石にオーリュウも気づく筈だし、もう少し経てば援護は期待できる。


ただ、そんなことはファーシルも百も承知な筈だ。


なら、その前に彼女は目的を遂行しようとするだろう。


私とオーリュウを欺いてまで達成しようとしたやつらの目的は何だ…?


七魔衆が4体か…蝿頭のベルバブゼは花火の魔法を阻害しに行ったらしいし、残りは2体…


たしか、水竜のヴィアレタンと霧男のマンモ…


霧男…?


まさか…!?


何かに気づいた瞬間、さっきまで倒れていた筈のゴーレムのルーゴフェルベがその図体からは考えられない俊敏さで私の方に攻撃を仕掛けてきた。


咄嗟にロザリオで攻撃を受け止める。


が、すぐに頭上から魔力を感じた。


タサンのなんとかショットだ。


その攻撃をアンネを庇いながら避ける。


すると、今度はファーシルが立っている横からモデウスアスの人の顔から炎が放たれた。


…その顔が炎を出すんかい!


と心中でツッコみながらアンネから身体を離し、ロザリオを火炎の方へと思いっきり振って、火炎の軌道を変えた。


だが、これは全てはファーシルの思惑通り…


それに気づくも、今はそんな余裕はない。


思った通り、背後に黒い霧が立ち込む。


振り返ると、アンネの周りに黒い霧が纏わりついていた。


クソっ!やっぱり狙いはアンネか!?


心中で叫んで、霧男へと手を翳す。


が屋上の暗さのせいで、すでに霧男を見失っていた。


そして、アンネの姿もない…


やられた…


花火の魔法をわざわざ消させたのはこのためか…!


「…最初から目的はアンネだったのか?」


とファーシルへと向き直り、ヤツを睨む。


「…最初からじゃないですよ。だって、アンネさんが来ることはイレギュラーだったでしょ?だから、あなたたちに近づき、作戦を立てた。アンネさんはシスターだけど、た(・)だ(・)の(・)シ(・)ス(・)タ(・)ー(・)だったことは私にとって幸運でした。彼女がいれば今みたいにあなたは力を出せず、更に人質にもなる。せっかく私が七魔衆のメンバーの情報を教えたのに、マンモに気づくのが少し遅かったですね?」


ファーシルが口角を上げた。


「…でアンネを攫(さら)ってどうするつもりだ?」


冷静に質問を投げかける。


「私たちのアジトであるトルケーリブの塔で待ちます。あなた一人で来てください。万が一、オーリュウ様があなたの加勢をするような時は私たちがどうするかはお分かりですよね?アンネさんの命の保証はないのと、魔王幹部であろうお方が人間の味方をして同族である我々に危害を加えたと吹聴します」


ファーシルがそう言って、私の横に視線を向けた。


すると、その場所にオーリュウがいつの間か姿を現したのだ。


「…すみませんエメさん。遅くなりました」


オーリュウの出現にファーシル以外の七魔衆が身構えた。


「いえ、思ったより早く来て頂いたと思います」


と答えるも、アンネが攫われた以上、もうオーリュウの出る幕はない…


「もうアンネさんは私たちの手の中です。お二人とも先程の忠告をお忘れなく」


ファーシルが不敵に笑う。


その瞬間、ファーシルの背後に髪の長い人型の魔族が現れた。


最後の一体、ヴィアレタンだ。


「では、エメさんまた会いましょう。出来るだけ早く来てくださいね」


ファーシルがそう言った瞬間、嫌な予感がした。


すぐにヴィアレタンに視線を向ける。


他の七魔衆のメンバーが瞬時にファーシルの後方へと下がる中、ヴィアレタンだけが前に出た。


…何かが来る。


隣に立っているオーリュウも警戒しているのが顔で分かった。


ロザリオをギュッと握る。


すると、目の前の人型だったヴィアレタンが一気に姿を変えた。


水竜だ。


人型の時の何倍もの大きさの水竜が急に目の前を埋め尽くす。


「エメさん来ますよ!」


オーリュウが叫んだ。


すぐにオーリュウが詠唱を始める。


大きな水竜が宙へと浮かび上がり身体を大きくくねらせた。


何かが来る…津波か!?


そう思った時には目の前が水で覆われていた。


人様の屋敷の屋上で、なんて攻撃をしやがるんだコイツは…!?


瞬時に展開したブレス耐性のバリアでダメージは無いものの、水の勢いで全く身動きが取れない。


隣のオーリュウも同じ状態だ。


やがて、津波が引いて、身動きが取れるようになった時には、薄暗い屋上に七魔衆の姿は無くなっていた。

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