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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第五章 推しのためならたとえ火の中水の中精神のシスターですが何か?
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全ては寝相が悪いのが原因か

「分かりました。そういうことでしたら、私もエメさん同様にファーシルさんと仲良くさせて頂きます。私が言う立場ではありませんが、接していても私にはとても悪い人には思えないですし」


アンネが寝泊まりしている部屋の私のベッドに腰掛けて言った。


私もその隣で同じく座っている。


ファーシルと屋上で話したあと、オーリュウとアンネの帰りをファーシルと二人で待ち、晩御飯の時間までアンネと一緒に部屋に戻ることになったのだ。


あと、晩御飯の前に温泉に入らないといけない。


きっと、ファーシルが迎えに来るだろうから、それまでにアンネにはファーシルのことを話しておきたかったのだ。


「…ごめんねアンネ。そういうだから、お祭りが終わるまではファーシルと仲良くしてあげて…まあ、ないとは思うけどファーシルが私やアンネに何か危害を加えるようなことがあったら、その時は私が動くから…」


私の言葉にアンネが頷く。


でも、そのあとですぐに首を傾げた。


「…あれ?でも、エメさん朝に屋上で景色を見た時にすでにファーシルさんと一緒にお祭りを楽しむって約束してましたよね?」


アンネの言葉に思わずえっ?となる。


「…そうだっけ?」


思わず首を傾げる。


「はい。オーリュウ様から特に言われていないから構わないとエメさんがおっしゃっていました」


アンネが真っ直ぐな瞳(め)をこっちに向けてくる。


「…そう言われるとそうだったかも」


あっちゃー


あの時はあんまり眠たすぎて記憶がないわ…


「なら、どちらにしてもお祭りは一緒に楽しまないといけなかったんですね。しっかりと約束してしまったんですから」


アンネがクスッと笑う。


その表情になんだか緊張感が抜けてきた。


…まあ、なんとかなるか。


にしても、変な状況になってきたのが、全ては私の寝相が悪いのが原因に思えてきて、もう少し普段からアンネのように大人しく寝れるように心掛けようと思った。


「そうだ。クナテモアの町はどうだった?オーリュウ様が案内してくれたんでしょ?」


とりあえずファーシルのことは話せたし、別の話題に切り替える。


「はい、素敵でした。オーリュウ様が色んな素敵な場所に案内してくれましたから、本当に楽しかったです」


ああ、人間姿のイケオジであるオーリュウがアンネを優しくエスコートする姿が目に浮かぶ。


私もエスコートして貰いたかったなぁ…


「…一瞬、ここが魔界だって忘れそうになっていました。だから、魔界も悪くないですねって思わず言ってしまったんです。するとオーリュウ様はここは魔界であなたが本来いるべき場所ではないので、ちゃんと手続きをして人間界にいち早く帰れるようにしますって言われました…」


アンネが反省を口にする。


…そりゃそうだ。


オーリュウに守られている状況だからこそ楽しめる町案内な訳で、仮にアンネ一人で町を歩いていたら、無事では済まない。


私でもそうだ…


ただ、私の場合は返り討ちに遭わせるけどね。


「まあ、それだけアンネが思っている以上に魔界は危険だってことだよ。だから、オーリュウ様か私のどちらかとは常に居てね?」


私の言葉にアンネが「はい」と素直に答えた。


「…それにしてもドシーさんは大丈夫でしょうか?私にはオーリュウ様やエメさんがいますけど、ドシーさんは私の姿を解いたらきっと大変なことになりませんか…?いくら町のみなさんが優しくても、魔族が急に現れたら優しく受け入れたりは出来ないような…」


とアンネがドシーを心配する。


まあ、私はドシーの正体がバレた時に、神父様の心臓がもつかが心配だ…


それにしても、やっぱりアンネは優しいな。


思わず笑みを浮かべた。


「大丈夫だよアンネ。ドシー様もああ見えて魔王幹部だ。おそらく正体がバレないようにやり過ごす筈だよ。もし、万が一バレてもドシー様ならなんとかするし、神父様がなんとかしてくれるって…だから、アンネは自分の心配をしなさい」


アンネのヴェールの上に優しく手を置いた。


「はい、分かりましたエメさん」


と推し笑顔を目の前で堪能する。


その時、部屋の扉からベルが聞こえた。


おそらくファーシルだろう。


「私が出るよアンネ」


立ちあがろうしたアンネの肩を押え、私はベッドから立ち上がり部屋の扉へと向かう。


扉へと辿り着き、扉を開けると思い描いていた人物が立っていた。


「迎えに来ました。一緒に温泉行きましょう?」


美人のファーシルが笑顔で私を誘う。


「了解。支度をするからちょっと待ってて」


と言って扉を閉める。


そして、アンネの元へと戻った。


「ファーシルが温泉に誘いに来たから行こうか?支度して…ってアンネは支度も何もないか…」


と言って、ヴェール越しに頭をポリポリと掻く。


アンネは荷物を一つも持ってきていないのだから…


すると、アンネがじっーと私を見ていた。


「…ん、何?」


思わず怪訝な表情で訊いた。


「…なんだか私がいない間に凄く仲良くなっていませんか?」


とアンネが頬を膨らませた。

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