表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Witch Squadron  作者: Se-34gu-0
PR
12/19

FILE 012

FILE 012「新しい翼」



あの夜間飛行任務から数日。


ミナたちが朝の食堂で席を囲むようになってから、不器用だった3人の距離は急速に縮まっていった。


しかし、あの戦闘の最後にミナが感じた「不気味な黒い煤のような魔力」の違和感だけは、今も胸の奥にくすぶり続けている。


そんなある日、3人は統合魔女飛行隊の本部から、ある特別な招集命令を受けた。


指定された大型の地下格納庫に足を運ぶと、そこには眩い照明に照らされ、鈍い金属光沢を放つ5機の新型飛行ユニットが鎮座していた。これまでの物とは一線を画す、個々の特性に完全に特化された専用機――。


その重厚な空気の中に、二人の魔女の姿があった。


「――来たな、夜間任務の英雄たちが」凛とした、よく通る声で3人を迎えたのは、長い髪をなびかせた魔女、セレーネ・アークライトだった。


彼女の背後には、バランス型と呼ばれる指揮官用のユニットが静かに輝いている。


「セレーネさん……?」ミナが驚いて声を漏らすと、セレーネの隣から、数々のモニターや魔力デバイスを淡々と操作していた小柄な魔女が、眠たげな目を向けながら一歩前に出た。


索敵・偵察型のユニット『ナイチンゲール』を背負う、ルナ・スフィアだ。「ミナ先輩、ヴァレリア、イズモ……。夜間任務の戦闘ログ、全部見せてもらった」


ルナは抑揚の少ない声でそう言うと、空中にホログラムの画面を展開した。そこには、ミナが放った蒼い閃光の軌跡と、消滅した「敵」のデータが映し出されている。


「ミナ先輩が最後に気付いた、あの妙な違和感……。ただの気のせいじゃない。

私のナイチンゲールのセンサーだけが、あの瞬間に不自然な魔力の歪みを拾ってた。

通常の敵の波長じゃない……もっと根の深い、何か別のモノ」ルナの言葉に、ミナの背筋が冷たく張り詰める。


やっぱり、あの感覚は間違っていなかったのだ。


「あの正体不明の『敵』が、なぜあの海空域に、何のために現れたのか……その調査と追跡が、私たちの新しい任務だ」セレーネが真剣な眼差しで3人を見据え、その口元を不敵に歪めた。


「ミナ、お前の『ランサー型』としての爆発力。バレリアの『格闘型』の突進力、イズモの『解析・支援』のサポート。そして、ルナの『索敵』これらを一つに束ね、私が『狙撃』と指揮で戦場を完全にコントロールする。……どうだ、この5人でチームを組むぞ」


「へえ、面白そうじゃん。その新型ユニット、早く使わせてよ」バレリアが物怖じしないタメ口で新型機を見上げ、不敵に笑う。


「セレーネ隊長の狙撃があれば、どんな遠距離の敵でも一撃ですね……! 私、全力で皆さんのサポートします!」イズモも大緊張しながらも、嬉しそうに拳を握りしめた。


ミナは額のゴーグルにそっと触れ、目の前に並ぶ4人の仲間たちを見つめた。


かつては一人で、自分の力を恐れながら孤独に飛んでいた。


けれど今は、背中を預けられるバレリアとイズモがいる。


そしてさらに、進むべき道を照らしてくれるルナの索敵と、どんな困難も撃ち抜いてくれるセレーネの狙撃がある。


「……はい。この5人で、なら」ミナの静かな、けれど力強い言葉に、セレーネは満足そうに深く頷いた。


「よし、統合魔女飛行隊、新生チームの初陣だ! 各員、新型ユニット換装!――大空の不穏を、すべて撃ち落とすぞ!」


「「「「了解!!」」」」眩い光の中、5人の魔女たちはそれぞれの新しい翼を纏う。


まだ見ぬ強大な謎の敵に向けて、彼女たちの本当の戦いが、今ここから新しく始まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ