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ただ咳をする  作者: haremame
廻編 第二章 月下日昇 災禍は来たる
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メインキャラ

「で、なんで洞窟を探すの?」



「なんでってそりゃ、活動拠点が必要だから」



「つまりいつも通りってこと?」



「そういうこと」



ギイナが目に見えて大きなため息を吐く。


いつも通りというのは、まあ私の仕事の話。仕事?⋯⋯一応仕事、かな。まあいいや。


邪神として与えられた任務というか使命は、”世界を間引くこと”。まあ、簡単に言っちゃえば世界を滅ぼすこと。


世界は、誰かが思い描くことで発生する一種の自然現象みたいなもので、例えば私が今、花が咲き誇る世界を想像したら今この瞬間、花が咲き誇る世界の種が出来上がる。


そして、そういう世界が発芽、成長するためには他の世界をなくさなくちゃいけない。


その役割を担うのが邪神ってこと。で、私は今その間引く対象の世界にやってきたわけだ。



「でもさあ、この世界を壊すのか?」



「⋯⋯⋯⋯」



「お前だってわかってるだろ?さっきから漂う自然の匂いとは違う”文明的”な臭い」



いやね、わかってるよ?この体で嗅ぐのは初めてだしちょっと

臭いがきつすぎて気持ち悪くなるけどさ。ここからでも、何も見なくてもわかるよ。



「ここ、日本だぜ?」



道はコンクリートで舗装され、その上を忙しなく走る車や歩く人々。光を反射し、林のように乱立するビル群。何よりもその光景の殆どに既視感がある。



「それでもやるの」



「⋯⋯わかった。お前が決めたことなら私は何も言わないよ」



スンッとギイナはその場から姿を消した。今頃、どっかの海岸線で洞窟を探してきてくれてるのだろう。



「はあー⋯⋯⋯」



目を閉じ大きく息を吐きだす。確かに私にも思うところはあるし、彼女らからすればここは故郷だ。でもまあ、逆らえないよなぁ。



「⋯⋯⋯漫画、いやアイス食べに行こ」



難しいことは考えないっ!取り敢えず暑いからアイスを食べよう!


そんな事を考えながら、私は山を下っていった。









と、そんなことをしていたのは大体2時間前。


日本の夏ってこんな暑いっけと思いながら公園でアイスを食べていたんだけど⋯⋯。



「⋯⋯⋯⋯」



なんかすっごい幼女に見られてる。私にそっちの気はないけど、

なんかこう連れ去りたくなるくらい可愛い。最近こういう尊みの塊には触れてこなかったのもあるけど、この女の子すっごい天使なんだけど。


黒髪黒目の日本女児って感じだけど、あ、いや髪の毛内側が多少赤いかな?地毛⋯⋯かなぁ?



「⋯⋯あーもしかしてアイス食べたいの?」



「⋯⋯⋯⋯」



反応してぇ⋯⋯⋯⋯いやちょっと待ってもしかして。


アイスを右にスススッとずらす、すると幼女の目線もアイスと一緒に右に移動し、アイスを左にスススッとずらすとまた幼女の目線も移動した。上に行けば幼女は天を仰ぎ、口に入れようとすると悲しそうな顔をする。



「アイス、買いに行く?」



そう聞くと幼女は目を輝かせながらロックバンド並みにヘドバンをした。取り敢えず手持ちのアイスは食べて、残った棒はゴミ箱へポイッ⋯⋯よし、しっかり入った。



「じゃあ⋯行こっか?」



「うん!」



手を差し出せば、その小さな手で私の手を掴む。

やべーまじ天使。


それでもな、名も知らぬ幼女よ。知らん人について行っちゃあかんのよ。不審者だったら危ないからね⋯⋯⋯私が言っちゃ駄目だなこれ。



「ねえ、お名前聞いてもいいかな?」



「日ノ出!」



「日ノ出ちゃんね。日ノ出ちゃんはなんのアイス食べたい?」



「う〜んとね、チョコのアイス!」



「よしわかった!お姉さんがいっぱい買ってあげよう!」







くそぅ。子供の食欲ナメてた、所持金が底をつきてしまった。おかしいな?結構な額を与えられていたはずだぞ?あぁ、ギイナに怒られそう。



「というか日ノ出ちゃんはお家に帰らないの?」



「え?」



もうそろそろ午後6時になる。いくら夏と言ってもあたりはすでにオレンジ色の夕焼けに染まっている。


雨は大丈夫そうだけど、どうだろ。あっちに雲があるからもしかしたら降るかも。


そんな事を考えながら歩いていたら、いつの間にか日ノ出ちゃんと繋いでいた手が私の進行を阻んだ。止まってしまった日ノ出ちゃんは俯き、顔を上げたと思ったら溢れんばかりの涙を溜めていた。



「だ、大丈夫!?」



私の声を拍子に、ダムが決壊し日ノ出ちゃんは大粒の涙をこぼしながら泣き叫ぶのだった。


ちょっと待って、私子供のあやし方なんて知らないよ。ど、どうすればいい?と、取り敢えず頭を撫でておく。すると日ノ出ちゃんは私の胸に飛び込んできた。


⋯⋯⋯うん、この際涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったパーカーのことは忘れよう。取り敢えず今は日ノ出ちゃんを抱きかかえてこの場を去ろう。さっきからなんかついてくる輩がいるし。


⋯⋯⋯ん?⋯⋯んんっ!?私の服溶けてるぅ!?なんで!?⋯⋯あ、そっか!私の服って原材料血だ!え、【業羅鎧】って水に溶けるの!?


うわっ!しかも雨が降ってきた!どうしようこのままじゃ私幼女を抱きかかえてる全裸の痴女になっちゃう!


骨で傘を作ろうそうしよう!親指を噛みちぎって、噛みちぎった方の骨を再生して歪だけど傘をつくる!ふう、取り敢えずこれで痴女になる心配はなくなったな。





「どっかで雨宿りしないと⋯⋯⋯」



なんか雰囲気いい感じのバス停ないかなぁ⋯⋯?いや、ないなこれ。



「しょうがない、雨宿りする場所にいくかぁ」



へい後ろの奴ら、何しれっとガッツポーズしてんだよ。まあいっか。後ろのも一緒に来てもらおう。日ノ出ちゃんも⋯⋯⋯こっちも連れてっちゃお。話聞いた限り、今日日ノ出ちゃんのお父さんは帰ってこないらしいし。


みんなに負担がかからないように⋯⋯⋯。



「【影縫«転移»】」



ユーサ君、これやっぱり便利だね。なにせ、任意の人のところに自在に転移できるんだもん⋯⋯まねっこだからめっちゃ魔力消費するけど。



「ただいまギイナ」



やってきたのはどっかの洞窟。ギイナがいい感じの洞窟を見つけてくれたから、そこに転移しました。おやギイナさんなんだいその顔。なんとも言えないけれどもまずい味の何かを食べたみたいな微妙な顔。



「⋯⋯クイナ、その抱えてる子はなんだ」



「拾ってきた」



こらこら頭を抱えるんじゃない。



「じゃあ⋯⋯その後ろの男子たちは?」



「連れてきた」



流石ギイナ。頭を抱えた状態のイナバウアーとは高度なリアクションだね。


そうなんですよ。ついてきてた輩って男の子二人なんですよ。



「はぁ!?」



「なにこれっ!?」



日ノ出ちゃんと同い年、片方は金髪の混じったオールバック。もう片方は金髪の混じったマッシュの男の子。二人は兄弟みたいだねぇ。


でもなんでか洋服がぼろぼろだったり、青痣が残ってるんだよねぇ。その二人は急に自分のいる場所が変わって驚いているご様子。いやぁ〜面白いね。



「因みになんで連れてきたの?」



「なんでって、そりゃあ⋯⋯⋯」



決まってるじゃないかギイナ。



「この子達が、”主人公”だ」



ちょっと抑えきれないのでここで出しますね!!!



▓峰▓菜という人物、これは実際には”▓▓していない”。

薙▓▓菜は▓▓悔▓の人格を宿した▓の▓▓▓なのである。

その▓▓▓こそが”▓▓”であり、”邪神”たる所以なのだ。



もういっちょォ!!!


▓▓ナは▓▓である。



ちょっとスッキリしました。









『これ大丈夫?止めたほうがいいんじゃない?』



『無理だよ、止まんないから。』



『ヒィィヤッホーーー!!』



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