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家に連れて来ました。(嫁じゃないよ!)

「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」


 俺の両親の前でそうのたまうエル。


 その横で親父にボコボコにされた俺。なんでだ!


『若すぎる嫁さん連れてきたからだ。このロリコン!』


 違うわ!1人じゃ危ないから親父達にあずかってもらおうと……。


『そして自分好みに育てようと……異世界版の光源氏か!』


 違うわ!………お袋がゴミを見るような目で見ている。マヂで違うからね!


「実は――」


『かくかく、しかじか』


「スケルトンがカクカクしてるのね」


 スケルトン!お前のせいでお袋の視線の温度が更に下がったぞ!急速冷凍かけられたみたいに凍り付くぞ!


「それで、彼女は?なんなの?」


「私の初めて(キス)を奪われました。(ポッ)」


「母さん、ちょっくら根性鍛え直してくるわ」


 いや、親父!話聞いて!首根っこ掴んで引っ張らんといて!




 ◆◆◆◆◆




「――それで、身よりもないみたいだから、自分好みに育てる為に家に連れてきた。それでいいのよね?」


「だから、探索者になるにしても年齢的にも、戦う業も持ってないから、ここに置いとけないかって話なのに、どうしてそっち持ってこうとすんの!?」


 両親が話を聞いてくれない。さらに、スケルトンとグラシャがある事ない事を2人に言いつけている。


「あのね、動物飼う訳じゃないんだから、『それなら、いいわよ』ってなるわけ無いでしょ?」


 ――そりゃそうだ。


「それに、エルちゃんも探索者になりたいの?」


「はい。両親がそうだったので、……でも、今はお嫁さんに……」


 はい、そこ!よけいな事を言わない!頬を赤らめない!いい加減しないと荷物まとめて出て行くからね!


「なら、花嫁修業よ!あなたに着いてこれるかしら?」


 あれ?何か変な方向にお袋がやる気をだしてる?


「はい!がんばります!」





 ◆◆◆◆◆




「まず、最初に料理。『男の胃袋を掴め』と言いますが、むしろ『男の胃袋を直に突き破れ』を目標に掲げて作りなさい」


 ……死んでしまうやん。


「あなたもロリコンも何、覗いてんの?さっさと散る!(シッ、シッ)」


「……親父、大変だったんだな」


「皆まで言うな。……惚れた弱みだ」


 お袋がどんな料理を仕込むのかわからんが、食えない物にはならんだろう。


 そう思っていると、正面に回った親父が肩を掴み、


「息子よ、……死ぬな」


 そう言った。冗談だよね。


「オレは、最初に食べた時に一週間ほど寝込んで生死の境をさ迷った。……その間アイツが看病してくれたから助かったがな」


「いや、生死の境って……」


「そして、思ったんだ。こいつ無しでは生きていけないと……」


 親父……思い切り調教されてますやん。


 それと、スケルトン君。エプロン着けてどこ行くの?


『それでは、食材の買い出しから行きましょう』


 2人の間に割って入った。


「そうね。そのスケルトンと一緒に買い出ししてきてね。食材はスケルトンが知ってるから」


 そう言えば、スケルトンがお袋の手伝いしてたの忘れてたな。


 時々、とんでもない物を買ってきてはお袋にぶっ飛ばされていたが。


『そんじゃ、山に入ってブラットウルフの肝と極小毒カエルの毒肝を取りに行きますか』


 ブラットウルフは漢方薬的なものに使われるらしいが、極小毒カエルの肝は、1匹で50人ほど殺せる毒性が有ったんじゃなかったっけ?


 どうも、嫌な予感しかしない。


 コクリとうなずくエルを連れてスケルトンは出て行った。


「どうするんだ?」


「とりあえず、オレの位牌を用意するのはやめてくれ」


「何を言っているんだ?今から予約しておけば、割引が利くんだぞ」


「そんなの予約すんな!」


「それより、追うのか?」


 当たり前だろ!命かかってるみたいだし。……オヤジも来るみたいだな。




 ◆◆◆◆◆




 2人(?)を見つけると、ブラットウルフを蹴散らしていた。


「なかなかやるじゃねーか、あの子」


 赤い刀身の剣を使いこなして次々とブラットウルフを倒していく。


「スケルトンは相変わらずだな」


 ……ブラットウルフにかじられてます。ちゃんとせんかい!


『いゃぁぁ~ん。そこは、らめ~~!』


 ……ブラットウルフよ。食っちまってくれ。


エルが武器を蒼白い大鎌に持ち変えると、スケルトンを襲うブラットウルフに大上段から突き刺した。


『紙一重……』


ブラットウルフを蹴飛ばし、立ち上がったスケルトンの頭には大鎌が突き刺さっていた。


「いや、刺さってるって」


思わずツッコミを入れた。……聞こえなかったみたいだが。


『この俺をここまで追い詰めるとは』


「いや、しっかり刺さってるから」


……聞こえるよね?今度は声はってるから。


「スケルトン……あなた邪魔」


 エル?聞こえてるよね!


「イチャイチャするのにあなたは要らない」


『彼とイチャイチャするのはこの私よ!いいわ。決着を着けましょう』


 どこからともなく装飾過多なステッキを取り出し、クルクルと回す。


『キラキラ、キラキラ』


 口で言うなよ。


 スケルトンの体に光が集まり、ヒラヒラのフリルの付いた服を着ていた。魔法少女か!


「むっ!なら私も……」


 エルは双方の手に大剣と大鎌を掴む。


「ヘンシン!」


 大剣と大鎌が光を放つと分解され、エルを包み込む。


 そして現れたのは、赤と青のメタリックな仮面ナンチャラ!お前らそれをどこで仕入れた!


「これで、戦隊モノがあれば〇時台は完璧」


 親父か!元凶は!


 その後、炎と吹雪と光舞う異空間をそっと後にした。

最後思い付かなく、コメントしようもありません。

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