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スピード婚! (死亡フラグが……)

『粗茶です』


 家に帰るとスケルトンとエルが台所でお袋にしごかれている。


 その合間を縫って、俺と親父、そして後一人の人物にスケルトンが茶を出した。


ズズズズ。


「で、そのお婆ちゃん誰?」


 白髪を団子にしたしわくちゃな小さいお婆ちゃんを見た。


「占い師のタルンデルさん」


「何で居るの?」


「いや、お前の結婚運占って貰おうと思って」


「自警団の相談じゃないのかい?」


 お婆ちゃんが親父を見ながら言った。


「そっちは問題はないです」


「はな垂れ小僧が言うようになったね」


 昔から自警団の相談役をしていたらしく、親父も頭が上がらないようだ。


「では、顔をよく見せてくれんか」


 そう言って近づいてじろじろと顔を見る。


「どうも、変なやつにおちょくられそうな顔をしとるの」


 変なやつ(神)に現在進行形でおちょくられてますが! 人生単位で!


「では、占いを始めるかの」


 お婆ちゃんはおもむろに親父の服をめくるとおもいっきり手を叩きつけた。


 親父が声にならない叫びを上げてひっくり返っている。腹に紅葉つけて。


「相変わらず、良い音じゃ」


「いやいや、何してんの? 親父、涙目じゃん?」


「うむ、見えてきた!」


 目を閉じたお婆ちゃんが祈るように集中している。占い? それ占いなの?


「むむっ! これは……」


 俺と親父は身を乗り出して続きを待つ。やっぱり、気になるし。


「……よく見えん。叩き方が足りなかったかの?」


 キラリとお婆ちゃんの目が怪しく輝く。親父が顔を青ざめさせて、逃げようとする。


 俺はとっさに親父のズボンを掴んだ。


「何すんだ! 離せ!」


「何か知らんけど、親父を逃がすと俺に危険がおよぶような気がして……」


「ハラ家奥義! 神速カニハサミ!」


 親父の足を挟み込み、捻り倒すとマウントをとる。この間、1秒!


 そして、地獄の腹叩きが始まる。


 気がつくと、下手な日焼よりも酷い色した腹を出したまま白目向いてる親父と茶をすすりながら目を閉じているタルンデルさんがいた。


「見えたぞな」


 俺はこの婆さんの行動とこれから告げられる占いの結果に唾を飲みながら静かにしている。


 そしてスケルトンも正座して聞いている。その前に親父の顔の白いの取れ! まだ亡くなってないから!


「このまま行けば、結婚式を上げる事になるが……そうするとこやつが死ぬ!」


 婆さんが指差した先にはスケルトンが喪主をつとめる親父の亡骸があった。いつの間にそこまで用意した!


「どう言うことだよ?」


「このまま行けば、婚約が認められてそいつの嫁さんがパーチーを行う」


 おふくろの事だな。


「その時に突発的に大食い大会が始まり、喉に詰まらせて窒息死」


 ……へ?


「それを回避したとしても、若いねーちゃんに偶然抱きついたりして嫁さんの逆鱗に触れ、魔法で吹っ飛ばされ当り所が悪くて死亡」


「どうして親父が?」


「どんな因果かわからんが、結婚式を挙げるなりなんだりするとこいつはゲームオーバー。死んでしまう」


『予約入れとく?』


 って、すんな! それより、親父を起こせ!


『おっ、惜しい人を亡くしてしまった』


 グラジャ! 親父に線香あげんな! それとどこほっつき歩いていた!


『普通に忘れ去られてましたが……何か?』


 泣きながら縁側で吠えんな! 近所迷惑だ。


『パーティーは明日するそうです』


 早っ! おふくろ? もうエル嫁さんにする事決めちゃったの?


『予約入れとく?』


「どうにかできませんか?」


 スケルトンの頭部を外に捨てて、タルンデルさんに向き直る。


「ん~。この叩きやすい腹に死なれると後を探すのが大変だからね」


 親父は完全にタルンデルさんの占い道具扱いでした。


「しかし、もう叩く所がないね」


 タルンデルさんの目がこちらを見る。仕方がない……ここは覚悟を決めるか(キリッ!)


『あっ、主? 我は何されるの?』


 グラジャ、暴れるな。スケルトンも足押さえて。先生! お願いします!


 目を閉じて、気力やら魔力やらを高めたタルンデルさんが目を見開き、


「ハラ占家奥義、ハラ百裂叩き!」


 残像が見えるほどの手がグラジャの腹に叩きつけられる。


 この後、犬の悲鳴が何とも言えない悩ましい悲鳴に変わった頃にお袋に全員が魔法で吹っ飛ばされた。


「5年じゃ」


 親父の死亡の運命はそれだけ間を開ければ大丈夫らしい。お袋を説得したタルンデルさんが言っていた。


「その間、ちゃんと守ってやれ」


 よし、これで迷宮に行ける! ……? 守る?


「ちゃんと一緒に連れていくんじゃ。そうすれば目的に近づけるから」


 最後に意味ありげな笑みを着けて、婆さんは帰っていった。


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