表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/25

迷宮考察(子犬について)

町に帰ってきた俺達は女、子供に囲まれた。


「かわいい~」


「毛触りがフワフワだよ」


………囲まれているのは堅狼グラジャだった子犬でした。


スケルトン、犬耳付けでもって1人もよってこないから、止めとけ。………泣くな。


『フハハハ、我を讃えよ!……いや、腹をなでるな!くすぐっ、尻尾を引っ張らない!耳が!耳が~~っ!』


この声を聞けば、スケルトンも落ち着くかな?




◆◆◆◆◆




『我は変な趣味に目覚めそうである!』


「これ以上、変なことにならないように止めて!」


子供達に遊ばれ、女子達に抱かれ弄ばれたグラジャは、嫉妬に血の涙を流すスケルトンに踏まれていた。


スケルトンの踏みつけが絶妙なのか、時折グラジャが変な声を上げる。


『我を何処に誘うかこの新しい感覚は……』


Mってるワンコロはすでにいる(マンガにな!)からいりません!


スケルトンを止めると、宿にある酒場に金をやって行かせる。うさを酒ではらしてこい。


俺は宿の裏にある空き地に行くと剣を振り始めた。


対人をイメージしながら上下左右に剣と腕が一体になるように振り続ける。


『訓練を欠かさないのだな。見下げた奴だ』


「最後、何見下してんの!?ただ単に間違えただけだよな!」


返答次第では、服従のポーズの時に大事な所を潰す!


殺気にグラジャは尻尾を股の間に丸めた。


『すっ、すまん。間違えた。別にモテなさそうなだから、見下してるわけではないぞ』


とりあえず、サソリ固めをかけてやる。犬の骨格からして無理矢理だが。


《ゴキゴキ、ボギッ!》


変な音がしたが気にしない。


『ムチャクチャだな主は。復活するのにしばらくかかったぞ』


知るか!次は羊の毛刈り用のバリカンで頭以外の毛を刈ってやる!


『さて、我は主の眷属となったわけだが、主に聞きだい』


なんだ?


『主はどこに向かう?』


神をぶっ飛ばすと言っても分からんだろうな。


『神を?』


!?


『スケルトンがカンペを持って後ろにいるぞ』


静かに酒でも飲んでろ!


スケルトンを蹴り戻し、グラジャと向かい合う。


『ポッ』


「何、目をそらしてんだ?お前もボケ属性か!」


『場を和ませるための冗談だ』


和むどころか、すでにグダグダだが?


「当面の目的は迷宮の制覇だ。力をつけなければ、目標には届かないからな」


『分かった。我は主の命と繋がっているからな主が亡くなるまで付き添うことになる。目的が聞けてよかった』


グラジャは紙に何かを書いている。


「辞表じゃないよな?」


そのギャグ、スケルトンがやった!


『遺書だ』


「同じじゃね~か!」


『迷宮の事について、話をしよう』


堅狼グラジャの威厳を纏い、子犬がしゃべりだした。……巻きで。


『この世界は、今この瞬間にも迷宮が誕生している。なぜだかわかるか?』


「いろんな奴らが創ってるとした聞いてないが?」


『それもあるが、その中で、自然発生する物もある。――世界の消滅時における最後の生命力を媒介にしたものだ』


「それが迷宮が産まれる一つの理由か。なら、迷宮だらけで足の踏み場もなくなるんじゃないか?」


『それはない。産まれた迷宮によっては似たような迷宮に、すぐに取り込まれてしまうからな。それと、迷宮を消滅させる方法もある』


更地にするとか。


『迷宮内にある心臓部――いわゆる核というやつを壊せばいい』


迷宮に核なんかあるのか?


『核がそれぞれの迷宮でどんな形をしているか分からんが、最深部にいるボスと融合しているものならば簡単だ。ただ倒せばいい』


簡単そうだな。


『問題は神や神に近づいた者が創った迷宮だ。核は巧妙に隠されていて、ボスも何度でも甦らせる事が出来るからな』


それじゃ、どうしようもないな。


『迷宮を攻略した者の中で幸運にも、核となる部分を破壊して迷宮を消滅させた者がいる』


マジで?


『ボスに向かって吐いた言葉が迷宮を創った本人の心をえぐり、核を砕いた』


その先は厭な予感がするので聞きたくないんだが……。


『その言葉は、《お前の母ちゃん、でべそ》だった』


「小学生か!」


聞かなきゃよかった。


『核が破壊されると迷宮は消滅し、核を破壊した者には、破壊された時に漏れ出した力を一部とは言え手に入れることが出来る』


力は具体的にどんなの?


『迷宮を攻略する時に80才の年齢だったが、帰ってきた時は70代位に若返っていたそうだ』


「たいして変わらないよね!見た目も!」


絶対、嘘だろ。


『髪が後退してたのがフサフサになってたそうだ』


信じよう!俺も将来不安だし。


それに核を破壊して力を得ていけば、目的に近づける。……しかし、問題もあるな。


『そこで、我の出番だ!我ならば、核を見つけるのに役に立つ!この鼻で!』


犬だしな。

『(グ~~~ッ)だから我に旨い物を食わせろ』


エ~~~ッ?飯食うの?コイツ。仕方ないな。スケルトン~!エサ持ってきて。


宿の女将さんから、自分の犬に食わせているドッグフードをもらったそうです。


エサ入れに入れて、差し出すスケルトン。


『我にこんなカリントウのような物を食べさせる気か?』


匂いを嗅ぎそっぽを向くグラジャ。


スケルトンはその口にドッグフードをねじ込んだ。


『なっ、何をする!(モグモグ……ゴクッ……)ウマイ!』


ガツガツとドッグフードを食べるグラジャを見て、手に持っていたドッグフードを見つめるスケルトン。


お約束だけど、やんなよ!


(ヒョイ……ポリポリ……オゥエ~)


だから、食べるなって!

初級迷宮と『堅狼』の迷宮は神が人間のレベル上げ用に創っているため、核は最深部の地中深く埋めてあります。(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ