ボス戦(呪いの正体)
魔法陣を抜けると巨大な空間に出た。
その中央に伏せているモンスターがいる。
「でかいな……」
口をポカンと開けて相手を見上げた。
全体が赤黒い巨大なウルフがこちらを見ざだめるように見ている。
『よくここまで来た。
我が名は堅狼グラジャ。
貴様も力を欲する者か……』
頭の中に直接響く声に驚いた。
「………」
『力を欲するなら、受け入れ眷属となれ』
俺は黙って剣を抜いた。
スケルトンは黙って白旗を振った。
剣をスケルトンに叩きつけた。
「余計なボケはよせ!」
コイツはいつでもボケを忘れないな。真面目にやってくれよ!
『我が力を受け入れよ!』
腕に痛みが走る。
見ると赤黒いミミズ張れが腕にあらわれている
「これは………呪い!?」
『我が抜け毛だ』
抜け毛?
『季節がら、生え代わる』
それでかい!
『我が抜け毛に込められたら魔力により、強い願望を持つ者に力を貸す』
どんな願いだ?
『《強くなりたい》
《剣技をアイツより早く覚えたい》
《彼女が欲しい》
《何故アイツに彼女がぁぁ!(泣)》
《リア充爆発しろ!》
最後の願いが一番強かった』
「ただの嫉妬じゃねえか!!」
どこでどう間違った!?
そんなんに力を与えてんじゃねえよ!
「コイツはお前の責任か!このせいで見たくもないもん見せられたんだぞ」
主に鞭打たれる神官とか。
「アグッ!」
右足に痛みが走る。右足にもミミズ張れが出来ている。
『我が力を受け入れよ!そうすれば、お前の目的の為の力を与えよう』
ふざけるな。
ふざけるな!
「ざけんじゃねぇ!」
俺は吠えた!
「俺は、力を手に入れたい!
しかし、それは誰かに与えられた力じゃねえ!
俺は俺のまま、強くなる!
だから、テメエを倒してそれを手に入れる!!」
『我を倒す?
ヤッテミロ!!』
強い魔力が堅狼グラジャから放出される。
『我が眷属よ、いでよ!』
現れたのは、頭からアホ毛を頭から生やしたモテなさそうな男達だった。
「「「リア充爆発しろ!」」」
「モテない軍団きた!」
スケルトンが肩当てを形成し、頭から突っ込んだ。
俺はその後を追うように走り、レッドウルフの長剣で斬りつける。――アホ毛を。
2人に1人河童みたいになったけど、気にしない!
だが、多勢に無勢。周りを取り囲まれてしまう。
スケルトンが股間から生やした―――折られた。早ッ!
なんとか体制を立て直さないと……。
「おい!堅狼グラジャ!お前メスはいるのか?」
『我は妻、妾、愛人あわせて、15ほどいる』
モテない軍団が向きを変えた。堅狼グラジャの方へ。
「「「リア充、憎し!」」」
『なっ、なんだお前達は!力を与えてやっているだろう!何をする!』
人波に飲まれていく堅狼グラジャを見て、嫉妬の暗い力に戦慄をおぼえた。
『グゥオォォン!』
嫉妬パワー終了~。
人波は蹴散らされ、堅狼グラジャが傷つきながらも立ち上がった。
『我をここまで追い詰めるか……人間よ』
自爆しただけだと思いますが?
『貴様だけは、食い殺す!』
それって完全な八つ当たりだよね!
スケルトン!行くぞ!
『いってらっしゃい~』
ハンカチふってます。
そのスケルトンの頭を掴み、《骨武器生成》!
今まで取り込んだ骨と武器によりスケルトンが作り替えられる。
呪いのハリセンに!
「何でやねん!」
『クボォォアァァ~!』
叩きつけられたらハリセンによって一撃で吹っ飛ばされた堅狼グラジャは虫の息になった。
ハリセンでトドメを刺すのはなんか可哀想なので、レッドウルフの長剣に持ち替える。
堅狼グラジャはこちらを見て、
『見事だ。だが、我を倒しても第2、第3の――』
ザックリと脳天に突き刺しました。(グリグリ)
◆◆◆◆◆
迷宮から出ると呪いは消えていた。
さらに、余計なモノもついて来た。
『我を置いていく気か?』
「いらないんすけど……」
黒ぽい子犬がトコトコとついてくる。
堅狼グラジャを倒すと、その魔力が体の中に入り、一つの塊として、スケルトンの口から吐き出された。
眷属:堅狼グラジャ(小/笑)
カードに追加された情報だ。
『仲間を置いていくとは、なんと非道な!』
「迷宮のラスボスだろ!迷宮出ていいのかよ!」
「倒されたから、問題なく次の『堅狼』に引き継がれた。本来ならば、我もその一部になる所なのだが、そっちに引っ張られてしまった」
力の一部ってやつか……。
『引継書も作成してあったのでスムーズにいった』
「会社員か!」
スケルトン面倒見てくれ。
いらない子犬がついて来た。




