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帰向  作者: 凛光穂
第三巻 緊迫の逃亡?刺激的な逃避行!いたずらな旅

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生態圏、蔑みの連鎖 その二

 秉核(ヘイカク)は裸足で枝の上に立ち、伸びをしながら、ふくらはぎで枝を揺らしていた。


 揺れる枝。揺り木の上は、難易度が高い。しかし秉核(ヘイカク)はしっかりと立ち、まるで足の裏が枝に張り付いているかのようだった。


 秉核(ヘイカク)の両手は他の枝を掴んではいなかった。秉核(ヘイカク)は何度か揺れたあと、枝が十分な弾力を蓄えたところで別の枝へ飛び移り、また跳んだ。秉核(ヘイカク)はまるで平地を走り跳ねているかのようで、この移動は飛ぶよりもほんの少し遅いだけだった。


 定体術の練習も、秉核(ヘイカク)は変わらず続けていた。手首のターゲットマーキング用魔石を四肢と腰に固定すると、身体はより精密な方向へと調整されていった。五、六メートル先への跳躍でも、秉核(ヘイカク)は誤差一ミリ未満の精度で着地できるようになっていた。


  ……


 木の葉が秉核(ヘイカク)の周りを飛び交う中、彼の空中跳躍は大胆でありながら、一点の狂いもなかった。

 その姿は、古の吟遊詩人が詠った森のレンジャーそのものだった。


 秉核(ヘイカク)は余裕綽々で、跳躍しながらも手が止まらない。

 指先で軽くつまんで枝の上の蛇の急所を押さえ、さりげなく枝から落としていった。


 しかし数分後、秉核(ヘイカク)は頭を上げて空を見上げ、旋回する鷹を見つけた。その鷹が自分を凝視し、急降下して細かく観察しようとしているように感じられた。秉核(ヘイカク)は心の中で「羽毛の獣の目は本当に鋭い」と呟いた。


 秉核(ヘイカク)は島の縁にある大木に飛び乗り、身を躍らせて湖の中へ飛び込んだ。秉核(ヘイカク)が水しぶきの中に消えると、この訓練された鷹は湖面を素早く掠め、そして空へ舞い上がり、その水域を数分間、注意深く旋回した。


  ……


 十分後。


 場所は、秉核(ヘイカク)がさきほどぶらついていた川の中州から七キロ離れた、小さな丘の上の屋敷である。


 この御苑家の屋敷は、青白い上質の煉瓦で造られていた。

 各区画には花が飾られ、澄んだ泉が小石の池から流れ出している。

 色とりどりの鳥たちが屋敷の中を飛び回っていた。


 ここは非常に風変わりで美しい屋敷で、御苑家の所有物であった。ふんわりとしたドレスを着た綺絢(キケン)が大理石のテーブルの前に正座し、茶器を弄っている。

 お嬢様が必ず身につけるべき一連の振る舞いである。


  ……


 注。帝都での秉核(ヘイカク)の経験では、璃韻(リイン)もコフィー(コフィー)も、貴族の礼儀作法にはあまりこだわらないように見えた。

 これらの帝都の大貴族の令嬢たちは、普段はとても気楽に振る舞っていた。

 しかし実際には、正式な場では誰もが完璧な礼儀作法をこなすのだった。

 上流の宴席では、令嬢として立ち居振る舞いに節度があった。


 しかし秉核(ヘイカク)は上流階級のパーティーにはほとんど顔を出さなかった。秉核(ヘイカク)が正式な場でコフィー(コフィー)と会ったのは、列車での初めての出会いのときだけである。そのとき、コフィー(コフィー)はすでに公爵令嬢の気質を見せていたが、秉核(ヘイカク)は中二病で雰囲気を台無しにしてしまった。それ以降、秉核(ヘイカク)は淑女らしいコフィー(コフィー)を見ることはなかった。


 現在、この御園家の貴族令嬢が見せている上品な振る舞いは、帝都の上流階級の宴における標準的なものだ。

 御園家の子爵は、子供たちに家の中でも適切な振る舞いを保つよう求めている。


  ……


 帝都の貴族たちの洒脱さとは対照的に、御園家は貴族の気質にひどくこだわっている。


 真っ白な帽子をかぶった綺絢(キケン)は、非常に端正で丁寧に一連の所作をこなした。

 白い指は蘭の花のように花瓶へ花を挿していく。

 一挙手一投足が優雅さに満ちていた。


 すると突然、空から鷹の鳴き声が響いてきた。瞬間、御苑・綺絢(ギョエン・キケン)の気質が激変し、彼女は腕を上げて鷹を降ろさせた。巨鷹が降りる衝撃は、まるで米袋が突然肩に乗ったかのようだったが、綺絢(キケン)の腕は非常に安定して下がり、鷹の衝撃を緩和した。


 この老鷹が降り立つと、すぐにキーキーと鳴き始めた。御苑・綺絢(ギョエン・キケン)はしばらく待ってから、ハンドバッグから地図を取り出す。老鷹はくちばしで、地図上の江心島の位置を三回つついた。


 綺絢(キケン)は蒼鷹に向かって、まるで子供に尋ねるように問いかけた。

「人間か、それとも何か」


 そして彼女の法脈が、耳で音調分析を開始する。——これは獣使い職業の能力である。


 老鷹はまた数回鳴いた。


 綺絢(キケン)は言った。

「木の中?怪物か?」


 鷹がキュッと鳴いた。


 綺絢(キケン)は驚いて尋ねた。

「区別がつかない?」


 鷹は頭を下げた。綺絢(キケン)は鷹の爪を撫でる。

 懐から小さな瓶を取り出し、小さな丸薬をつまんで鷹の嘴のそばへ差し出すと、鷹は一口で飲み込み、嬉しそうに一声鳴いた。


 綺絢(キケン)は鷹を、傍らで金糸木(一本の木片)の鳥かごを提げている使用人に渡した。同時に駆けつけてきた執事に言う。

「南に人を連れさせて、北13号区を調べさせろ。あちらに、何か訪問者がいないか確認せよ!」

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