人類の再興と新魔法 その一
蒸気暦一〇二三年
銃焰家のボーイスカウト軍学校では、十代前半の大きな子供たちが机の前に姿勢を正して座っていた。
机の上には銃器が置かれている。
軍服を着た軍事教官が合図を送ると、競技が始まった。
この年、秉核は十歳。口笛が鳴ると、秉核はすぐに手を動かし始める。銃器の部品が一つひとつ、秉核の手で外され、落とされていった。数ヶ月前から、秉核はこの競技に出ていた。
ただし狙いは一位を取ることではなく、中位よりやや上の成績を収めることだった。
……
しかし現実には、秉核も第一位を奪うことはできなかった。
銃器を分解するとき、クラスには、鉄製の部品に触れた瞬間、磁石のように部品を銃から引き抜く者が数人いた。指がドライバーのように回転部品を外していくのに対し、秉核は部品を指でつまむしかなかった。――秉核の新しい魔法体系が、まだ初期段階だったからだ。
……
銃焰博陸――この授業の教官である。
この教官は集中術を使っていた。
淡い青色の線模様が瞳のなかで回る。
生徒たちの動作を、一人ひとり走査していく。
教官は秉核に目を留めていた。秉核の指は驚くほど速く動いている。
だが背中が微かに震えている。
明らかに極度の緊張のなかで、能力の限界に達していた。
秉核の努力する姿を見て、教官は心のなかでうなずいた。
視線を、クラスの他の優秀な学生数人へ移した。
今の銃器分解の速さから見て、あと数年でこの若い学生たちは初級機械師の職位に到達できるだろう。
優秀な学生たちを見て、教官の顔には満足げな笑みが浮かんだ。
……
魔法という言葉は、非常に古い時代まで遡ることができる。
考古学の化石研究によれば、数千万年前の上古知的生命体たちは、既に魔法を使い始めていた。
現代人類の信頼できる歴史は、わずか十万年しかない。
人類の原始魔法は、これらの上古種族から学んだものに違いないと言われている。
しかし現代の目から見れば、二万年前の魔法の応用は、当時の冷兵器と同じように非常に単一で原始的だった。
火の玉や風の刃、氷の槍を直接撃ち出すだけ。
そうした上古人類の魔法使いは、愚かにもこの力を用いた。
原始的な魔法人類は、決定的な時期に完全に淘汰された。
神賜の時代――その時代に科学技術が突如として勃興し、わずか数百年のうちに超然たるレベルにまで発展した。
現在の人類文明は、科学技術の面で当時の百分の一にも達していない。
遺跡の資料によれば、現在では贅沢品としてしか推進できない電力が、神賜時代には全ての都市に送られていた。
一千万世帯の灯りを点していたという。
神賜期に現れた火砲、ロケット、さらには伝説の死光武器が、伝統的な魔術師たちの優位領域を歴史の塵と化した。
その後、六百年にわたって輝いた神賜時代は、大災害のなかで突然滅びた。
全ては、最高級の科学兵器と言われる攻撃によって廃墟となった。
輝かしい科学の体系は崩壊した。
……
しかし、神賜時代に残された蒸気推進や鋼鉄鍛造などの知識は人類に引き継がれた。
現在のような姿にまで発展した。
現代の新魔法は、神賜時代の後に発展したものである。
言わば、新たな出発である。
現代魔法は上古の魔法と比べ、魔力の発展方向はもはや破壊ではない。
膨大な魔力を蓄積する必要もない。
しかし重視されるのは、観測から微細制御までの様々な機能性効果である。
細部の制御を追求する新魔法は今日まで発展した。
上古魔法の修得難易度に匹敵するほどになった。
現代魔法の効果について――
人類は神賜時代の後、新魔法体系の出現により、旧魔法体系は完全に消滅した。
……
新魔法には、次のようなものがある。
集中術(視覚を動的ターゲットに合わせる――PS、視界内の静的ターゲットを無視する代償として)
気流測定術(幾つかの測量用レーザーを放出し、数百メートル範囲内の草木など複数の参照物を標示し、揺れを通じて空気中の気流擾乱を測定する。)
遠望術(目の前の光の屈折率を制御し、レンズを形成する。)
これら三つの魔法を組み合わせることで、新魔法の使い手であれば高精度の銃を使って一キロ先の低速目標を撃つことが可能になる。
しかし、これら三つの新魔法は、膨大な現代魔法体系におけるほんの入門編に過ぎない。
魔法使いのなかで下位の兵士職として認められるには、少なくとも七つの魔法を習得していなければならない。
……
現代魔法の分類は、火属性、氷属性、元素タイプといった上古的な分類ではなく、職業別の分類となっている。
下位職業には、兵士、機械技師、医師、植物農家、馭者が含まれる。
中位職業には、騎士、射手、機械制御者、医牧師、造糧師、馭霊者など数十の職業がある。
(各種効果魔法の種類体系に従い、多くの特殊な職業がある。例えば探検者という職業は非常に特殊で、射手の動体視力を持ち、簡単な組み立て接着魔法もあり、造糧師の魔法も備え、一部の有機物を迅速に食用可能な食品に加工できる。)
上位職業は三種類のみで、将軍、権柄、および砦である。
下位職業から中位職業へ、中位職業から上位職業へと昇格していく。
昇格できるかどうかは、最も基礎的な下位職業の段階で既に決まっていることが多い。
現代魔法の体系は、上古の魔法に比べて出力を軽んじ、精度を重んじている。
上古魔法を冷兵器に例えるなら、現代魔法はチップ製造である。
チップ製造には数百の工程がある。
たった一つの基礎を間違えれば、後は全て間違いとなる。
故に、新魔法の中位職およびそれ以上の伝承体系は、厳密な体系である。
……
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