弱気な機械師、行き詰まる その三
秉核は当惑しながら、コフィーの隊列について行った。
あまり緊張はしていなかった。左右の若い学生兵たちに殺気がなかったからだ。銃を構えて護送する仕草のときも、秉核にぶつからないよう気を遣っていた。
秉核がぼんやりと後ろについて行くなか、冷たいコフィーの横顔と茶色い鎧の背中を見つめた。『彼女の機嫌を損ねたのだろうか』と秉核は自問した。
注。聖ソークの貴族が白い手袋を投げる行為には、複数の意味がある。
白い手袋を相手の胸元に投げるのは、大貴族が小貴族を叱責する前の行為である。
地面に投げ捨てるのは、縁を切ることを意味する。
顔に向かって投げつけるのは、貴族同士の決闘の宣言である。
……
コフィは秉核を連れて時計店に入った(上流地区にはカフェも茶館も酒場もなかったのだ)。
後ろについてきた軍事学院の生徒たちは入口で待機していた。
コフィが座ると、鎧が「きしきし」と軋んだ。秉核は、彼女のスカートアーマーが木の椅子に傷をつけたのではないかと思った。コフィは左足を右足の上に組み、金属の戦靴を跳ね上げた。そして秉核へ、向かい側に座れと合図した。
秉核が座ると、
コフィは尋問のような口調で切り出した。
「二月にあなたはカジェットを訪ねたの?」
この「自白すれば寛大、抵抗すれば厳罰」といった態度を前に、
秉核は素直にうなずいた。
「はい」
コフィは問い詰めた。
「なぜ彼を訪ねたの?」
秉核は言い淀んだ。
「いくつか質問があって、彼に聞きたいことがあったんです。それで」
コフィーは声の調子を上げた。
冷たさを増して尋ねた。
「どんな問題?詳しく言いなさい」
秉核は言った。
「ええと、定体術について教えてください」
それを聞いて、もともと険しい表情をしていたコフィーは、何かを見つけたように立ち上がった。近づいて秉核をじっくりと眺める。両手を秉核の肩に置き、秉核の体を左右に回して、もっと詳しく見ようとした。厳しい尋問官の面構えは、いつのまにか先ほどの冷たい表情を保つのを忘れている。好奇心旺盛な少女のようになり、彼女は思わず尋ねた。「あなた、定体術を練習してるの?」
突然表情を変えたコフィーを見て、秉核はどうしてよいか分からず、うなずいた。
コフィーは手で顎を支え、慎重に考えたすえ、真剣な評価のような口調で秉核に言った。
「道理で、道理で君の背が伸びたと思ったよ」
秉核は少し嬉しそうに、追い討ちをかけるように尋ねた。
「他には?」
コフィーは再び秉核を見た。
突然手を伸ばして彼の頬をつねり、不満そうな声で言った。
「他に?」
「くそっ、なんでお前の肌は俺より良いんだ?」
雷に打たれたように、秉核は呆然として言った。
「あのさ、さっきまでカジェットの話をしてたんじゃなかったっけ?」
もともと秉核を見つめていたコフィーは、彼の呆然とした指摘で話が逸れていたことに気づいた。
気まずさを隠して、再び冷たい表情に戻った。
机を叩いて言った。
「定体術の話以外に、あいつと何を話したんだ?」
秉核は眉をひそめた。秉核は指を折りながら、当時の雑談を必死に思い出そうとした。
「あのときは、たくさんの話題を話したよ。天体や海のこととか」
「カンカン」とコフィーが机を叩きながら言った。
「君と彼の武器取引について話してくれ」
秉核は怪訝そうにコフィーを見た。秉核は何かに気づいた様子だった。
「えっ、君が言ってるのは誘導ロケット弾のこと?あれは」
表情がますます険しくなるコフィーを慎重にうかがいながら、探りを入れるような、責任を転嫁しようとするような口調で聞いた。
「いや、僕を彼に紹介したのはあなたじゃないですか?偵察用の機械の鳥も、あなたが僕に作らせたんですよ。それなら」
「バタン」と、この公女は恐ろしいほど大胆に、直接机に足を踏み上げた。
殺気立った笑顔で言った。
「それで、何が言いたいの?」
秉核は金属製の鉄靴の先端の鋭さを見た。
必死に体を後ろへ引こうとしたが、座席が床に溶接されていて動かせないことに気づいた。
秉核は唾を飲み込みながら言った。
「閣下、あなたとカジェットは友達だったんじゃないですか?まさか今は……その、私は最近機械術で忙しくて、彼とあなたの事情は本当に知らないんです」
秉核の頭には、『カジェットが他の女性と親しくなり、コフィが嫉妬して怒っているところに、自分が間の悪いことに巻き込まれた』という貴族社会のドロドロした筋書きが瞬時に浮かんだ。
突破口を必死に探していた。
秉核の心細く恐れる様子を見て、コフィの激しい怒りは瞬時に半分ほど和らいだ。
むしろ今は、彼を抱きしめて揉みしだきたいという衝動さえ覚えた。
コフィーは手を伸ばして秉核の肩に触れ、片手で彼を壁に押し付けた。戦職者の力の優位が、非戦職者を圧倒した。秉核は、肩の骨をしっかりと握り締められているのを感じた。――この屈辱的な経験によって、秉核は「機械師」という職業の弱さを深く理解する。文人が兵士に出会えば、理屈が通じないのと同じだった。
しかしその直後、秉核の頭は壁に仰向けになり、腰を曲げたコフィーの顔は、秉核から三センチも離れていなかった。
それほど近くて、少女の鼻息まではっきりと感じられた。
もちろん、それ以上に彼女の迫力ある瞳が見えた。自分に何かできるはずがないと分かっていながらも、秉核はその生死を左右するような視線にぞっとした。
コフィーは海拉寒流よりも冷たい声で、幽かにこう言った。
「今すぐ私の質問に答えなさい。嘘をつこうものなら、この手でお前の顔を切り裂くわよ」




