根骨、誘導ロケット弾、体術 その一
秉核は、法脈の根本的な進化方法をすべて掌握したつもりでいた。
だが新たな現実は、その自信に強烈な一撃を加えた。
機械学院の地下静室で、秉核は絶対平衡の法脈システムを構築しようと何度も試みたが、
予想通り失敗に終わった。
秉核はがっくりと肩を落とし、ため息まじりに言った。
「やっぱりこんなに簡単じゃないんだ」
……
傭兵の新手機械店から戻った後、秉核は数日かけて平衡配置を完成させようとしたが、
結局は不可能だと悟った。
秉核の身体は均整が取れていたが、左右の骨格と筋肉にはごくわずかな非対称があった。この〇・数ミリの誤差を、秉核は消しゴムの能力で強引に修正しようとしたが、
数日試した末、こうした無理な方法では駄目だと気づいた。
この世界の人間に、そんなチート機能はないのだ。
椅子に座った秉核は、炎日の身体における法脈の状態を思い返し始めた。
秉核は、手にした水晶の結晶に刻まれた法脈のモデルを眺めていた。
皎月と炎日の体内の法脈に設けられた空隙は、まるで標準部品のスロットのようだった。だが、このスロットにはいったい何の役割があるのか?秉核には今もまったく見当がつかない。なぜなら秉核は実験の最中、このスロットの精度を無視しても騎士としての機能にはほとんど影響がないと気づいていたからだ。
(これほどの労力をかけた対称性の基準は、騎士職にとって何の役にも立たない)
役割が見つからないとしても、その存在意義まで否定することはできない。銃焰家の法脈にある不規則な空隙は、明らかに設計上の欠陥と見なせる。だが炎日と皎月の法脈にあるこれらの規則正しい空隙を、これほどの手間をかけて仕上げた意味がないと言うのなら、それは自らを欺く行為だ。
「しかし、いったいどんな役割があるのだろう」秉核には理解できず、見通せなかった。秉核は突然、上位職業についての理解が自分には少し足りないと気づいた。上位職業が実際に何なのか、まだはっきり分かっていなかったのだ。
……
秉核が考え込んでいると、「根骨」という言葉が頭に浮かんだ。
根骨、端正、脈絡がはっきりしている――武侠の世界の言葉だ。
そう、上古では多くの技の伝承に生まれつきの条件が必要とされ、それゆえ「根骨」という説があった。
太い指は、指の長い人間がピアノの世界で持つような優位には及ばない。
二十一世紀の地球では、機械が多くの職場で個人間の労働格差を解消したため、「根骨」という言葉はほとんど使われなくなった。
だがこの世界では、多くの先端技術や技芸が職業者の身体条件に依存している。
――つまり、この世界にも「根骨」に似た概念が存在するに違いない。
炎日や皎月のような現象が存在するのなら、
身体の基準線を調整する何らかの方法があるはずだ。
秉核は思わず鏡の前に立った。映る自分は標準的と言えるが、やや細身で華奢だった。その姿を見つめながら、秉核は呟いた。「今からこの問題に気づいても、まだ遅くはないだろう」
……
二日後、帝都軍事区。
幾重もの検問を通り抜け、秉核は帝都の軍事区に到着した。
かつて秉核は、この菱形の要塞の高塔と、その周囲に広がる訓練場をよく遠くから眺めていた。
蒸気が轟く機械区に比べ、こちらはいつも人数が多く、叫び声も大きく響いているように思われた。
機械区学院の学生証を持ち、ここに入ろうとした時、秉核はかなり不安を感じていた。秉核の印象では、軍事区の規律は他のどこよりも厳しかったからだ。しかし予想に反し、カジェットを訪ねて来たと告げると、兵士はすぐに秉核を中枢区域へと案内してくれた。
秉核は無意識のうちにコフィを避けていた。その理由はこうだ。
「一般的に、こうした大美人の周りには多くの貴族が群がっているものだ。誤解を招かないため、自分が軍事学院に来た目的が不純だと勘違いされないため、護花使者たちに追い出されないためにも、この地雷には近づかない方がいい」
秉核は軍事区の門番の尋問に、
カジェットの友人として彼を訪ねて来たと答えた。
秉核の印象では、この公爵の世子はとても気さくな人物で、
話が通じるはずだと思っていた。
もちろん秉核にとって意外だったのは、
門番の士官が学生証を仔細に確認した後、態度をひどく丁重なものに変えたことだった。
……
秉核は知らなかったが、試練を乗り越えた後、自分の身分は特別なものになっていた。
カジェットのような貴族階級の将校たちにとって、
機械学院の優秀なグループ長と知り合いであることは、非常に都合がよかった。
これらの若い准将校たちが家族の資源を使って軍事学院内の競争に加われば、非難や嘲笑の的になる。
だが、他の学院の学生を利用して競争に加わることは非難されない。
貴族社会では、こうした派閥形成の能力が重視されていた。
特筆すべきは、試練終了後、カジェットがコフィーのルートを通じて秉核に連絡を取り、軍事学院での資源を借りようとしたことだ。当時コフィーはきっぱりとそれを拒んだ。コフィーとカジェットは競争関係にあり、コフィーがカジェットの資源拡大を手助けすれば、自分のチームに圧力がかかるからだ。
しかし秉核はそんな事情を知らず、試練を終えた後にコフィーから届いたのは、単なる祝賀の手紙だけだった。秉核には、その意図がまったく理解できなかった。
貴族の少女としての気品から、コフィーは自ら秉核を祝福しに来ようとはせず、秉核が訪ねてくるのを待ち続けていた(コフィーの言い分は「守護騎士として、試練を無事に終えたら、まず守るべき姫に安否を報告するのが礼儀では?」である)。古き貴族の基準に照らせば、秉核の守護騎士ぶりはまったくもって失格だった。
……
視点は軍事学院の正門に戻る。
軍事学院の教官が言った。「銃焰さん、帝国新鋭団はまだ訓練中です。少しお待ちいただくことになるかもしれませんが、よろしければ士官室でお待ちください。訓練が終わり次第、カジェット士官とお会いさせます」
遠くのグラウンドから聞こえる訓練の掛け声が、
その士官の言葉を裏付けていた。
秉核は言った。「うん、それはあなたにとって面倒すぎます。それでは、私はここで待って、訓練が終わってから入りましょう」過剰な待遇に直面し、秉核は少し居心地の悪さを感じていた。この学院には騎士様がいると噂されており、今の秉核は軍関係の人間を見るだけで怖くなるのだった。
士官は笑いながら言った。「構いませんよ。最高の試練を達成した優等生として、あなたはどの分院でも最高の通行権を持っています。帝国は人材を拘束しません」
秉核
「……」
……
―――――




