一つの扉 その一
傭兵部門の機械実験室で。
秉核は高温を制御し、炉のなかで行われる精密加工を安定させていた。
秉核の目の前では、六角形の光学系魔法が光源をフィルタリングしていた。
――中位職種には、必ず習得すべき中核魔法がいくつか存在する。
たとえば医牧師という職業では、微生物分解術と細胞再生術がその職業の柱となる魔法である。
ほかの新しい補助魔法がどれほど多く、どれほど優れていても、
柱となる魔法が基準に達していなければ、中位職業に入ったとは言えない。
……
そして秉核もまた、機械職業者の柱となる魔法の一つ——スペクトル視覚術を試しているところだった。
正確に言えば、このスペクトル視覚術は一連の魔法の総称である。
そのシリーズはマイクロ波観察、赤外線スペクトル観察、紫外線スペクトル観察に分類できる。
機械師の職業では通常、一つずつ使い分ける。赤外線を見る必要があれば赤外線観察に切り替え、紫外線を見る必要があれば紫外線観察に切り替える。
機械制御者がスペクトル視覚術を完全に習得した証は、すべての光波帯を同時に観察でき、かつ各波帯の変化の細部まで把握できることである。
……
秉核は炉のなかで真っ赤に焼けた鉄球を見つめ、スペクトル視覚で明らかな斑状の色彩を確認しながら、ノートに各材料の加熱むらを記録していた(肉眼ではただの真っ赤で、まだらは見えない)。秉核の現在のスペクトル視覚なら、
四十度の温度差がある色斑もはっきりと認識できた。
秉核は赤く輝く鉄球をじっと見つめ、慎重に別の新しい魔法を起動させた。法脈の各領域が消耗し合って影響するため、他の新しい魔法を起動すると、スペクトル視覚には明らかな色斑が現れる。魔力供給が不安定になり、スペクトル視覚術の視界はその短い瞬間にぼやけた。もちろん秉核は素早く調整した。
すぐに色斑は鮮明に戻った。
秉核は軽く息を吐いて言った。
「考え方は正しい。私は機械制御者になれる。この法脈設計の欠陥という穴を、ようやく掘り当てたぞ」
秉核は今、銃焰家の法脈の主要部分を一小節だけ変更した。その一小節を変えただけで各分区を再設計し、隙間の量を大幅に減らしたのだ。――この改変を銃焰家内部の中位職業者たちが知ったら、さぞ驚くだろう。
秉核は、自分が今回加えた修正によって銃焰家の法脈が千年にわたって縛られてきた状況から完全に脱け出したことを、知らなかった。
……
秉核が成果をまとめていると、ドアを叩く音がした。
「ここは新人フレンドリー機械店ですか?」
若く澄んだ声が機械店の通路に響いた。
秉核は作業の手を止めて、「はい、どうぞお入りください」と言った。
二十歳前後の男女が入ってきた。二人が入ってきた瞬間、秉核の目は思わず彼らに引き寄せられた。
男性は威風堂々とした風貌で、眉や鼻の造作が整っている。
女性はおだやかで、その姿は虹のようだった。二人を見た秉核は、〇・五秒ほど呆然とした。
秉核が帝都で見た人々のなかにも、美人の素質を持つ者は少なくなかったが、どれもまだ未熟で、自然のままでは必ず些細な欠点があり、秉核に衝撃を与えるほどの感覚は得られなかった。これは絵のなかにしかない完璧な姿だった。同じ感覚を、秉核は帝国の六皇子・燦鴻に思い出した。
あの皇子は険しい顔つきで凶暴そうだったが、見た目だけは確かに完璧だったと言わざるを得ない。
しかし、この二人は決して皇族ではないし、聖ソークの地元の人間ですらない。髪は黒く、瞳も黒かった。
……
秉核がぼんやりと二人を見つめていたとき。
二人もまた、秉核を見て一瞬たじろいだ。
男性は秉核を見て言った。「この、小(秉核の全身を仔細に確認する視線)……ええ、小弟弟。君の師匠はどこにいるんだ?」
秉核は言った。「私はこの機械店の店主です。あなたたちは鉄髭の紹介で来たのですか?」
女性が近づき、腰をかがめて、興味深そうに秉核の髪を撫でながら言った。
「あなたが?機械技師?坊や、今年いくつなの?」
秉核は首をかしげて聞き返した。
「おばさん、あなたは今年十六歳とあと何ヶ月なのか、教えてくれませんか?」
女性はぽかんとして、手を引っ込めながら不満そうに言った。
「可愛い見た目なのに、全然素直じゃないわね」
……
男性の名は炎日、女性の名は皎月。
明らかに、間違いなく偽名だ。
貴族が個人の身分で外出するとき、偽名を使うのはごく普通のことである。
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