帝立軍事アカデミー その二
今行われている演習では、三百人以上が馬に乗って戦術突進を行っている。
整然とした勢いが、波のように前へ押し寄せる。
大きな軍馬は若い兵士を乗せ、有刺鉄線や逆茂木などの障害物を整然と、しかも素早く通過していく。
大口径機関銃はこの時代すでに登場していたが、騎兵を淘汰するには至らなかった。
職業者がいるからだ。
全身に装備を整えたコフィーは馬に乗り、突撃隊列の最前線にいる。
彼女はグレネードランチャー付きの大口径銃器を手にしていた。
この時、彼女の左目の前には立体の光るプリズムが浮かんでいた。
このプリズムは職業者の目の真前に浮かび、瞳の動きに合わせて回転する。
この単純な魔法は職業者の視界に照準を与えるもので、シューティングゲームの画面のカーソルのようだった。
コフィは素手でグレネードランチャーを構えて発射し、熟練した手つきで装填した。
発射速度は二秒に一発。
発射されたグレネードはすべて、二百メートル先の演習場に標示された目標へ正確に命中した。この貴族の少女は、実に勇ましかった。
……
シューター(様々な武器を得意とし、遠距離精密射撃に特化した下位職業)。
それがコフィの現在の職業である。
この職業は防御陣地において、機関銃や軽迫撃砲の火力陣地にとっての天敵となる存在だ。
地球の第一次世界大戦の条件下では、塹壕防御陣地の機関銃は遮蔽位置から発砲し、数分か、それ以上も生存できた。
弾帯一本を撃ち尽くした後に、無事に移動するだけの時間が十分にあったのだ。
集中射撃を終えた後、敵が迫撃砲や軽機関銃で制圧してくる前に、余裕をもって塹壕から機関銃を移す。
別のグループが別の位置で射撃を始め、また移動する(撃つたびに場所を変える)。
複数の機関銃グループが塹壕陣地でこうして交替しながら戦えば、大規模な砲撃や平原での戦車集団の突撃に直面しない限り、機関銃グループは陣地をきわめて堅固に守ることができた。
しかしこの世界では、機関銃手にその移動時間はない。
狙撃手という職業が存在するためだ。敵の火力点が露見すれば、狙撃手は数秒で精密な射撃によってそれを破壊できる。
龍牙公爵領は射手の産地として有名だ。様々な独特の新魔法によって弾道を判断できる。そして騎兵は常に龍牙家の最重要兵種である。
……
演習が終わると、カジェットは馬から降りたコフィーの方へ歩み寄った。コフィーの傍らにいた隊員たちは、素早く二人のために道を空ける。
カジェットが言った。
「見事な突撃を成功させたことを祝福する」
コフィーは銃を背中に収め、従者が差し出した汗拭きを優雅に受け取ると、カジェットに言った。
「だが一位は相変わらず君だ」
カジェットは笑いながら言った。
「今は休息時間だ。私の方へ移って、少し座っていかないか」
コフィはうなずいた。
それから二人は、列の中の多くの学生たちがこっそり注目する視線の中を、馬で訓練場脇の休憩エリアへと向かう。
今、学校の訓練場周辺の休憩エリアには、兵士の職業者に昇格した学生しか留まることはできない。
高貴な生まれの若い男女が休憩エリアに入ると、三々五々にいた学生たちは気を利かせて立ち去り、二人に場所を譲った。
……
暖炉は暖かさを保っていた。
二人は暖炉の傍らのテーブルに、それぞれ腰を下ろした。
コフィは入学してから半年以上が経ち、すでにこの学院に溶け込んでいた。
一挙一動により自主性と独立性が現れ、カジェットの前で少女の恥じらいを見せることも、ますます少なくなっていた。
……
なぜなら軍事院の学生の事情は、機械学院よりもはるかに複雑だったからだ。
軍事学院では、普通の学生は帝国の兵士になることを学ぶ。
そして、ここにいる貴族は貴族将校になることを学ぶのだ。
この時、コフィーは三百人チームの隊長であり、カジェットは別のチームの隊長だった。
一年前には利害が交わらなかった二人だが、今では競争関係にある。
これらの貴族学生たちが考えるべきは、単に自分自身が試練を通過するかどうかではない。
試練の中で自分のチームの何人が通過するか、ということだ。
コフィーとカジェットは軍事学校に三年間在籍する。
三年間で、自分が試練を通過させたメンバーが多ければ多いほど、自分のリーダーシップが強いことになる。
逆ならば、無能ということだ。
自分のチームが勝ちたいなら、競争の中で他のチームを圧迫しなければならない。
これが戦場であり、これが軍隊だ。
そのため、コフィは自分と家族の名誉のために、カジェットに対しても一歩も引かず、一切の妥協を見せなかった。
少しでも感情的な弱さを見せれば、コフィのチームはカジェットのチームに対して、リーダーの決意不足から士気が揺らぐことになるからだ。
……
そして、この二人もまた情報通で、機械学院で起きた超高難度の試練のことを知っていた。
上流貴族のサロンでは、今回の機械学院低学年グループが遭遇した試練は、四十年間で機械学院が経験した中で最も難易度が高く、最も価値のある試練だと評されていた。
試練の課題素材は前線で鹵獲した敵の武器で、試練の過程は陛下と元帥が自ら審査した。
そして成功した機械院の新入生グループは、わずか十日の試練期間で成果を生み出した。
その一部は、軍にすら採用された。
……
カジェットが切り出した。「聞いたところでは、銃焰の秉核は試練の後で体調を崩したそうだ。友人として、お見舞いに行きたいと思っている」
コフィは笑顔を保ったまま訊く。
「ただのお見舞いですか?」
カジェットは少し考えてから答えた。
「ええ、この前の件で、まだ彼にお礼を言っていないんだ」
コフィは言った。
「彼は最近、多忙かもしれない」




