ぼんやりとしたテスト その二
第二の車両は、スハ元帥を筆頭とする軍部派閥の興味を大いに引いた。
だが、その興味を皇室の前で表に出すわけにはいかない。
試練の終了後、スハは軍部の代表として、皇室と大きな利益の問題をしっかり話し合わねばならないからだ。
皇室にそれらの問題を適当に済ませる口実を与えてはならなかった。
今や秉核の水炭スラリー技術を応用したこの戦車は、すでに合格点の戦争科技と言える。
下位職業者がいくつかの術法を使うだけで、水炭スラリーの性質を保ち、車両の稼働を維持できるのだ。
二足機甲は帝国最良の装甲だが、それでも欠点はある。
たとえば耐久力が不足している。そのうえ砂漠地帯では水が乏しく、十分な有機物を得ることも難しい。
言ってみれば、秉核が今目にしているこの不合格技術は、実はスハ南方軍団の要求に合致している。
ではなぜ南方軍団の機械技師たちはこれまでこの問題を解決できなかったのか。
それは、帝国の大半の地方軍団が徴募できる機械技師職の者の出身が高くないからだ。
彼らの家学は浅い。
発想は、伝統的な蒸気機関や火砲、銃器製造の域を出ない。
家学が浅いということは、こうした小さな機械師一族が独力で技術研究を行う際、非主流の技術研究を支える財力を持たないことを意味していた。
帝国内で非蒸気機関や非主流の技術分野を数多く握っているのは、機械制御者といった中位職業を持つ大規模な一族だった。
秉核が現在取り組んでいる水炭素スラリー技術は、ほとんどの小さな機械師一族にとって範囲外のものだった。
工房が利益を上げるまで支えることはできない。
そもそも探求すべき技術とも思われていなかった。
敢えて手を出す者もなく、大々的に探求する資金もなかった。
……
ここで、帝国が現在抱える一つの問題に触れねばならない。この問題こそ、今この試練の背後にある根源的な矛盾であり、これから蘇哈が皇帝陛下としっかり議論すべき大きな事柄でもある。
それは帝国の優秀な機械師たちの配分問題である。
……
帝国では名目上、皇帝が至高の存在である。
だが、政治派閥どうしの警戒と争いは常にあった。
蒸気暦以降、機械系職業が台頭してから、大陸の勢力は機械師や機械制御者の重要性に気づいた。聖ソーク帝国が聖ソーク家の帝国である所以は、聖ソークの政治的手腕によるところが大きい。
皇室は幾人かの大公の軍権を抑えつけることなく、大公が機械制御者を獲得するのを常に妨害してきた。
……
現在の帝国で、上位職業者を擁する大家族の中で、聖ソーク皇室だけが確固として機械制御者を掌握している。
エイボーーやスコットらは、皇室が直接掌握する機械制御者である。聖ソークの手腕のもと、銃焰のような家系は皇室に直接忠誠を誓っている。
そのため、皇室近衛軍は最も先進的な装備を有している。
(実際、皇室近衛軍は一部の内燃機関車両を封印保存している。編制上、スコットとエイボーーという二人の機械制御者が軍団に仕えており、必要な時にこれらの車両を起動できるからである)。
一方、他の地方軍の装備は遅れている。
彼らの軍団編制には、機械技師しかいないからだ。
例えば、今回北方龍牙大公の軍団が鹵獲したこの戦車も、北方軍団の機械技師の手に触れられた。
だが、結局は大人しく帝都へ送られ、技術支援を求めることになった。
ここで求めている技術支援とは――実は機械技師の技術要員の派遣を要求しているのである。
機械は壊れやすい物品だ。
地方軍団にとっては、上層部から十分な機械技師要員が配給されてこそ、軍隊は機械装備を維持できる。
これは実際、龍牙のような地方派閥が前線の危機を利用して、皇室に条件を突きつけているということだ。
そして皇室は、地方の圧力のもと、しぶしぶ機械学院一年生のテストを始めた。
テストの対象が一年生の新入生であることから、皇室にはまったく与える気がなく、ただ適当にやり過ごそうとしていることがわかる。
……
したがって、テスト前に秉核が過ちを犯した時、燦鴻(六皇子)はテストをすっ飛ばし、「怒り」に任せて秉核を北方軍団へ送り込もうとした。実はこの六皇子は、口実を作ってこの枠をごまかそうとしていたのだ。
誰もが秉核のようにぼんやりしているわけではない。この六皇子は、軍の他の騎士たちとともに秉核のクラスへ来る前に、クラスの貴族子弟の資料をすべて丹念に読んでいた。以前燦鴻が手に入れた秉核の資料によれば、銃焰家の四男で、少し愚鈍な馬鹿な子供。龍牙に贈ってやれる類の人間だ。
一方、擎山は南方軍団に属している。
だが、「皇室に人や資源を要求する」ことにかけては、これらの地方軍は統一戦線を組んでいた。
テストの前、擎山は秉核に南方軍団への参加申請を自発的に出させようとした。
皇室が北方軍団の機械技師の枠をいい加減に処理するのを防ぐためである。
しかし事態が進むにつれ、擎山はこの問題を直接、上の元帥に押し付けた。
……
もし秉核が平凡な機械技師だったなら、大物たちの目には取るに足らない小さな駒でしかない。しかし今や秉核の配属は、帝国の大物たちが交渉の際に真剣に議論すべき事柄になっている。
水炭スラリーのようなニッチな技術の開発であっても、南方の地方軍団が抱える機動力の問題を解決できるのだ。
しかし蘇哈は水炭スラリー技術について話すつもりなどなかった。
この問題は結局、大名家出身の機械技師が皇室に握られていることから生じたものだ。
各軍団が現在募集できる機械技師は、ただの普通の機械技師にすぎず、機械制御者の視野と教養を持ち合わせていないからだ。
……




