いわゆる天才 その一
銃焰領。この工業領は、相変わらず忙しい日々にあった。
大量の工業生産が進み、多くの船が非熟練労働者を安く運び込んでくる。
銃剣の威嚇、鞭の監視、リラ銀貨の刺激のもと、労働者たちは互いに監視し合っていた。石炭の積み下ろしや原材料の洗浄、煙突パイプの清掃といった労働集約的な工程が、整然と回っている。
銃焰領が払うリラ銀貨はわずかだった。だが田舎の農民にとっては、都会の暮らしが楽でなくても、年末には故郷よりはるかに多くの金が手に入る。だから毎年、大勢の農民が銃焰領へやって来た。
数年かけて貯めて、故郷で家を建て、嫁を娶るためである。
しかし実際には、こうした労働者が街へ来ると、その素朴な心はすぐに周囲に惑わされる。
刺激的な賭博、派手に着飾った歓楽街の女たち、甘美な酒。
大半の田舎者は一度味を占めると、街の甘い罠に一歩ずつ引きずり込まれ、抜け出せなくなる。
こうした底辺の労働者が街で苦労して稼いだ金は、社会の小さな肉食集団が高利貸しや賭場、娼館を通じて吸い上げていく。
それは、この世界の中流層の富者たちを太らせる。
むろん、この蓄積が血腥く不合理であるからこそ、さらに上層の大貴族たちが矛盾を転嫁し、総略奪に踏み切る正当性まで与えている。
銃焰領地は、帝国の他の工業領地と同じ社会生態を抱えていた。そして領地の頂点捕食者たる銃焰家は、中下層が想像するほど極度の贅沢をしているわけではなかった。
底辺で混沌とした享楽に耽る者たちには理解できまいが、年間一千万リラ以上を稼ぐ銃焰家が、その金を何に注ぎ込んでいるか。——銃焰家の資金の大半は、支配体制の維持に注がれていた。
一口の果物に百銀貨リラ、女性用の贅沢品に一万銀貨リラを費やすような享楽に使われてはいなかった。
……
銃焰領地の資金は統治への投資に回され、莫大な金によって重要な人々の暮らしは安定して守られていた。
彼らは、底辺の混沌と圧力から完全に隔てられていた。
この人々の中で最も高位にあるのは
1.機械技師、兵士、生産職と戦闘職
2.次に重要なポストに就き、一定の技術を身につけた労働者
3.最も下位は、農村から雇われた雇用工たちである。
1.最上位層の技術者・軍人向けの食糧供給では、果物、肉類、穀物が安定して優先的に回される。住まいと医療には、領地内で最高の条件が与えられる。
職業者の家族に病人が出て、領地内で解決できない問題があれば、家族は列車を仕立てて帝都まで送り、医療を受けさせることさえできる。
しかもこれらすべてについて、個人が負担や悩みを抱く必要はない。列車網が彼らのために待機しているのだ。
2.一般技術労働者は家族が用意した安全な居住区に住み、基礎的な食糧の供給が安定して保証される。毎年決まった衣類の配給が、月ごと、四半期ごとに定期的に支給される。そのほか、比較的豊富な技術手当も与えられる。彼らの金銭消費は主に教育と医療に向けられる。銃焰秉核にとって無料の家族学堂も、技術労働者たちには高額な授業料が課せられる。
医療も同じだ。——彼らはプレッシャーを負っている。
3.最下層の階級には、賃金だけを与え、ほかは何も保障しない。
——この人々にプレッシャーはない。だが、社会という絶望の重圧は、まさにこの人々にのしかかっている。
……
ゆえに銃焰の領地は三つの世界に分かれている。
第一世界の人々は総人口の五%を占め、領地の資源供給の四十%を享受している。
職業者に昇格できなければ、第二階層へ転落することになる。
第二世界は四十%を占め、三十%の供給を享受している。
技能を失うか、悪習に染まって財産を失えば、下層へ墜落する。
第三世界は領地の都市の隅々にいる商人や貧民たちで、彼らは経済の三十%をめぐって互いに駆け引きしている。
第三世界は、経済の矛盾と圧力のすべてを引き受けている。
第一世界の人々は定期的に、第三世界の肥満(高利貸しで富を得た富裕商人)を一掃し、集団内の矛盾を和らげる。
したがって銃焰領地には、秩序だった生産構造と規律正しい軍隊・警察がある一方で、苦しみながら搾り取られる下層民もいる。
資本主義の萌芽は、ニラのように、ずっと刈り取られ続けてきた。
……
領地中央の砦の中、伯爵様の書斎の調度品はどれも非常に質素だった。
この伯爵様は今、帳簿を抱えて一族の今年の収支を眺め、赤ペンで名簿に赤丸を付けていた。
赤丸で囲まれた名前は、どれも厄介な目に遭う連中である。
彼は領地の事務を裁きながら、帝都のスーゲト師匠と遠隔通話をしていた。——この通話の原因は、秉核の口から出た禍である。
……
机の上の立体映像水晶の中で、スーゲトがため息混じりに言った。「ギア、君は彼(秉核)に帝都社会の人間関係や事情を真剣に教えなかったのか?」
思芬は言った。
「ええ、彼は話すのがとても遅く、物覚えも悪いんです。どうかしました?また問題を起こしたのですか」
スコットが言った。
「彼が何をしたか、君の情報網ならもう知っているだろう。ああ、彼は愚かではない。ほとんどの学生より賢いのだが、九十%の若者より怠け者なだけだ」
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