序章 その三
光球に向かって、常秉は少し考えてから言った。
「うん、健康な体をくれればいい。元の世界に転生して、他はいらない」
……
光球は揺らめき、明らかに一瞬ためらってから答えた。
「なぜそのような考えを持つのか。私の計算では、あなたは前世でこれらの才能を強く望んでいた」
常秉は首を振りながら言った。
「ええ、確かに望んでいました。でも、もし生まれつき持っていたら、おそらくすぐに当たり前だと思い、最後には飽きてしまうでしょう。私は欲張りません。健康な体さえ与えてもらえれば。私の世界に戻らせてください」
光球は続けた。
「二点強調する必要がある。第一に、あなたはもはや元の時空領域に戻ることはできない。あなたは新たに世界を選択しなければならない。あなたが思考のなかで思い描く魔法、ファンタジー、仙侠など、想像し得るものはすべて、システムはあなたの想像の特徴に合致する世界をマッチングできる。次元は一連の可能性を包含している」
第二に、条例に従い、あなたは一種の天賦を受け取らなければならない。選択しない場合、システムはあなたにマッチするものをランダムに選択します。(ナレーション――チート能力を強制的に付与する)
……
光球の返答を聞き、常秉は、自分が何を欲しているのか、どこへ行きたいのかを懸命に考えた。
数分後、常秉は顔を上げて言った。
「こんな世界に送ってください。人々が小さな過ちを通じて自分の欠点に気づき、避けられない大きな過ちを回避できる機会がある世界です。みんなが互いを受け入れ、理解し合い、協力し合い、共に努力するような世界です」
光球はふたたび少し止まった。常秉の要求は、明らかに光球を再び沈黙させた。
光球の表面に絶え間なく現れる波紋を見ながら、常秉は説明した。
「新しい世界に来たばかりの私は、きっと間違いを犯すだろう。これは人生の必然だ。私は複雑で、傲慢にもなるし、無知にもなるし、虚栄心に駆られることもある。だから、だから思うんだ。その世界が私の間違った常識を少しばかり許し、私が自分を絶えず修正する機会を与え、その世界での自分の役割を認識させてくれるなら。そんな世界こそが、私に意味のある人生を与えてくれるに違いない」
光球は即座に拒絶の言葉を返した。
「申し訳ないが、そのような世界に入る条件を満たすことはできません。ただし、絶えず間違いを修正する才能を与えることはできます。どうですか」
常秉は少し驚いた。
「もう『チート』を与える段階に来たのか」
……
光球は常秉に答えず、一方的に、事務的に結果を宣告した。「能力のロードを開始します。受け取ってください。また、世界はすでに特定されました。ターゲット常秉はまもなく目標世界へ送り出されます。ピピッ、ターゲットの選択肢が極めて少ないため、マッチする初期同行者が存在しません。複数投入の転生者とその同行者を申請します」
あまりに一方的な宣告に、チートアイテムを渡され、任務世界へ送り出されるのだと悟った常秉は、強い違和感を覚え、慌てて尋ねた。
「待って、待って、私の質問はまだ終わってない。しばらく送り出すのを待ってくれ」
光球の表面ではなおもデータが飛び交い、常秉に向かって言った。
「転生システムはすでに準備完了です。どうぞ人生をお楽しみください」
……
突如、轟音とともに、常秉は何かを思い出しかけた。だがすぐに記憶は消され、巨大な渦巻く通路へ引き込まれていく。
その一瞬、脳裏に声が響いた。
「枷は、来るものを阻めない……降臨、我は沃土より来たる。沃土、沃土、沃土(次第にかすれ、聞き取れなくなる)」




