辺境の壁の外の世界 その二
秉核はますます緊張しながら言いかけた。「あの、私は仕事を探しに来ただけで、ええと」だが女性の目つきが鋭くなった瞬間、機械技師だと証明しようと、機械を見せるために手を上げた。しかし機械を開く前に、秉核はぶるっと震えてしまった。
秉核は殺気を感じた。女性の手にはすでに銃が握られている。秉核は確信した。これ以上少しでも動けば、銃口は自分に向けられる。
秉核の心に、そんな判断が浮かんだ。
「彼女は人を殺したことがある!」
殺人を思い浮かべた瞬間、血肉の飛び散る記憶が脳裏を駆け巡り、秉核の背中に冷や汗が流れた。
緊張と恐怖が顔に浮かんだ。
しかし、そんな様子を見て、女性の目の警戒は薄れた。彼女は秉核を見て、銃を下ろしながら尋ねた。
「あなた?機械技師?」
秉核は慌てて頷いた。規則の保護を受けていない状況で、秉核の心はひどく慌てていた。
「はいはいはい、私はただ仕事を見に来ただけで、他に目的はありません」
女性はもう一度秉核を見つめ、その手と服の襟元を観察した。何かを推し量ったらしく、うなずいて簡潔に言った。
「ついてきなさい」
鉄の扉が開き、秉核は女性について中へ入った。
入口に立っていた警備員は、すぐに緊張感を取り戻し、本格的な仕事モードに入った。
……
傭兵ビルは四階建て。下町の建物は三十メートルを超えてはならないという規制があり、傭兵協会はちょうど三十メートルだった。
設計上、長い廊下を通り、いくつもの扉を抜けた先に、会議室のような広間がある。
この光景を見て、秉核の脳裏にふたたび記憶が蘇り、彼はこの建物をこう評した。
「ヒトラーの総統府スタイルの建築だ。長い廊下と次々に続くドアで訪問者に圧迫感を与え、面会までの道のりを演出している」
やがて、百平方メートルほどの広さのオフィスにたどり着いた。ホールの中央に腰を下ろした老人の傍らに、緑の服を着た女性が寄り添って小声で囁いていた。老人は秉核を見上げた。
その目元の傷跡が、老人の印象を損ねていた。
秉核も懸命に笑顔を作った。
老人は秉核をじっと見つめ、穏やかな表情を作ろうとしたが、実際には恐ろしい顔でこう言った。
「君は傭兵組織に入りたいのかい?少年、先に言っておくが、ここは君には向いていないかもしれないぞ」
秉核はうなずき、次いで激しく首を振った。
そしてすぐに言い直した。
「待って、待って、私は機械技師です。貴方のプラットフォームを使って、自分にできる仕事を見つけたいと思っています。機械技師には経験が必要です。団体を組むために来たのではありません。私は帝国機械院の学生で、まだ学業中です」
弁解するうちに、秉核の口調は次第に流暢になり、視線も据わってきた。
ためらうことなく、老人と目を合わせる。
商談で自分が傭兵団と結びつけば、それは身売りに等しい。
この老人に話の主導権を握らせれば、協力の話は次第に傭兵協会に有利な方向へ滑り落ちていく。
老人は笑い、長く声を引き延ばした。
「そうか、そういうことか?」
秉核は老人を見て首をかしげた。
この老人に誠意はなさそうだと思った。
それから十秒後、秉核は立ち上がり、お辞儀をした。
「すみません、お邪魔しました。お互いに必要なものがなければ、これで失礼します」
老人は咳払いをした。
「コホン」
「若い者はそう急ぐな」
しかし、すでに背を向けていた秉核は、仕方なく再び席に戻った。
秉核は臆することなく言った。
「事の複雑さ、協力の方法、協力において生じうる難点は、今のうちに率直に話し合うべきだと思います。あなたと私はまだ見知らぬ間柄ですから、お互いに誠意を見せ合いたいものです」
「私は圖竹、帝都河溝区の傭兵部門の責任者だ」
老人は立ち上がった。
秉核は言った。「秉核です。出身は南黒海の銃焰領地。現在は帝国天体区(帝国一号皇宫区)に仮住まいで、中級機械技師をしています。あなた方のプラットフォームを通じて、一部の傭兵に機械製造のサービスを提供できればと思っています」




