飛躍的進歩 その二
……
秉核がそっと導師のオフィスの扉を閉めて立ち去ると、スコットは手を挙げて入口の制御システムを遠隔操作した。
扉の機械構造が作動し、カチリとロックがかかった。
オフィスの中では、金属製のデスクの上に、多面ガラスで構成された角柱が立ち上がった。角柱には純粋な青色のモデルとして思芬伯爵の投影が現れ、その顔は投影術でもはっきりと見て取れる。
(注)帝都と各高級貴族の領地の密室の間にはケーブルが敷設されており、光ファイバーのような高解像度の地図は伝送できないが、大まかな半透明投影を表示するには十分な情報量があった。)
銃焰・思芬がスコットに尋ねた。
「彼は本当に中級機械師(機械師という下位職業にも等級がある)の域に達したのか?」
「そうだ、しかも非常に精巧に描かれている。小ギア、君は自分の末っ子を十分に理解していないな」
スコットは言った。
思芬は言った。
「たぶん家で彼を縛りすぎたんだろう。ところで、リユンはどうしている?」
スコットは言った。
「彼女も悪くないし、怠けてもいない。だが」
スコットは目を上げた。
「君のこの孫娘は非常に高い才能を持っているが、機械への情熱は君の息子ほどではない」
思芬は反論した。
「情熱って、君みたいな冒険心に満ちたことか?それはよくないぞ」
スコットは言った。
「もういい。あの時に試さなかったら、私は本当に後悔していただろう」
思芬は言った。「ああ、君はあの時、ああ」思芬伯爵はため息をついた。
そして、突然。
「さっき、私はグロットの石彫りを彼に渡した」
スコットが言った。
通信が一秒途絶え、思芬の声が低く唸るように響いた。「誰にやった?璃韻か?それとも秉核か?」
「もちろん秉核だ」
スコットが答えた。
思芬はやや不満げだった。
「なぜだ?あいつを何かに誘導しているのか?」
スコットは言った。
「誘導なんてしない。あの子の目を見たよ。私が若い頃と同じように、落ち着きがなく血気盛んだ」
プロジェクター上の思芬の表情は画素では表しきれなかったが、絶え間なく動く眉が彼の怒りを示していた。
スコットは思芬をちらりと見た。「あの子(銃焰秉核)は君の指導では法脈の進歩が平凡だった。君は私に『中堅機械師になれれば十分』と言っていた。なのに今は、機械制御者の可能性を見せている。これが情熱のなせる業だ」
思芬は反論した。
「だが、法脈構築の最中に間違った試みを我慢できなくなったらどうする?」
スコットが遮った。
「大きな間違いは起きないだろう。私は三日ごとに彼を確認する」
伯爵は降参したように言った。
「数十年経っても、お前はお前だ。私が如才なく立ち回り、権力にすがりついているのを嘲笑っているのは分かっている。しかし」(遮られる)
スコットは言った。
「もうお前を笑ったりはしない。今や王室の庇護に頼っている私に、お前を笑う資格などない。今となっては、お前やお前の家族が正しかったのだ。人の支配下にあるなら、できるだけ静かにしているべきで、何も知らないまま挑発すべきではない。ただ……」
スコットは伯爵を見た。
「後悔はしていない。若い頃の私は、きっと支配から脱しようと試みたはずだから」
……
数日後、機械区の塀のそばで、普通の綿服を着た秉核が機械区の出口に姿を現した。
(機械区は上城区に属し、この出口は下城区へ向いている。)
この出口は城門並みの関所だ。道路の両側には二列の有刺鉄線が張られ、必要とあらばいつでも道路を封鎖できる。
塀の見張り塔のそばでは、ボルトアクションライフルを手にした兵士が壁にもたれて見張りについていた。
彼らの銃器は実に威圧的だ。城壁上にはいくつもの銃眼が開き、そこに機関砲が見える。帝国の機関砲は地球上のマキシム水冷式ではなく、むしろホチキス機銃に似た構造をしている。
いずれにせよ、ここは軽々しく振る舞える場所ではない。
どんな職業の者でも、単独でここに立ち向かえば蜂の巣にされるだろう。
この手の関所は、装備を整えた職業者でなければ突破できない。
現代の職業者とは、現代の工業システムに依存する魔法使いのようなものだ。
たとえば射手の職業なら、超長距離狙撃銃と超長燃焼弾で関所の兵士に高い殺傷力を与えられる。
機械師ならもっと簡単だ。爆薬を積んだ機械飛行体を作り、自爆攻撃を仕掛ければいい。
上古時代の魔法使いと同じく、現代の職業者が貴族の身分を得るのも、戦力で奪い取るのだ。
門番の兵士の丁寧な取り調べに直面する。




