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帰向  作者: 凛光穂
第四巻 赤子の純を欺くな、謀を弄び信を失い、良き人を測り難し

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信頼を築く その二

 三日後


 オークリー王室狩猟場の庭園では、選王者たちとそれに従う貴族たちが馬にまたがっていた。


 晩秋の花が咲き誇っていた。それらはオークリー各地の貴族から献上されたものだ。黄金色の花弁が庭園いっぱいに広がり、あたりを鮮やかな色彩で満たしている。ハヴィナはカルに手を引かれていた。遠方からやってきたこの少女に対し、カルは依然として上品な態度を保っていたが、心は大きく揺れ動いていた。一方のハヴィナは恥じらいの様子。二人は完璧な一対のように、狩猟の隊列の中で男女の主役となっていた。


 最も美しいのは初めての出会いだ。ハヴィナが群騰家の他の娘たちとはまったく異なる気質を持っていたため、カルは完全に魅了されてしまった。

(注。これはカルが有望選手として群騰家から厳しく管理されていたため、突然ハヴィナの魅力の攻撃を受け、これほど簡単に防衛線を破られてしまったのである)


 優しさは女性最大の武器。そしてハヴィナは今、意識してその優しさを使っていた。

 彼女の手がそっとカールの裾を引いた。近づけども密着はせず、カールはハヴィナの香りを感じ、時折柔らかな手に触れた。

 二人の手が触れ合っては驚いて離れ、それからまた探るように触れ合った。


 それはまるで攻略ゲームの途中で、さらに先へ進みたいという感覚だった。いつの間にか、カールはこの曖昧なゲームに夢中になっていた。


 地球上では、早すぎる恋は必ず学業に影響する。本来、重要なことに向けるべき注意力を妨げるからだ。


 そして一方、


 秉核(ヘイカク)と蘇塔(スータ)は狩場で馬を並べて進んでいた。


 秉核(ヘイカク)が騎術の競争を持ちかけた。


 二人の少年は馬で狩場をどんどん遠くへ進んだ。

 気がつけば隊列から二百メートル以上も離れていた。


 レースの途中、蘇塔(スータ)は何度も勝ちかけたが、結局はまた秉核(ヘイカク)に引き離された。


 レースが終わると、蘇塔(スータ)は不機嫌そうに尋ねた。

「機械制御者である君が、いつ馬術を学んだんだ?」


 秉核(ヘイカク)は答えた。

「学びたいと思った時に学んだまでさ」


 蘇塔(スータ)はうらやましげに言った。

「本当に羨ましいよ。君のように考えすぎず、自由に旅できるなんて」


 秉核(ヘイカク)は蘇塔(スータ)のため息混じりの表情を見て、『本当にそう思ってるの?』と言いたげな調子で問いかけた。

「自由自在?いや、この世に自由自在なんてものはない。もし私の周りの社会環境がもっと開明的で、オープンで、信頼できるものなら、わざわざあちこち歩き回る必要もないんだよ」


 蘇塔(スータ)は怪訝そうに言った。

「あんたが各地を旅してるのは、何かやむを得ない事情があったからかい?」


 秉核(ヘイカク)は笑って答えた。

「強制?いや、ただ環境に満足できなかっただけさ。だからずっと歩き回って、自分に合う場所を探してたんだ。でも今は分かったよ。時には自分で環境を作り出す必要があるってね。それも、複雑な機械を作るより難しいことだけど」


 蘇塔(スータ)の秉核(ヘイカク)を見つめる視線に促され、秉核(ヘイカク)は話を続けた。


 秉核(ヘイカク)は続ける。

「国家を成就させ、社会を維持するのは大事業だ。大事を成すには十分な信用が要る。大きな信用を築くには重大な約束を果たさねばならない。だが重大な約束を果たすには、それ相応の大きなことを成し遂げる必要がある。これは循環してるんだ」


 秉核(ヘイカク)は蘇塔(スータ)を見つめて言った。「私は今、より先進的な機械技術でこの世界を変えたいと思っている。蘇塔(スータ)、今の私を見てくれ。私にはいったいどれほどの信用があって、これを成し遂げられるだろうか?」


 蘇塔(スータ)は首をかしげた。そして秉核(ヘイカク)の困惑を不思議そうに見つめた。

「君の機械技術はとても高い。今や君の才能はみんなの目に疑いようのないものだ。まったく悩む必要なんてないよ?」


 秉核(ヘイカク)は笑いながら、「蘇塔(スータ)、今こっそり本当の名前を教えるから、誰にも言うなよ」と言った。


 蘇塔(スータ)はそれを聞くと、すぐに馬を秉核(ヘイカク)に寄せた。何日も経って初めて秉核(ヘイカク)が本当の名前を明かそうとしたことで、蘇塔(スータ)は二人の友情がようやく現実のものになったと感じた。


 秉核(ヘイカク)は告げた。「私の本名は、銃焰(ガンフレイム)秉核(ヘイカク)だ。今から、私は君との約束を果たす。そしてこれからも、より多くの人々との約束を果たしていく。」


 その時、遠くから騎士たちが馬を駆ってやってきた。秉核(ヘイカク)は笑いながら指を唇に当て、蘇塔(スータ)に秘密を守るよう合図する。


 騎士団長も急いで駆けつけ、蘇塔(スータ)に向かって礼を述べた。「蘇塔殿下(スータでんか)、カル殿下(カルでんか)が殿下と融鋼様(ユウコウ)に本隊へ戻られるようお願いしています」


 蘇塔(スータ)はうなずき、秉核(ヘイカク)に言った。「融鋼(ユウコウ)、戻ろう」


 馬の蹄が芝生の草を大量に巻き上げる中、二人の少年は騎士たちに囲まれ、再び華やかで賑やかな人混みへと戻っていった。

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