封建的抵抗 その二
銃焰秉核はカルを工場の内部へ案内した。
そこにはミニチュアの化学工場が広がっていた。ずらりと並ぶ反応釜と、無数の配管。
カルにとっては、まるで機械のジャングルのようだった。
カルは首を傾げて秉核に尋ねた。
「ここは何をしているところですか?」
秉核は笑いながら答えた。
「化学工場です」
カルは一瞬呆然とし、確認するように言った。
「火薬工場ですか?」
秉核は言った。
「ええ、火薬工場は化学工業の一部にすぎません。そして化学工業は、火薬工場だけではないのです」
カルは肯定も否定もせず、秉核の後を追って歩いた。
付き従う騎士たちは、手にした刀剣を握りしめ、周囲を警戒しながら見回していた。
反応釜の区域を通り過ぎたあと、秉核はカルに言った。
「世子閣下、現在の機械師という職業は急速に変化しています。蒸気暦千年、技術は分岐点に達し、機械師と機械制御者たちは今世紀、分化の傾向を見せています」
カルは興味深そうな表情を浮かべ、謙虚に尋ねた。
「詳しく説明していただけますか?」
秉核は指を折りながら言った。「蒸気機関でお湯を沸かすのは現代機械術の技術だが、技術がますます高度化するにつれ、もはや一つの機械家族が基礎の上に立ってすべての技術を包括することは難しくなっている。私の見るところでは、未来の機械師職は主に三つの方向に分化して発展していくだろう。
第一に、電気工学および電力制御。一部の機械師家族は既にこの技術路線を歩み始めている。
第二に、伝統的な機械加工。これは現在最も大きな分野であり、未来も維持され続けるだろう。
第三に、化学工業分野。ここは新興の分野で、未来にはこの業界から大量の新素材が世に躍り出るだろう」
工業の遅れたオークリー公国から来たこのカルは、秉核が今語っている理論が、当今の機械制御者の間ではまったく知られてもいないことを知る由もなかった。
素人のカールは秉核にまんまと騙されていた。もちろん本当に騙したわけではない。四方を旅してきた秉核は、西大陸の機械界で最も見識の広い機械制御者なのかもしれない。
カールは黙々と秉核の言葉を覚えながら尋ねた。
「では、あなたはどの分野が得意なのですか?」
秉核は笑って答えた。
「私は学習者です。どの家系の専門技術にも及ばないかもしれませんが、あらゆる分野に広く浅く手を出しています。新奇なものを作るのが好きなのです」
秉核はカールをある化学合成出口の端末へ連れて行き、新しく生産されたプラスチックフィルムの巻きを取って手渡した。秉核は笑いながら言う。
「これが私の新しい研究のちょっとした成果です」
この殿下は秉核から渡されたプラスチックフィルムの巻きを開き、金属でも木でも石でもないその滑らかな素材に手を伸ばして触れた。
この世子閣下は、今や好奇心のあまり、ここへ来た目的を忘れてしまっていた。
今日ここへ来た本来の目的は、一日前に空へ上がったあの不気味な花火が何だったのかを確かめるためだった。
……
石炭と水素をエチレンに変え、そのエチレンをレゴのように積み上げてポリエチレンやポリ塩化ビニルにする。
その後、保護ガス(窒素)の中で成形する。
現在、簡易工場の化工設備では、このような化学反応が行われている。
聞けば簡単な工程だが、秉核がこのプロセスを実現するにあたっては、各段階で擬態触媒術を使っている。
擬態触媒術を使わなくても、反応釜で生成物がまったくできないわけではないが、
擬態触媒術の助けがなくても、秉核の設計によって、各小型反応釜でその段階に必要な生成物が容易に得られるようになっている。
しかし秉核が設計した各反応釜は実験室レベルのもので、わずかな生成量に対して大量のエネルギーを浪費する。
そのため、無理に擬態触媒を用いて各工程を工業レベルに到達させるしかなかった。
秉核はこのために二十種類以上の擬態触媒術を設計した。将来「化工師」という職業が現れると秉核が確信したのも、これが理由である。
怠け者の秉核が、理由もなくこんなに複雑なことをするはずがない。秉核の目的は新型飛行船だった。
地球の飛行船技術は、旧式と新型という二つの明確な段階に分かれる。
旧式飛行船は第一次世界大戦の後、第二次世界大戦の前に姿を消した。飛行機に淘汰されたからだ。
一方、新型飛行船技術は二十一世紀に入り、飛行機から再び空を制する技術として復活した。
この世界では、ある種の海の生き物の皮が気嚢の外皮に使われており、第一次世界大戦時にツェッペリンが使った牛の腸皮と大差ない。間違いなく旧式の飛行船だ。しかも人が乗り込んで操作し、整備している。秉核はつぶやいた。
「これは危険すぎる」
遠隔操作と半自動化を備えた飛行船こそが王道だ。
秉核はすでに領域を持っており、無線信号を発信するにあたっては想像を絶する優位性がある。
しかし長い間、この世界の要塞たちはこの優位性を活かしてこなかった。
理由は単純で、彼らには機械技師の基礎知識がなく、真の主導権を機械技師に譲ることもなかったからだ。
(同じ時代の地球でも、明末の火器が西洋に大きく遅れをとっていたとはいえ、明末の工匠たちは依然として世界で最も技術力の高い集団だった。
しかし、火器を重視する『先見の明』のある文人たちは、匠戸に相応の権利を与えもせず、大幅にピンハネしたわずかな賃金を投げ渡すだけで、傲慢にも十分に与えたと思い込んでいた。)
今のような貴族階級制度のもとでは、機械技師も上位職業の者にどう動くべきかを指図することはできない。
仮に提案したところで、要塞たちは聞き入れない。
――痛い目に遭わない限りは。
千年蒸気暦の今日、要塞という職業はますます衰退しつつある。
秉核はぼやいた。
「社会制度が科学技術の進歩を阻害しているんだよ。」




