成功の喜びと良心の責務 その二
そのころ、列車の中間の車両では。
この車両は非常に豪華に設えられ、テーブル、絨毯、書斎、ワインラックまで揃っていた。両側の窓から流れていく野原が見えなければ、ここを快適な書斎と勘違いしてしまうほどだ。この車両の主人は蘇塔。部屋の中では城透が蘇塔に挨拶をしていた。
城透が口を開いた。
「殿下、我々はすでにヴィクラに到着しました。今後の数日間、準備を整えてください」
蘇塔は答えた。
「ご忠告ありがとうございます。関連する礼儀作法の流れは、すでに把握しております」
城透はうなずいた。
蘇塔が尋ねた。「ところで、秉核の様子はいかがですか?最近、彼を外出禁止にされたと聞きましたが」
城透は答えた。
「ただ行動を制限しているだけで、到着次第、解除します」
蘇塔は言った。
「それでは、彼を前もって解放していただけませんか」
城透は笑った。
「元々、長期にわたって拘束するつもりはありませんでした。殿下がおっしゃるなら、今すぐにでも――ええ?」
城透は窓の外を見やった。狂ったように駆け回る牛たちを目にして、奇妙な表情を浮かべる。
蒸気時代の列車はそれほど速くない。
野原を疾走するときで最大時速六十キロ。都市に近づけば時速三十キロにまで落ちる。
一刻後
列車はヴィクラに近づいたところで停まらざるを得なくなった。
二十頭の死骸が線路に横たわり、血なまぐさい光景が広がっている。
列車にも、牛の角がぶつかった跡が残っていた。
そしてすべての元凶である秉核は車内でおとなしく座り、何事もなかったかのように嘆いてみせた。
「こんなに多くの家畜が死んでしまうとは、国の法律が不十分ですね。線路の両側で牛を放牧するなんて」
比索は意味深に秉核を見て言った。「線路沿いの目撃者の話によると、誰かが列車の屋根で赤い布を振っていたそうです」
秉核は白い手拭いで手を拭いながら言った。
「そうか?誰だかはっきり見たのか?捕まえたら必ず重罰だ。必ず謹慎させてやる」
「はは、秉核様、今は誰もあなたを指摘できませんが、皆わかっていますよ。この車内でそんなことをするのが誰かなんて」
比索は笑った。
ガチャン、と秉核はカップをテーブルに置き、痛恨の極みといった表情で言った。
「偏見だ!これが人間の原罪だ!」
二十分後、秉核は冷静ではいられなくなった。
駆けつけた農場主は馬から降り、傍らに一列に跪く者たちを見て激怒した。
鞭を手に取ると、地面に跪く奴隷たちを打ち始める。
「この卑しい奴め!牛の番もまともにできんのか!牛の番もまともにできんのか!」
水に濡らした鞭は威力が凄まじい。炸裂するような音が響くたび、急いで駆け下りてきた秉核は身を震わせた。秉核は足を速めて走り寄り、この農場主貴族をなんとか止めようとした。
「もういい、もう打つのをやめてください。牛は一頭いくらですか、私が買います」
しかし秉核の声が小さかったのか、農場主は相変わらず農奴を激しく打ち続けた。まるで打ち殺すまでやめないかのようだった。
これに秉核は焦り、すぐに腰から速射銃を抜いた。「ダダダ」と農場主の足元を掃射すると、農場主は地面に坐り込んでしまった。両足の間に水たまりができたのを見て、ようやく話ができると判断した秉核は銃を収め、こう言った。(秉核がオーカで調べた相場では、牛一頭五十銀貨だった。)
「七十銀貨で牛一頭を買わせてくれ。全部で二十頭、千四百銀貨だ。儲かっただろう?」
農場主は腰を低くして言った。
「若様のご慈悲でございます」
秉核は笑いながら言った。
「よしよし、儲かったなら、嬉しそうに笑え」
農場主はひどく嫌らしい笑みを浮かべた。
これを見て秉核は手を振った。秉核は傍らの兵士に向き直る。
「もういい、笑うのはやめろ」と告げた。
「牛肉を汽車に積み込め。今日はごちそうだ。何頭かはこの旦那とその下僕たちのごちそうにしておけ」
その事件現場では、兵士たちは困り顔だったが、銃を収めて汽車に戻り始めた。
死んだ牛を積み込む作業が始まる。貴族の一行とはいえ、肉を無駄にするほどではなかった。
農場主はすぐさま地面に鞭を一閃させ、残忍な顔で牛を追っていた農奴たちを叱りつけた。
「まだ礼を言わないのか。若様のご慈悲だぞ」




