小さな仲間たち その二
そして秉核が最後の展示物を見終えたころ、ビックス大公がちょうど通路から現れた。
|ビクリ大公《ビクリダイコウ》の職業は、要塞である。
要塞は領域を持つ。大公は城透一行が宮殿に着いた時から、その領域を展開していた。宮殿内の来客の様子も、ずっと把握していた。
また、最初から活発で好奇心旺盛な秉核の様子を見ていた。秉核があちこち質問して回るにつれて、この公爵は秉核の振る舞いに微笑んだ。
ビックスのコレクションに、これほど純粋な興味を示す者がいるとは珍しい。
しかも、それがまだ幼い子供だった。
秉核が幼い年齢だったため、ビックス大公は彼を見ただけでオーカの上層部との政治的関わりはないと判断した。次第に秉核を特別扱いし、客人として遇するようになった。
この大公は、秉核が展示物を見終わるまで待ってから入ることにした。
客の見学を邪魔しないためである。
一方、城透たちの方は、ビックス大公がそのまま待たせておいた。
……
大公は控えの間に入ると、礼儀に従って国書を受け取った。
形式的な会話を交わした後、下々の者を下がらせるように手を振り、選王の一行を待たせる。
そして大公は秉核の前に来ると、笑顔で尋ねた。
「君の名前は?」
秉核は敬意を込めて応えた。「融鋼、これが外で使っている私の名前です。家族のことは言えません。今は職業的な機械制御者です。今年で14歳です」
大公は少し驚いたように尋ねた。
「あなたはオーカ人ではないのか?」
秉核は少し照れくさそうに言った。
「私は放浪者です。今は家族から離れて旅をしています。オーカ帝国の機械製造からは多くを学びました。ビックスでも得るものがあると思います」
大公は眉をひそめた。「14歳」に「機械制御者」。
そんな経歴は、「放浪者」にはまったく当てはまらない。
貴族の中で家族から離れて放浪する者は、基本的に下位の職業者だ。潜在能力も足りず、家族に重んじられぬまま、寂しく去っていった者たちである。
大公は秉核の素っ気ない様子を見て、奇妙な表情を浮かべた。
「家出」という荒唐無稽な言葉が頭に浮かんだのだ。
しかし、その奇怪な考えを打ち消した。
大公は秉核を見て笑顔で頷き、こう言った。「蘇塔は君と同い年だ。どうか仲良くしてやってくれ。彼は初めての遠出なんだ」
蘇塔——|ビクリ大公の七男。現在、王選に送り出されている候補者である。
秉核は頷いて、「光栄です」と答えた。
大公は頷き、秉核が散歩を続けたいのなら構わないと伝えた。
側にいた使用人に宮殿区域の案内を命じた。
……
30分後。
宮殿の庭園の一角で。
甘いお菓子を口にくわえた秉核は揺り椅子に座っていた。その左側には、今回オーカールが護送する選王の主役『蘇塔』がいた。
この世子は、最初に秉核と会った時はひどく緊張していたようだった。
遠く離れた家を出ることへの淡い畏れを抱いている様子だった。
しかし、秉核が旅先で見聞きした各国の話をし始めると、二人はすぐに友達のような仲になった。
会話の中で、秉核が聖ソークの港を出発し、長い航海を経てオーカールに着いた話をした。蘇塔の目には驚きが浮かび、やがて強い興味を抱いて旅の詳細を尋ねてきた。
ビックスに長く滞在していたこの少年は、外界への恐怖が幾分薄れていた。何しろ目の前には、機械制御の達人で遠出の専門家がいる。蘇塔は、これから強制的に始まる長旅も、これほど旅慣れた同伴者がいてくれるなら、もうそれほど怖がる必要はないと思った。
そして、銃焰秉核は、蘇塔のそんな驚嘆と羨望の表情を見て、自分の家出の経緯を語る声の調子も生き生きとしてきた。旅に出て以来、蘇塔は秉核の放浪を否定的に評価しない初めての人間だった。秉核は心の中でつぶやいた。「人生に知己を得るのは難しいものだな」
……
秉核もまた、蘇塔と出会うのが遅かったことを悔いた。話題は要塞法脈に及び、これによって秉核はさらなる大きな収穫を得ることになるのだった。
蘇塔はまだ上位職業者の継承には成功していなかったが、正統な要塞の伝承は受け継いでいた。
秉核はこれまで、上級職業者の資料に触れるといえば、本を調べるか、時折下級職業者や中級職業者の法脈情報を確かめる程度だった。
今日のように何でも話せる友人に出会えるなど、想像もしていなかった。
秉核が要塞法脈に興味を持って質問すると、蘇塔は伝承法脈のさまざまな難しさについて愚痴をこぼした。蘇塔は秉核に顕魔石を取り出して確かめさせるだけでなく、どこが難しいのかも根気よく説明してくれた。




