↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰向  作者: 凛光穂
第四巻 赤子の純を欺くな、謀を弄び信を失い、良き人を測り難し

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
131/263

錯綜する利益派閥 その二

 オーカ(オーカ)帝国の帝国上院、円形会議場にて。


 陸軍省のメンバーが大陸各国の陸上軍事力比較図の説明を終えた後。


 帝国首相は声高らかに宣言した。

「諸君、我が帝国はビックスの候補を支持すべきだと考える」


「我々の同盟国(プロイス(プロイス))はどうするのだ」

 帝国の海軍大将の一人が紅茶のカップを手に、何気なく口を挟んだ。

 ——陸上は陸軍派閥が主導する政策であり、海軍派閥は海の敵を見つめている。陸上の覇権にはかなり無関心だった。


 帝国首相は説明した。「プロイス(プロイス)は我々の同盟国であり、ビックスも我々の同盟国だ。プロイス(プロイス)が我が国にとって理想的な同盟国となるためには、いくつかのものを放棄しなければならない」


 首相は真面目な顔で、政治的ならず者のような言葉を口にした。

 会場の紳士たちの顔には、心からの笑みが浮かんだ。


(注)「現在、ヒーマン人の中で普惠スの軍事力が最も強い。彼らはオーカ(オーカ)帝国の大陸政策の鍵を握っている。しかし国家間の思惑から、オーカ(オーカ)帝国は普惠スを制御不能にはしたくない。一方、ビックス公国は公国とはいえ領土は普惠スの二十分の一しかなく、オーカ(オーカ)帝国のすぐ隣に位置し、軍事面では完全にオーカ(オーカ)帝国に依存している」


  ……


 上院は大陸中部の政治変動に干渉する決定を下した。


 上流階級の人々は、この決定の詳細について議論を始めた。


 選帝侯は称号であり、この称号には豪華な護衛の配置が求められる。

 六人の中位職業者と二百人の職業者が、選王の候補者を護衛するのだ。

 護衛の期間は十年に及ぶ。


 六人の中位職業者のうち、騎士、医牧師、射手については人選がすぐに固まった。


 船長の人選は、海軍内部で議論を重ねた末に一名が選ばれた。


 獣使いという中位職業については、オーカ(オーカ)帝国内に三つの家族がある。

 会議の場でこの三家族は長い間誰も人選を引き受けようとせず、議論は紛糾した。

 最終的に首相が権威を背景に一名を指名し、選ばれた家族には補償が行われた。


  ……


 最後の中位職業――機械制御者となると、議会全体が静まりかえった。

 嵐の前の不気味な静けさのような空気が漂う。


 海軍の数人の高級将校は目を閉じ、自分には関係ないといった態度を取った。

 陸軍派閥の将校たちは首相を見つめ、発言を促そうとした。

 だが首相は資料に目を落としたまま、何かを忘れてしまったかのような様子だった。

 議会の議員たちも沈黙を守り、誰もが何かを待っているようだった。


 前のいくつかの職業が単なる小さな問題だとするなら、機械制御者の配分は、これまでずっと帝国の海軍と陸軍の間で対立の火種となってきた。

 機械制御者を一人引き抜くことは、相手側の重要な工場をいくつか潰すことに等しい。


 機械制御者という職業は、二千年前には今日ほど重要ではなかった。

 だが産業革命の時代を迎えてからは、これにまつわる矛盾があまりに多くなった。


  ……


 どうやら会場の沈黙が長すぎたせいで、首相は雰囲気がまずいと感じたらしい。


「エヘン」

 首相が口を開いた。

「陸軍は今年の機械技師の配分で三分の一しか受け取っていない」


 |浮冰・フッド(フッド)《フヒョウ・フッド》(階級は海軍大将、職業は要塞)も咳払いをして言った。

「ここ数年、我々に配分される機械技師の数は常に不足していた。今年の多い分は、ここ数年の不足を補うものだ」


 陸軍元帥林隱クサ(リンイン・クサ)(階級は上将、職業は将軍)が即座に反論した。

「機械師の配分を論じる前に、今年の機械制御者の配分を議論しましょう!」

 この陸軍上将の言葉には火薬の匂いが漂っていた。


 首相はハンカチを取り出して汗を拭った。

 帝国の内部の二人の軍事長老が、今日もまた喧嘩を始めようとしていた。


 フッド(フッド)は侮辱を受けたかのように、激しく机を叩いた。

「機械制御者の配分に何か問題があるというのか?この五十年、帝国帝都天体塔大学が生んだ十人の機械制御者は、海軍と陸軍で五分五分だ。それ以上を要求するつもりか?」


 怒りに任せ、この要塞はわざとらしくハンカチで胸元の皇室メンバーのバッジを払った。


 林隱庫薩(リンイン・クサ)は海軍の自慢げな王族の身分など意に介さなかった。怒りに震え、笑いながら言った。「お前がそう言うなら、しっかり話そうじゃないか。帝都灯台工場地区の機械制御者のことだ。この五十年の間に、六人の機械技師が機械制御者に昇格する直前で自ら退学し、その後お前たち海軍省に報告している。我々が知らないと思っているのか?フッド(フッド)、お前は海上に戦艦を何隻か増やすために、あまりに醜い真似をしている」

 ――海陸両軍が公開調印した機械院卒業生分配協定には、卒業していない学生は含まれていない。


 フッド(フッド)は言い返した。「クサ將軍(クサ)、優秀な機械技師を早々に退学させるような真似を、お前たちがしたことがないとでも言うのか?我々が戦艦何隻のためだと言うのか?お前たちは機械化旅団のためじゃないのか」


  ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。