錯綜する利益派閥 その二
オーカ帝国の帝国上院、円形会議場にて。
陸軍省のメンバーが大陸各国の陸上軍事力比較図の説明を終えた後。
帝国首相は声高らかに宣言した。
「諸君、我が帝国はビックスの候補を支持すべきだと考える」
「我々の同盟国(プロイス)はどうするのだ」
帝国の海軍大将の一人が紅茶のカップを手に、何気なく口を挟んだ。
——陸上は陸軍派閥が主導する政策であり、海軍派閥は海の敵を見つめている。陸上の覇権にはかなり無関心だった。
帝国首相は説明した。「プロイスは我々の同盟国であり、ビックスも我々の同盟国だ。プロイスが我が国にとって理想的な同盟国となるためには、いくつかのものを放棄しなければならない」
首相は真面目な顔で、政治的ならず者のような言葉を口にした。
会場の紳士たちの顔には、心からの笑みが浮かんだ。
(注)「現在、ヒーマン人の中で普惠スの軍事力が最も強い。彼らはオーカ帝国の大陸政策の鍵を握っている。しかし国家間の思惑から、オーカ帝国は普惠スを制御不能にはしたくない。一方、ビックス公国は公国とはいえ領土は普惠スの二十分の一しかなく、オーカ帝国のすぐ隣に位置し、軍事面では完全にオーカ帝国に依存している」
……
上院は大陸中部の政治変動に干渉する決定を下した。
上流階級の人々は、この決定の詳細について議論を始めた。
選帝侯は称号であり、この称号には豪華な護衛の配置が求められる。
六人の中位職業者と二百人の職業者が、選王の候補者を護衛するのだ。
護衛の期間は十年に及ぶ。
六人の中位職業者のうち、騎士、医牧師、射手については人選がすぐに固まった。
船長の人選は、海軍内部で議論を重ねた末に一名が選ばれた。
獣使いという中位職業については、オーカ帝国内に三つの家族がある。
会議の場でこの三家族は長い間誰も人選を引き受けようとせず、議論は紛糾した。
最終的に首相が権威を背景に一名を指名し、選ばれた家族には補償が行われた。
……
最後の中位職業――機械制御者となると、議会全体が静まりかえった。
嵐の前の不気味な静けさのような空気が漂う。
海軍の数人の高級将校は目を閉じ、自分には関係ないといった態度を取った。
陸軍派閥の将校たちは首相を見つめ、発言を促そうとした。
だが首相は資料に目を落としたまま、何かを忘れてしまったかのような様子だった。
議会の議員たちも沈黙を守り、誰もが何かを待っているようだった。
前のいくつかの職業が単なる小さな問題だとするなら、機械制御者の配分は、これまでずっと帝国の海軍と陸軍の間で対立の火種となってきた。
機械制御者を一人引き抜くことは、相手側の重要な工場をいくつか潰すことに等しい。
機械制御者という職業は、二千年前には今日ほど重要ではなかった。
だが産業革命の時代を迎えてからは、これにまつわる矛盾があまりに多くなった。
……
どうやら会場の沈黙が長すぎたせいで、首相は雰囲気がまずいと感じたらしい。
「エヘン」
首相が口を開いた。
「陸軍は今年の機械技師の配分で三分の一しか受け取っていない」
|浮冰・フッド《フヒョウ・フッド》(階級は海軍大将、職業は要塞)も咳払いをして言った。
「ここ数年、我々に配分される機械技師の数は常に不足していた。今年の多い分は、ここ数年の不足を補うものだ」
陸軍元帥林隱クサ(階級は上将、職業は将軍)が即座に反論した。
「機械師の配分を論じる前に、今年の機械制御者の配分を議論しましょう!」
この陸軍上将の言葉には火薬の匂いが漂っていた。
首相はハンカチを取り出して汗を拭った。
帝国の内部の二人の軍事長老が、今日もまた喧嘩を始めようとしていた。
フッドは侮辱を受けたかのように、激しく机を叩いた。
「機械制御者の配分に何か問題があるというのか?この五十年、帝国帝都天体塔大学が生んだ十人の機械制御者は、海軍と陸軍で五分五分だ。それ以上を要求するつもりか?」
怒りに任せ、この要塞はわざとらしくハンカチで胸元の皇室メンバーのバッジを払った。
林隱庫薩は海軍の自慢げな王族の身分など意に介さなかった。怒りに震え、笑いながら言った。「お前がそう言うなら、しっかり話そうじゃないか。帝都灯台工場地区の機械制御者のことだ。この五十年の間に、六人の機械技師が機械制御者に昇格する直前で自ら退学し、その後お前たち海軍省に報告している。我々が知らないと思っているのか?フッド、お前は海上に戦艦を何隻か増やすために、あまりに醜い真似をしている」
――海陸両軍が公開調印した機械院卒業生分配協定には、卒業していない学生は含まれていない。
フッドは言い返した。「クサ將軍、優秀な機械技師を早々に退学させるような真似を、お前たちがしたことがないとでも言うのか?我々が戦艦何隻のためだと言うのか?お前たちは機械化旅団のためじゃないのか」
……




