置き去られた混迷と、これから生まれる混迷 その三
秉核は初めて、領域魔導師の起源と発展、そして現代の状況をこれほど詳細に理解した。
秉核はつぶやいた。秉核はその原理を暗唱しながら、小さなノートを取り出して書き留めた。
「複数の法脈、数十個の形状と質が同じ法脈を平行に重ね、魔力を注入した後の共振を利用する」
同時に頭の中では、法脈システムの構想を練っていた。
これらの理論は、秉核が持ついくつかの実験結果や推測とよく一致していた。秉核はすでにある種の法則について、きわめて正確な理解を得ている。
図書館の中で、秉核は記録を終えた。
自身の法脈を跳躍力が極めて高い状態に調整し、身を躍らせて三メートルの高さまで跳び上がった。
巨大な本棚の隙間に正確に本を差し込み(そばにある補助用のはしごは無視し)、再び跳び上がる。
高い本棚の八段目から、別の本——『機械師法脈体系総覧』を引き抜いた。
……
この時、塔の外では、一人の少女が怒りを込めて塔を見上げていた。
だが、塔の中へは入らなかった。
塔視一族の塔は、一族の若者にとって教育の場という性格を持っている。
過ちを犯した時は、強制的に塔に閉じ込められて本を読まされる。
もちろん、自ら進んで塔に入り、本を読むこともできる。
しかし塔視一族の先輩たちは、塔に二つの規則を設けた。
塔が一部の若者のかくれんぼ場になるのを防ぐためである。
第一に、大声を出してはならない。
第二に、座って本を読み始めたら、必ず一時間は滞在しなければならない。
この規則のおかげで、一族の若者たちは塔を敬遠するようになった。
秉核は、先輩たちがこの規則を定めたことに深い敬意を抱いていた。これが塔楼の学問的な空気を作り出していたのだ。秉核は言った。「書塔は、塔視家の中で最も清らかな場所だ」
塔式家族への敬意を表すため、秉核は自分の専用机の角に「早」の一字を刻み、自らを励ました。
……
しかし秉核は知らなかった。自分が毎日塔楼にこもっていることが、塔視家の若者たちの共通の敵になっていたことを。
塔視家の機械制御者たちは、一族の若い世代にこう言い始めた。
「お前たちと同年代のあの子を見てみろ。あんなに若くして機械制御者に昇格し、しかもこんなに熱心に本を読み、機械術に打ち込んでいる。お前たちこの怠け者どもは、ボルトを締めるだけで手が疲れるとか言うんだから」
そういった類の言葉である。
だから、塔楼の外の芝生。
何度も歩き回った末、少女はむくれながら塔視家の小礼拝堂へ戻った。
彼女は集められた塔視家の若者たちに向かって訴えた。
「あの男に、ちょっとした懲らしめを与えなければ」
数秒後。
「そうだ、あいつに懲らしめを!パンにナメクジを入れるのはどう?」
ぽっちゃりした少年が同調した。
口ぶりから察するに、この少女に好意を抱いており、彼女の気を引きたいらしい。
元気のない、背の高い痩せた少年が言った。(注 秉核の食べ物は検査されている。明らかに、このくだらない提案はうまくいかない。)
「もしお前が、あの二人の職業者を突破して彼の食べ物に毒を入れられるなら、やってみろ」
「オリビア、伯父さんは彼ともっと話すようにって言ってたでしょう?正直、彼はいい人だと思うよ。ただ優秀すぎてみんなから嫌われてるだけだ」痩せた背の高い少年は、この講堂内の排他的な集会の総発起人——|オリビアお嬢様を見上げながら言った。
オリビアという少女は怒りながら言った。
「それは私のせいじゃないわ。何度も挨拶したのに、彼はまったく相手にしてくれなかったの」
痩せた背の高い少年は疑わしげな目でオリビアを見た。
「そうか?どうやって積極的に挨拶したんだい」
オリビアは言った。
「ココアを飲んでる時、砂糖を彼の前に置いたの(加糖を促す意味で)。そしたら彼はその砂糖をそのまま食べちゃったわ。それに先日は、私が楼上でピアノを弾いてたのに、彼は何もせずに立ち去ったの」
(注 これはオーカー帝国領内で標準的な貴族の女性で、優雅さに重点を置きながらも法脈を重視している。法脈は彼女たちの身分を示す一つの印に過ぎず、戦場で戦職者となったり、工場で働いたりすることはない。彼女たちがすべきことは、美しく政略結婚することだ。比較すると、聖ソークの貴族の娘たちは彼女たちよりも自立している。)
オーカーの貴族女性は家族の栄光のために血や汗を流す必要がない。
これは別の角度から見れば、一種の幸福である。
強大で長く平和なオーカーだからこそ可能なことなのだ。)
子供たちは言葉を失った。
背の高い痩せた少年は仕方なく言った。
「わかった、その問題は、私が彼と話すようにするよ。じゃあ、僕の機械の鳥を先に返してくれる?」
講堂の隅に、機械仕掛けの鳥の足に爆竹が括り付けられており、爆竹には「よそ者への贈り物」と書かれていた。
――この年頃の少年がどんな荒唐無稽なことを企んでいるか、天のみぞ知る。




