旧貴族生存観察記録 その二
御苑家
牧場の外縁にある平坦な一区画。
馬に乗っていた秉核は、理由もなく震え上がった。
秉核は自分の服の厚さを確かめた。
すでに秋に入り、北東からの気流で天候は涼しくなっていた。
空では渡り鳥が移動を始めている。
秉核は傍らの木箱を開け、純鋼製のクロスボウの矢を取り出す。
機械技師として、いや機械制御者としての秉核は、手にしたクロスボウを構え、武具部品を検査するという家の習慣に従って丹念に点検していく。
秉核の指がクロスボウに触れると、指先の振動が機械全体へ伝わり、機械の振動状態が秉核の指に応答してくる。この方法で一つひとつの部品の状態を確かめてから、ようやく秉核は武器を操作し始めた。
その後、秉核は法脈の一部を切り替えた。
秉核は集中術、動体視力、神経活性化術、空気分離術、電荷平衡制御術(効果は電子点火に似ている)を発動した。
秉核の瞳孔には光学マトリックスが現れ、目の前にはマーカーの光柱が浮かび上がった。
指先には微かな魔法の光が宿り、周囲の空気には気流のさざ波が生じる。
まるで熱せられた空気のような光学的な歪みが、矢柄の周りに絡みついた。
そしてこの時、秉核が持つクロスボウの矢は、先端が多面錐体で、矢羽根は秉核によって完全に切除されていた。中空の矢柄には複数の穴が開けられている。
酸素はすでに矢柄に注入されていた。秉核は弩を構え、引き金を引いた。
弩矢が放たれると同時に電流で点火が行われ、矢柄は発射直後にごく短時間だけ火花を噴いた。
矢は噴射のあいだに回転を始めた。
注――秉核の弩矢には矢羽がなく、自転によって安定を保っている。
弩矢は空中を百メートル飛び、湾曲した軌道を描いて、空を飛んでいた一羽の野生の雁に突き刺さった。雁は命中のあと数メートル落ちたところで訓練された鷹に捕らえられ、二十秒ほど滑空してから地面に落ちた。数分後、地上の猟犬が、重傷を負いながらもまだ動いていた雁をくわえて秉核の前に運んできた。
先ほど同時に新しい魔法を発動させたところから見れば、秉核は射手職に傾いているように思える。だが実際のところ、射手は体内で空気を分離するような新しい魔法は使わない。秉核の現在の法脈体系は、正統な職業から見れば、間違いなく邪道だ。
まるで豚を屠殺する技術とバイオリンを弾く技量が一つになったようなものだ。無関係なこの二つの技能を同時に必要とする職業などあり得ない。
ただ、極めて特殊な状況でだけ、その無関係な二つの技能が突然役に立つことがある。
たとえば、バイオリンを聴くのが好きな豚を屠殺する場合だ!
銃砲の時代となった今、弩で渡り鳥を狩るなど、古風を好む旧貴族ならではの特殊な話である。
秉核の現在の配置——一部は機械師の魔法、一部は射手の魔法——とは、なんとわがままなことか!
……
秉核は馬を操りながら地面の獲物を鉤で引っかけ、休憩エリアへ引き上げようとした。
傍らでは御苑空突(子爵の次男)が馬を走らせ、秉核の横に並んだ。
秉核の射撃は複数の新法術を同時に駆使する熟練の技だと、御苑家の注目する者たちの目には映った。御園家の人々は獣使い系の法術しか知らず、他の中位職業の事情には疎い。秉核が空の渡り鳥を撃ち落としたことで、御苑の若様たちはそれを「照準者(射手が昇級した中位職業)」と曖昧に判断した。
御苑空突は手綱を引きながら貴族らしい微笑みを浮かべた。「融鋼様、どうしておやめになるのです?渡り鳥が群れで飛来するのは毎年この時期だけです。逃せば来年まで待たねばなりません。今日は存分にお楽しみください」
「三匹で十分です。私には習慣がありまして、温血生物に手を出すときは、奇数日は三匹まで、偶数日は四匹までと決めています」と秉核は言った。(実際のところ、秉核は三匹食べれば十分だと思っていた。)
そう言いながら、秉核は手綱を軽く振り、乗っていた小馬を御園家の騎乗馬から遠ざけた。
御苑空突は少し残念そうだった。「もし融鋼様が本気を出してくだされば、今日の狩猟会はきっと素晴らしいものになるでしょうに」
この半ば激励とも取れる言葉に、秉核は「そうですか?」と曖昧に一言返し、首を振って婉曲にその場を離れた。
秉核は内心あきれながら思った。
「どんな試合にも俺が参加するわけじゃない。お前は聖ソークでもないし、俺が暇つぶしにこんなつまらない試合に出ると思うか?」
……
秉核が御園家に来て、すでに一ヶ月余りが過ぎていた。
傍観者として秉核は早くから見抜いていた。この家族の内情は、それほど和やかではない。家長の権威がもたらす表面的な和やかさの下で、内部の権力闘争は非常に深刻だった。御苑子爵の息子たちはそれぞれ家の産業の一部を任され、互いに足を引っ張り合っている。
その手段は、互いに罠を仕掛け合うことだった。
それ以前、秉核が白琳沼沢牧場で数頭の雄鹿を死なせた事件について、綺絢はまず、自分の実の兄弟が仕掛けた罠ではないかと疑った。そこで綺絢は迷わず残酷な手段に訴え、兄弟の陰謀に加担しかねない家中の使用人たちを震え上がらせようとした。
このような家族関係に、秉核は思わず嘆息した。
「古い貴族は暇になると、本当に内輪もめがひどいものだ」
注――銃焰家族には、このような内紛の気配はない。
農業生産と違って、工業生産の管理階層には大規模な協力が必要だ。
各工場は互いに部品を供給し、データを検証し合わなければならない。
人間関係を内紛モードにしてしまっては、何事も成し遂げられない。
二十一世紀も同じで、職場の狼性を強調し、社内で互いに足を引っ張り合うようなところは、実際には企業の重点を技術に置いていない。
技術には協力と団結、そして交流が要る。
制度に基づく評価の下での規範的な競争であって、人間関係の場は闘技場ではない。
……




