高通用系主脈 その四
法脈体系は、主脈体系とサブモジュールシステムに分かれている。
体内の主脈絡は自身の身体を各モジュールに分割し、各モジュールの魔力消費を調整して、それぞれが動作したときに互いに干渉しないようにする。
銃焰家系で現在バグ修正された主脈は、分岐した各モジュールが専用の新法術システムにのみ対応している。
この主脈は、各サブモジュールの新法術へ過不足なく魔力を供給する。
例えば頭部視覚系のサブモジュールは、分光視覚、倍率拡大、視角屈折のために準備されている。
肩と大腿のサブモジュールは、複数機械腕の制御術のために準備されている。
これらのモジュールはすべて、機械師の呪文スロットのために用意されている。
主脈と各モジュールの間には余分な空間が一切ない。主脈は各サブモジュールに対しても魔力を一滴たりとも無駄にしない。
銃焰家のこの法脈システムについて、秉核は性能を主眼に置いた研究を続けている。この家伝の法脈に対して、秉核はもう一つ、興味の向かう方向を持っている。
……
しかし、秉核が独自に開発したこの法脈では、主脈は互換性を重んじている。
この高互換性の主脈システム上では、
例えば、頭部の主脈モジュールには、スペクトル視覚術をロードすることも、射手職業の遠望視覚術をロードすることも、医牧師職業の微視術をロードすることも可能である。
(注。通常の人間はサブシステムを変更できないが、消しゴム能力で回復すれば自由に切り替えられる。)
平たく言えば、モジュール化されているのだ。
サブシステムを置き換えるだけで、探検者という職業を、最短の時間で騎士に、機械制御者に、医牧師に、さまざまな中位職業へ切り替えられる――秉核は、それが現在の自分(自分のチート機能)に最適だと判断した。
サブモジュール内の新しい術式システムだけを変えて職業の性質を変えれば、主脈を変更する手間を避けられる。
主脈を変更すると全身の改造が必要になり、秉核のチート機能でも十分間はかかる。
さらに一時間をかけて検査し、新たな主脈の各サブシステムに小さな不具合がないことを確かめねばならない。
……
もちろん、秉核が互換性を重んじるやり方には一長一短がある。
互換性を確保すれば、性能を犠牲にせざるを得ない。
元々の身体の主脈は、特定の職業に特化して最適化されていた。
より多くの新術式を効果的に運用できるが、互換性を確保しようとすれば、必然的に大量の無駄な隙間が生じ、互換性の余地を残さねばならない。
騎士という中位職業は、低位、中位、高位の三つの階級に分かれている。中位騎士は七つの新魔法を支えられるが、秉核の標準モジュールで調整した騎士は同時に四つしか支えられず、戦闘になればこれが大きな実力差となる。
したがって、秉核はモジュール化の手法によって複数の中位職業の法脈構造を比較的容易に習得できるが、どの中位職業者の中でも中程度以下で、最高の境地に達することはできない。
二ヶ月前、秉核は機械師としての本職のほかに助手教師を務め、工場を管理して収益を上げる必要があった。
仕事を効率よくこなすため、ずっと自らの家系の法脈を使って周囲の要求に応えていた。
自分の興味に時間を割く余裕はなく、オリジナル法脈の開発は停滞していた。
そして今、逃げ出してからは、仕事のプレッシャーもなく、試験でクラスメートを引っ張る心配もなく、副業で稼ぐ必要もなく、姪に煩わされることもない。この不安定な状況の中で、秉核は自分の興味のままに楽しみ始めた。
互換性を目的として、独自のオリジナル法脈を開拓していく。
……
自己の約束を守るため――(釣り針爺さんに逃げる時間を与える)――秉核は思った。
とにかく御苑家にしばらく滞在するつもりなら、この期間を利用して、長い間手をつけられなかった自分の興味をしっかり整理しよう。
……
御苑家での最初の夜、つまり御苑家が秉核の世話をするメイドたちを引き上げさせてから一時間後のこと。
部屋の中で、秉核は定体術を使って自分の体を調整し、基礎状態が良好であることを確認した。
興味津々で切り替えを始める。ほんの数秒で、消しゴム能力によって複数のモジュール領域の法脈が素早く置き換わった。秉核の蓄力術の効果は弱まり、法脈体系に空気分離術が現れる。
この空気分離術が現れると、秉核は思わず試してみた。
そして空気を分離し終えると、秉核はベッドから自然と起き上がり、手のひらで制御する渦巻く気流を感じながら鼻歌を歌った。——秉核は知らず知らずのうちに、また発作を起こしていた。最近は外出している間、秉核は一日として騒がずにはいられず、少しむずむずしていた。
秉核は机の前に来て、注意深く気流を机の上のろうそくへ導いた。
(これは空気から分離された純粋な酸素である。)
しかし、シューッと激しい燃焼音が響いた。
ろうそくの炎が花火のように爆発した。灼熱の光が部屋全体を満たしたが、溶接にも匹敵するその光はすぐに収まった。慌てた秉核は純酸素の供給を遮断する。ろうそくの炎は正常に戻ったが、ろうそくは大きく短くなり、蝋が机全体に飛び散った。
火花の爆発を見て、秉核は一瞬、煌びやかな花火に興奮した。
火花が爆ぜるのを見て、秉核は一瞬、煌びやかな花火に興奮した。だがすぐに慌てて消火を始める。
二分後、
秉核は愕然とした表情で汚れた机を見つめ、苦い顔で雑巾を探し出し、机全体に広がった蝋の滴を拭き取った。秉核は素早く窓を開けて濃厚な蝋の臭いを逃がし、それから湯で温めた雑巾で机の上の蝋の跡をきれいにした。
今回の火遊びが御園家に知れたら、秉核は追い出されはしないまでも、確実に複数の使用人を付けられ、厳重に監視されることになる。
家を焼きかねない危険人物を、誰も放っておかない。
秉核は口の中でつぶやいた。
「どうしてこんなにやんちゃなんだろう。このままじゃダメだ」




