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なんちゃって落窪物語  作者: fukuneko
巻一
28/105

継母の悪だくみ

●継母、奸計を思いつく


 継母は、自室へ戻っても、ブチ切れマークが全身に広がるばかりで、眠れません。歯ぎしりします。

 この悔しさ、憎らしさ、どうしてくれよう!


 ありのままを殿(夫である中納言)に報告しようか……?

 う~ん……それは、うまいやり方じゃないわね、たぶん。


 落窪の間にいたあの男は、とんでもない美形だったわ。身に着けていた直衣だって、あれはきっとアルマーニかヴェルサーチ。

 あの男がもし身分の高い貴族だったら、殿はむしろ喜んで、落窪の婿として迎えてしまうだろう。落窪が幸せになってしまう。


 落窪は帯刀と理無わりない仲になった――そうだ、このシナリオで行こう。

 落窪を落窪の間に放ったらかしにして、気ままにさせておいたから、こういうことになったじゃないの! と殿にはぶちかます。

 ふっふっふっ。そんなふうに話をでっちあげて、落窪を部屋に閉じ込めてやろう。

 閉じ込めて、あの男と逢わせないようにしたら、そのうちに男は落窪のことを忘れるだろう。


 そうしておいて。

 落窪に、あの好色な伯父をまとわりつかせてやる。

 伯父は典薬助てんやくのすけ(医療医薬を司る典薬寮の次官)だけど、実のところ、ただの貧乏人。この邸の居候いそうろう。目障りなだけの人だったけど、役に立ってくれる日が来ようとは!


 継母は、邪悪な計略を思いめぐらしつつ、一夜を明かします。

 そんなこととはつゆ知らず。

 道頼は姫君と愛の語らいを重ね、夜が明けると、幸福感に満たされて、帰っていくのでした。


※継母が奸計を思いつくこの場面は、継母の内的独白のかたちで描かれています。千年前の物語とは思えませんね、やはり。



●姫君、装束をすべて縫い上げる


 さて、蔵人の少将のための装束は仕上がったのでしょうか?

 姫君は、ダーリン道頼が帰ったあと、朝七時のニュースも連続テレビ小説も見ることなく、ラストスパートをかけます。


 継母は、装束が縫い上がっていなかったら、落窪をラップの芯で血が出るまでぶったたいてやる、と鬼の形相でほくそ笑むのでした。


 ところが。

 うえのはかま下襲したがさねうえのきぬ。すべてきれいに仕上げ、きちんと畳んで重ねたものを、姫君は継母の使いの者に手渡したのでした。

 超絶不機嫌になる継母。

「ちっ! 落窪のやつ、やり遂げおったわ」

 当てが外れ、歯ぎしりしつつ、ラップの芯で自分の肩をとんとんと叩きます。中年期以降、肩凝りがひどいのです。

「ピップエレキバンⓇの買い置きはどこ! ピップは!」


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