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幼馴染が悪役令嬢の為に王太子殿下になってくれました  作者: みずきあきら


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第51話 サロン事件①

 サロンのドアをノックすると、生徒会長のリオル様が出迎えてくれた。中には他に、生徒会のメンバー7名の皆様がいた。でもアルとクリス様がいない。あれ?


「本日はお招きいただきありがとうございます」


 私は軽く会釈した。


 サロンは広々としていて、明るく華やかな雰囲気の部屋だった。中央に大きめの長テーブルが置かれ、他にソファや円卓のテーブルなども充実しており、ちょっとした小会議にも適した談話室になっている。


「あの、アル……殿下は?」

「ん? 彼なら今学園長に呼ばれて席を外してる。もうすぐ戻ってくるんじゃないかな」


 ニコニコのリオル様。少年のような無邪気な微笑みに、こちらまで頬が緩む。


「待ってたよ。場所わかった? 迷わなかった? 遠くなかった? 疲れてない?」


 矢継ぎ早に生徒会長のリオル様が聞いてきて、思わず笑った。


「……うん。やっぱり君、笑顔がキュートだね。殿下が妬けちゃうな」


 そう言って、私の髪を一房手に取りクルクル弄んできた。

 ほほう。リオル様ってやっぱり噂通りの人みたい。女たらしのプレイボーイと、巷では有名だ。


「君の髪ってサラサラしててつい触りたくなっちゃうんだよね。よく言われない?」


 そういえば、身近な人はみんなよく頭を撫でてくるけど、そういうことなのかな。なんてぼんやりと考えながら、距離を取ろうと2、3歩後ろに下がった。


 でも、何故かリオル様はグイグイくる。やめてほしいんだけど。


「ねぇ。パステルって雪国なのホント?」

「え?」


 いきなり何だ?、と思っていると、

「君、色が白くて透明感のある凄く美しい肌をしているからさ。ホント、君みたいな綺麗な子、初めて見たよ。僕も君に夢中になりそうだ」


 いきなり壁ドン顎クイされたのでビックリした。リオル様が甘い甘い笑顔を間近に寄せ、じっと見つめてくる。イケメンの目力、半端ない。普通の女の子なら目がハートになっていることだろう。


 だが、私は引いた。なんなんこの人。ゾワッと鳥肌がたつ。大いにどん引いて顔を引き攣らせていると、リオル様が、あれ? っといった感じに首を傾げる。


 その隙に、私はしゃがんで彼の腕から逃れ、壁ドン回避に成功させた。


「リオル様、さっきから何やってるんですか? 何かの遊びですか?」


 何故か、他の生徒会のメンバーは笑いを堪えているようだった。なんだろう? と疑問に思って首を傾げると、突然、爆笑が巻き起こる。えっ一体なに!?


「リオルの負け〜」

「リオルに落とせない女がいるとはね〜」


 聞けば、アルがサロンを出て行ってすぐ、リオル様が宣言したらしい。殿下の婚約者を落としてみせる、って。ほほう。


「嘘だろ!? なんで僕の必殺スマイルが通用しないの? 君、不感症じゃない!?」


 よろよろとソファに移動し、がっくりと肩を落とすリオル様。なんだかちょっと気の毒になってしまい、私は隣に座って彼の顔を覗き込んだ。


「リオル様はとても素敵な方だと思いますよ。殿下ほどではありませんが。殿下を見慣れている私には通用しませんが、数多の女性がリオル様の必殺スマイルとやらに虜になること請け合いです。殿下の笑顔の方がもっともっと魅力的ですけどね。自信を持ってください」

と、フォローにもならない謎フォローをしてみた。


 リオル様は複雑そうな表情を浮かべている。


「怒ってないの?」

「別に。私、リオル様に何の興味もありませんから」

「……君、結構辛辣だよね」


 顔を手のひらで覆い隠すリオル様。


「どうせ殿下には敵わないよ。でもね、僕がさっき言ったことは決して嘘じゃない」

「何か言いましたっけ?」

「君に夢中になりそうだ……って」

「あ、それは迷惑なので止めてください」

「……くそぅ」


 そう呟いて、困った笑みを浮かべた。

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