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幼馴染が悪役令嬢の為に王太子殿下になってくれました  作者: みずきあきら


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第33話 かなり浮かれてます②

 ルンルン気分で鼻歌を交えスキップしながら訪れたアルの執務室は、そんな私の姿を見るなり、シンと静まり返ってしまった。「ダーリン! 聞いて! 聞いて!」とまとわりつく私を唖然と眺めるアル。


 私は先程の王妃様やフラン様とのやり取りを事細かに説明した。


「〜〜〜なぁんてことがありましてね! 『お義姉さま』だなんて気が早いですって! もう!」

 バシッとアルの背中を叩く。


「そ、そう……よかったよ。君が楽しそうで……」

 何故か若干引き気味なんだがなんだろう。


「王妃様とフラン様にはご報告申し上げたから……次は、へいか……ムゴッ!」


 お兄様に手で口を塞がれた。


「やめろ絶対やめろ。不敬だぞ! なんなのお前。大胆不敵すぎて怖いよ。王家をなんだと思ってんの。いつかホントに処刑されるぞ」

「い、嫌だなぁ。冗談に決まってるでしょう」

「どーだか」


 怖い顔で睨みつけられる。


「陛下はお前のオトモダチかなにかなのか、ああ? この前も陛下とハイタッチしただかって嬉々として喋ってて、親父を卒倒させてたじゃねーか」

「だってホントのことだもん……」


 陛下とは今まで何度も顔を合わせている。と言うのも、度々王家の晩餐に招かれているからだ。初めて招かれた時は、気を失いそうなほど緊張して、何を話したのか覚えていない。豪華な食事も砂を噛むようだった。アルが隣にいてくれたからまだ正気を保てていたが、あの時は粗相のないように振る舞うのが精一杯だった。


 だが、その後何度も招かれているうちに、人って不思議なもので、慣れてしまった。

 陛下の、いつもの威厳のある態度は鳴りを潜め、ゆったりとくつろいだ様子で家族と過ごすお姿は、とても好ましかった。

 陛下を中心に、王妃様とフラン様が並んで座り、向かい合って、アルと私が隣り合う。

 最近では落ち着いて会話にも参加できるようになった。


 陛下はチェスがお得意なようで、でも誰も相手をしてくれないと嘆いていた為、私が付き合うようになった。今では食後の恒例となっている。最初はなかなか勝てなかったが、今では5回に1回は勝てる。ちなみに「イエ〜イ」とハイタッチしたのもこの時。




 お兄様はクドクドと小言を止めない。

「あと、その無駄にテンション高いのもやめろ。鬱陶しいわ」

「ひ……ひどい」


 ダーリン! 貴方の未来のお義兄さんが貴方のお嫁さんをイジメていますよ!


 しばらくして、アルが口を開いた。

「言っておくけど、王太子妃の間は使わせないよ」

「え!」


 勿論、王城に越して来ようだなんて微塵も思っていなかったが、そうもキッパリと断られると、なんだかショックだ……

 シュンとこっそりしょげていると、アルが更に続けた。


「君は俺の部屋に来るんだ。これは決定事項。同じ城内に居るのに、別々の部屋を使うだなんてあり得ない。狭いと感じたら改築しよう。いいね?」

「……んん?」

「君と一緒に暮らせるなんて夢のようだよ。いつ越してくる? 明日? 明後日?」


 私の腰に腕を回して、スリスリと頬を押し付けてくる。

 アルもまた、私同様、浮かれてるみたい。




 結局。

「イヤだ! ダメだ! 一緒に暮らすんだ!」

と駄々を捏ね、張り切って何やら根回しをし始めたアルに、うちのお父様が怒り心頭に発してしまった。


「パステルダール侯爵は、俺が逆らえない唯一の人物なんだ……」


 しょんぼりとするアルを私はひたすら慰め続けた。

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