柱の遺跡 1
水晶の柱の遺跡は、地下の異変にも影響を受けず変わらぬ姿のままそこにあった。特に遠目から見れば、障害物一つない石畳み広場に見えるため平穏そのものだ。
「薬を使うと言っても、どこで使うんだ?」
「地下へ降りた穴からで良いんじゃないですか?」
確かに地下へ降りたがどうやってそこまで進んだか覚えていない。もう一度、迷路の中を歩けと言われても不可能だろうが、あっさりと言ってのけたロドニアスは道順を覚えているのだろうか?
「地下に投げ入れれば良いってものじゃありませんので。それに、この遺跡は地面から下へ向かう迷路のように、地下への道が無数に空いているのですよ」
「無数にね……」
随分歩き回って、ようやく一つだけ見つけただけだった。地下へ降りた後も、他に階段は見えなかったし、他の入り口から降りて行けば何処へ繋がっていたのだろう。
「まず、この遺跡を水で満たしてから、そこに薬を混ぜれば、地下の魔物の所まで十分に行き渡るはずです」
「薄めても効果があるなら、他に影響が出たりしないのか?」
「水より重いので浮いて来ませんから……」
話を聞くほど危険な物に思えたが、作った本人は簡単に事を進めようとしているように思える。
本当に問題ないのだろうか?
万が一、何らかの影響が出たとしても、街から逃げ出すわけにいかない状態で、もう少し、慎重になるべきではないだろうか。
しかし、彼の行動を止めたのは、思いもよらぬ声だった。




