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人間と魔族

「なんか、魔族が暴れた町があったみたいだな。人間と魔族は平和協定結んでるのにな⋯⋯」

仕事も終わりに近づいてきたとき、カズがそんなことを言い出した。


「あぁ〜魔族との国境の近くの村でかしら?時々やっぱりあるのよね。人間の国のが豊かだからかしらね⋯⋯」

リキさんがそう言って答えた。

「そうだよねぇ〜でもまぁ、表面上は平和協定だから。その魔族は捕獲されてって感じだろうねぇ」

ジンさんがのんびりそう言うとみんなで頷いた。

「捕獲された魔族はどうなんだ?」

カズが聞くと、ジンさんは

「さぁなあ?処分かねぇ?」

処分⋯⋯


この世界は人間と魔族が住む世界。

大昔は人間と魔族と長い争いがあったんだけど。

近年は平和協定を結んで表面上は平和にはなっている。


でも国によってはものの輸出や輸入もしていて。

このまま平和な仲の良い世界になればいいのにって思う⋯⋯

でも、犯罪とかもあったりするんだよね。


「魔族と人間と共存は出来ないのかなぁ?」

だって、魔族が人間を食べるとかそういう物語みたいなことはないんだし⋯⋯

仲良くできないのかなぁ⋯⋯

私がつぶやくと


「ユーリお前世界史習ったろ?それができてたら何回も戦争はおきないぞ?人間とは考え方が違う種族なんだからさ」

カズがバカにしたように私に言った

「まぁ。そうだよね。でも、人間同士もしてるもんね⋯⋯戦争」

私がポソっとつぶやくと。


「そうね。ユーリ⋯⋯悲しいこと思い出させちゃってごめんなさいね?はい!カズ!無駄話やめ!」

リキさんはそう言って私の頭を撫でる。


「大丈夫ですよぉ〜」

私はそう答えて微笑んだ。





「んーつかれたぁ」

私は家の扉を開ける。


仕事終わって家に帰ったところ。

今日も1日お疲れさまです〜。

あ〜お腹すいた。


私の家は、国立魔道具協会から少し離れた小さな町。

国立魔道具協会があるところは国の中央の都市部。

そこから乗り物に乗って40分くらいのところにある地方都市部が私の家があるところ。

のどかな田舎だよ。

都市部からちょっと行くと田舎なんだよね。

畑もたくさんあるし。のどか。


「ユーリ!おかえり〜今日は誰かにいじめられたりしなかったかい?楽しく仕事はできたか?」

過保護なおじいちゃんは⋯⋯

いつも私を心配している⋯⋯

でもね、そう言うの心地いいよね。

だって心配してくれる人がいるってこと。


私の母さんは⋯⋯私が小さい頃、戦争に巻き込まれて、私を庇って死んじゃったから

おじいちゃんは余計に過保護なんだと思う。

その頃の記憶は曖昧なんだ⋯⋯

まぁ、小さかったもんね。


「魔力の揺らぎはないな。よしよし」

おじいちゃんはそう言って私を見つめる。

「もう何年魔力を抑えて生きてると思ってるのー?もうこれが普通だよ⋯⋯」

私がおじいちゃんにそう言って微笑むと。

「うむうむ。さすが、ユーリ!」


⋯⋯私には秘密がある。

私は瓶底眼鏡を取って、テーブルに置く。

おじいちゃんに言わすと私は母さんにそっくりらしい。

眼鏡を外すと大きな瞳。

この瓶底眼鏡で隠してる


んんーと背伸び。


すると、大きな瞳がほのかに薄いピンク色に染まる。

今は気が抜いてるから⋯⋯少し色がついちゃった


「眼鏡を取ると本当に美人だのぉ〜クラクラしてしまうよ。でも、瞳の色が人間の色じゃないぞ?」 

おじいちゃんに指摘され

「えへへ。ごめん。」

私は慌てて瞳の色を戻す。


栗色の瞳。

人間と同じ色。

人間の瞳は黒とか焦げ茶とか栗色。

髪の色はそれぞれだけど、瞳は種族で違う。


赤やピンクは⋯⋯魔族の証拠。

私の瞳は⋯⋯人間の色ではない。

魔力を抑えてそして、付与の眼鏡で隠している。


私は⋯⋯魔族の父と人間の母のハーフなんだ。


おじいちゃんの話だと母さんは魔力はない普通の人間だったみたい。

ある日魔族である父さんと恋に落ちて私ができた。


でもね私が生まれるまえに父さんは消えてしまったみたいなの。


だから私は父さんを知らない。

おじいちゃんと母さんと3人でくらしていた。


おじいちゃんはママのおじいちゃんだから

⋯⋯人間だと思う。

魔力も少しある。だから家でのんびり畑を耕したりして暮らしている。

芽が早く出る魔法とか使ってね。


私もこのまま、人間の中で魔族ということを隠してひっそり生きていきたいと思ってるんだ。


「ユーリ今日はここまで何で帰ってきたのかな?」

おじいちゃんがテーブルにご飯を置きながら尋ねる。

ギクッ

私は斜め上を見て⋯⋯


「う、うーん⋯⋯ば、馬車?」

私が答えると

「馬車にしては帰りが早いのではないかな?ユーリ⋯⋯魔法を使ったな?」

ひぇっ

「ごめんなさぁい⋯⋯」


「誰に見られてるか分からないんだから、瞬間移動はしないようにいったぞ?気をつけなさい」

おじいちゃんはそう言って私をじっと見つめる。


瞬間移動は行きたい所をイメージして、そこへ行く魔法。

なかなかイメージが難しくて、できる人はほとんどいない。

全くいないことはないみたいだけどね?


私はそういうのがいとも簡単に出来る。

そこが⋯⋯魔族の血なんだって。

おじいちゃんが言ってた。


だから瞬間移動はしないように言われてて⋯⋯

でも40分を短縮できるって最高なのよね⋯⋯

終わったら速攻ベッドじゃん〜。

職場のそばに一人暮らししたいんだけど、おじいちゃんが駄目って言うし⋯⋯。


「じゃぁ、おじいちゃん、国立魔道具協会の近くに部屋を借りて住むのは?」

私が聞くと。


「駄目だ。何かあったらどうする」

でしょ?駄目だよね⋯⋯


私は肩をすくめる。

でも仕方がないかと諦める。


「早く食事にしよう。今日は、ユーリの大好きな、グラタンだ」

え?!グラタン〜?

やったぁー!


私はウキウキして椅子に座る。


のんびりタイムだぁ〜!

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