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母さんからの誕生日祝い

「ならば!うちの息子を同行させる!」

「いえ!無用です!いらん!」

ギルバードさんとジンさんが言い合う。


さっきからずっとそれ。


私が父さんを探しに行くと言ってから、ギルバードさんが、自分はいけないから、息子を同行させるって大騒ぎなの。


⋯⋯息子って⋯⋯

マカロン主任かな?

何人かいるって話だし⋯⋯他の?


私はもうどうでも良くて

ぐーーーと背伸びした。


「ひとまず!明日考えません?もう寝たい⋯⋯」

私があくびをしながら言うと。


ジンさんが慌てて私のもとに。

「ユーリ様!気がつかなくて申し訳ございません!お風呂のお支度をいたしますので!体をお休めください!!魔道具協会へは、明日よりしばらくお休みと届け出を出しております」

わぉ。

用意がいい⋯⋯

私はもう、ジンさんのユーリ様扱いは諦めることにした。


母さんの記憶を見てる限り。

きっと魔界の王の妻であり大切な母さんの娘である私に対する扱いを変えることはできないのかなって。


私はジンさんにされるがまま準備されたお風呂に向かうことにした。


「では!明日また来るのでその時に詳細を話そう!魔界へは簡単に行くことはできないわけだし!私の力もいるだろうからな!」

ギルバードさんはそう言うと引き上げて行った。


ギルバードさんって何者なんだろう⋯⋯


そんなことを思いながら私はベッドで、眠りにつく。

今度は気持ちよく眠れそうだ。



『ユーリ!ユーリ!』

ん⋯⋯

だぁれ?


私は眠いんだけど仕方なく目を開ける。


目の前に⋯⋯


「母さん?!」

母さんがいた。


『ユーリーあなたの力が目覚めたとき、メッセージを届ける魔法を最後にかけたの。』

母さんは私を見て微笑む。


「母さん⋯⋯」


『18歳だよね?お誕生日おめでとう!きっと大きくなったかな?これは、メッセージだけだから⋯⋯一方的なの。ごめんね?』

母さんはそう言って小さく頭をさげた。


『ユーリのおじいちゃんとジンは父さんの大切な部下なの。その2人と一緒に父さんを探しに行ってほしいの。彼は⋯⋯絶対に生きているから!あの指輪を置いておくわ。指輪の輝きが失われない限り。彼は生きている。あの指輪を彼に⋯⋯』

母さんはそう言って微笑むと続けて話し出す。

『ユーリ。ギルは役に立つから利用しなさい!彼は魔法協会の会長になっているはずよ!いえ!なってるに決まってる!魔界に行けるようにうまくやってくれるから!あとは魔界がいまどうなってるか分からないから。気をつけてね?まぁ、めったなことでやられるわけないわよ。あなたは。父さん以上の魔力を持ってるものね!』

母さんはそう言って嬉しそうに微笑む。

そして、目をつぶると⋯⋯

ゆっくり目を開ける。


『ユーリ。そばにいられなくてごめんね?あなたの18歳の姿を見たかったわ⋯⋯遠くからあなたを見守っているわ。あなたを愛しているわ⋯⋯』


その瞬間⋯⋯

母さんは光になって消えた⋯⋯



⋯⋯え?!いまのは??


夢?

きっと⋯⋯母さんの記憶を見たから⋯⋯

母さんの夢を見たのかな?

それとも⋯⋯

母さんからの18歳のお祝いかな⋯⋯?


そんなことを思いながら。

また、眠りについた⋯⋯

とても幸せな気持ちだった。



翌朝、パンの焼けるいい匂いで目が覚める。


そういえば⋯⋯みんなからもらった誕生日プレゼントあけてなかったなぁ。


私はテーブルに置いてある皆にもらったプレゼントを見つめる。


でも⋯⋯父さんを見つけてからにしよう。


自分がこれからどうするか⋯⋯


おじいちゃんがいいたかったのは⋯⋯

このまま人間として人間界にいるか。

魔族として魔界にいくか。

そういうことなのかな?って感じた。


確かに今の私は、人間と魔族のハーフであり中途半端。

人間としてここで暮らすなら、ギルバードさんの力を借りるようだよね⋯⋯


魔族として生きるなら⋯⋯


だからまず、父さんを探しに行こう!


父さんに母さんのあの指輪を渡そう。


母さんの言っていた通り、きっと父さんは生きていると思うから。


「ユーリ様、おはようございます。よくお休みになれましたでしょうか」

ジンさんの声。


「はーい」

私は支度をして部屋から出る

部屋を出るとジンさんが恭しくお辞儀をした。

黒縁眼鏡の奥の瞳には、職場で遅刻ばかりしていただらしない先輩の面影はなく、真摯な従者の光が宿っている。


う⋯⋯うーん。

なんか、やっぱり急にそいう風になると調子狂うなぁ⋯⋯


「ユーリ様、夕べの疲れは残っておられませんか?」

ジンさんが心配そうに私に尋ねる。

「全然!大丈夫でーす! 」

私が元気に返事をしていると


「ユーリ、起きたか。パンが焼けてるぞ」


キッチンからおじいちゃんが、焼き立てのパンと熱々のスープを運んできてくれた。


テーブルにつき、おじいちゃんの美味しい朝食を頬張りながら、私は思い出したように口を開く。


「そういえばね、おじいちゃん、ジンさん。昨日の夜、母さんのメッセージ魔法を見たの。なんか、私の誕生日に届けるようにメッセージを用意してたって言ってたの」


「「えっ……!?」」


驚く2人に、私は母さんが遺してくれた言葉を伝えた。


18歳のお祝いをしてくれたこと。父さんが絶対に生きていること。

そして——


「それでね。『ギルは役に立つから利用しなさい! 魔法協会の会長になってるはずだから』って母さんが言ってたの⋯⋯」


「「さすがユリーナ様!」」


2人の声がはもった。


ん?

えー⋯⋯!!

「じゃぁ、本当にギルバードさんは⋯⋯」

私が目を見開いて聞くと

2人はゆっくり頷いた。

「今は、魔法庁というがな。魔法庁の会長だ。」



えーまじかぁ〜⋯⋯

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