これからどうしたいのか⋯⋯
⋯⋯ギルバード・ローリンソンと名前を聞いて⋯⋯
ん?って思ったの。
あれ?って
ローリンソンって、きいたことあるじゃない?
私はジンさんを見る。
ジンさんは私の視線に気がついたのか⋯⋯うなずく。
「え⋯⋯マカロン主任の?」
つぶやくと
「はい。ギルバード殿はマカロン主任のお父上ですよ」
ジンさんがそう言って私を見た。
ひぇ〜
そ、そうなんだ!!
「うちの息子を?あぁ!魔道具協会だったな!ユーリは顔見知りか!それはちょうどよかった!」
ギルバードさんはそう言うと嬉しそうに笑った。
そして、身を乗り出すと
「では!そのうちの息子はどうかな?!ユーリの婿に!そしたら全面的に我が家で面倒も見れる。今のままでは後ろ盾がなさすぎるからな!それだけ強い魔力のユーリを守ることはうちならできる!」
え⋯⋯
いきなりの提案に私は持っていたマカロンを、ポロポロと落とした。
ああっ!もったいない!
私が落としたマカロンを見ていると。
「なっ!いけません!大反対です!ユーリ様は渡しません!ユーリ様!マカロン!食べないでください!俺がいいのを買ってあげますから!しっしっ!」
ジンさんがそう言うと私の目の前のマカロンを取り上げる。
ありゃーマカロン⋯⋯
「ジン!お前が決めることではない!ユーリが決めることだ!」
ギルバードさんがジンさんを見る。
ジンさんは、ギルバードさんをにらみつけると
「そっくりそのままお返しします!勝手に決めないでいただきたい!」
2人でにらみ合う。
私は誰の話をしてるの?状態でポカーンと、2人を見つめる。
「ユーリあれは置いといて、こっちで、アップルパイ食べなさい」
おじいちゃんがアップルパイを持って手招き。
わ!おじいちゃんのアップルパイは絶品なんだ〜。
私はおじいちゃんのそばへ行き、アップルパイをのんびり食べながら、にらみ合うギルバードさんとジンさんを見ていた。
「ユーリはどうしたいんだ?これから⋯⋯」
おじいちゃんが紅茶を私に渡すと尋ねる。
私は言い合いしている2人を横目でみながら、口を開く。
「んー母さんの記憶を見てきたんだけど⋯⋯母さんは亡くなったんだよね?」
私が聞くと
おじいちゃんは小さくうなずく
「我々はユリーナ様に瞬間移動で飛ばされてしまい、そのまま逃げてきたため、最期は確認していない⋯⋯。ただ、あのあと、様子を見に行ったのだが⋯⋯ユリーナ様の姿はなかった。遺体があったわけではないが⋯⋯。たぶん殺されて⋯⋯」
おじいちゃんは悔しそうに口を閉じる。
⋯⋯そうか⋯⋯
きっと酷い殺され方をしたのかな⋯⋯
そこの記憶はなかったから⋯⋯
じゃぁ⋯⋯
私はおじいちゃんを見つめる
「父さんは?生きてるの?」
私の問いかけに、おじいちゃんは静かに口を開く。
「わからない⋯⋯消息不明としか⋯⋯ただ、ユリーナ様はきっと生きていると⋯⋯これを」
おじいちゃんは私の手に何かを握らせる。
え⋯⋯?これって⋯⋯
「母さんの指輪?」
夢で見た、母さんが、父さんからもらったという指輪⋯⋯
父さんの瞳の色の石のついた指輪⋯⋯
「これが⋯⋯あの後⋯⋯あの場所に落ちていた⋯⋯」
え?
おじいちゃんの話を聞いて、指輪を見つめる。
指輪は赤く⋯⋯濃い⋯⋯赤い色。
赤々として、輝いている。
「ユリーナ様は、この指輪がこれだけ輝いているなら⋯⋯と⋯⋯」
母さんの記憶を思い出す⋯⋯
『これだけ輝いているのだから。あの人は生きているわ』
母さんの言葉が頭の中で繰り返される⋯⋯
父さん⋯⋯
「私、父さんを探しに行きたい。それから、これからのことを考えたい」
私がおじいちゃんに言うと。
「!ユーリ様!俺もお供いたします!」
ジンさんが私の足元にひざまづく。
「なんと⋯⋯魔界へか?!⋯⋯確かにそうだよな⋯⋯」
ギルバードさんは私を見つめる。
「ユーリの思うようにしなさい」
おじいちゃんは私を見てうなずいた。
「私は父さんを探したい。あと⋯⋯この指輪を父さんに渡してあげたい⋯⋯」
ずっと父さんを思っていた母さん⋯⋯
指輪だけでもそばにいかせてあげたい⋯⋯
「ユーリわかった。魔界に行く準備をしなければな!」
おじいちゃんはそう言って、嬉しそうに微笑んだ。




