↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/24

覚醒①

宴会も終わり、カズとリキさんは二次会だ〜って騒いでいたけど、私は家に帰る。

とても楽しかった。

プレゼントもたくさんもらってしまった。

お家へ帰ったら開けよう〜楽しみ。


ルークが送って行くってしつこかったけど。

ジンさんがさっさと私から遠ざけてくれた。


夜道をのんびり歩く。

まだ、そんなに遅い時間ではないから人も歩いているし。お店も営業している。

夜の町はキラキラしてて好きなんだよねぇ。

そんなことを思いながら夜風に当たりながら、のんびり歩く。


夜風が心地いいはずなのに、突然⋯⋯一歩踏み出すごとに足元が急に重くなっていく。


「⋯⋯はぁ、はぁ⋯⋯っ」

ジンさんからもらった薬の効果が、急速に切れていくのが分かった。

あれ?体が熱くて⋯⋯重い⋯⋯


と、とにかく早く帰ろう。

私は辺りを見回して、路地に入り、誰もいないのを確認する。

息を整えて、家へ瞬間移動をする。



でも⋯⋯いつもと違いコントロールがうまくいかず⋯⋯


少し家から離れた所に落ちた⋯⋯


「いた⋯⋯どうしたんだろう私⋯⋯」


さっきまでの爽快感が嘘みたいに吹き飛び、いきなり体の内側からドクンドクンと、恐ろしいほどの熱波が押し寄せてくる。


なに⋯⋯これ⋯⋯っ。か⋯⋯体が、破裂しそう⋯⋯!


視界がクラグラと歪む。


カズやリキさん、ルークにもらったプレゼントを抱きしめながら、私は必死の思いで我が家の扉に手をかけた。


「ただいま⋯⋯おじいちゃ――」

ガラリと扉を開けた瞬間、ついに持ちこたえられなくなった私は、そのままバタリと床に崩れ落ちた。


抱えていた箱がコロコロと床を転がる。


「ユーリっ!?」

奥から慌てた様子で駆け寄ってくるおじいちゃんの足音が聞こえる。


おじいちゃんは私の肩を抱き起こすと、目を見開いて息を飲んだ。


「これは⋯⋯覚醒の兆候⋯⋯! ついに、18歳の⋯⋯!」


「おじい⋯⋯ちゃん⋯⋯熱いよ⋯⋯。私、どうなっちゃったの⋯⋯?」


助けを求めるように伸ばした私の手の先――指先から、今まで見たこともないような鮮やかな紫色と赤色の魔力光が溢れ出し、バチバチと空気を揺らしていた。


さらに、私の顔からポロリと外れ落ちた瓶底眼鏡。


その下にある私の瞳は、隠していた付与も剥がれ落ち、暗闇の中で燃えるような深い『真っ赤な瞳』として怪しく輝き始めていた。


そして⋯⋯次の瞬間⋯⋯髪の毛が艶のある濃い紫色に変化する⋯⋯


「ユーリ⋯⋯いいえ、ユーリ様⋯⋯怖がることはありません。貴女の中に眠る『真の力』と『記憶』が、目覚めようとしているのです」

おじいちゃんは震える手で、私を優しく抱きしめた。


「ジン!ジン!ユーリ様がこんなになっていてお前はなぜ近くにいない?!」


すると

「申し訳ございません。ユーリ様が突然瞬間移動されたので⋯⋯」

え?ジン⋯⋯さん?



その瞬間――ドクンッ!!と、胸の奥で大きな何かが弾けた。

『――ユーリ。愛しい、私の宝物⋯⋯』

頭の中に、聞いたこともないのに、どこか懐かしくて愛おしい「誰か」の優しい声が直接響き渡る。


え?だれ⋯⋯? あれ?この声⋯⋯お母さん⋯⋯?


視界が真っ白な光に包まれ、私はそのまま深い記憶の海へと落ちていった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。