遠征⑥
日が暮れるころ
皆結界の補強がおわりマカロン主任のところに集まった。
「無事、結界の補強は完了した!皆!ご苦労だった!素晴らしくよくできた結界だ!ありがとう!」
マカロン主任が皆の顔を見回す。
「「はい!」」
おぉ⋯⋯
息ぴったりのお返事だ!
「特にC地点の補修痕は目を見張るものがある!まるで国境全体が城壁のように強化されているではないか!ルーク、素晴らしい成果だ!!腕を上げたな!」
マカロン主任がルークの肩を力強く叩く。
「あ、ありがとうございます!ユーリ先輩が隣で見守ってくださったおかげで、自分でも思いがけない集中力が発揮できまして⋯⋯」
ルークは少し誇らしげに胸を張ると、チラッと私の方を見て爽やかに笑った。
「だーれのおかげかねぇ〜」
横でこそっとジンさんがつぶやいた。
でも無事に結界も修復できたし。
後は帰るだけ。
村でお土産買って帰ろう〜
私は大きく伸びをする。
今夜は結界のそばの村に一泊。
明日は早朝に出発して、帰ることになる。
早く帰って、家でのんびりした〜い。
村の宿は小さな机とベッドだけのシンプルなとても居心地のいい部屋だった。
で!ここには温泉があるみたいなの〜!
「おんせんっ温泉!」
私はウキウキと温泉へ。
やっぱりねぇ〜大きなお風呂って最高だし。
温泉は疲れも取れるしねぇ〜
私はの~んびり温泉に浸かる。
「んんん〜疲れがとれる〜」
極楽、極楽〜。
旅の疲れも、さっきのヒヤヒヤも、全部温かいお湯に溶けていくみたい。
たっぷり長湯を楽しんでから脱衣所を出ると、冷たい風がほてった頬に心地よかった。
髪を軽くタオルで乾かしながら廊下を歩いていると——
ん〜ほんと気持ちが良かった〜。
「あ、ユーリ先輩」
前から歩いてきたルークと鉢合わせた。
ルークも湯上がりみたいで、髪が少し濡れている。
「あ、ルーク。お風呂良かったね〜」
「っ!? は、はいっ! すごく良いお湯でした⋯⋯っ!」
なぜかルークは私の顔を見るなり、急激に顔を真っ赤にして視線を泳がせ始めた。
え? どうしたの? あら?熱でも出ちゃった?
「どうしたの?のぼせちゃった?」
私が首を傾げると。
「あの、ユーリ先輩⋯⋯その、髪が⋯⋯湯上がりの、雰囲気が⋯⋯すごく、その⋯⋯」
ルークがもごもごと言いながら、一歩こちらへ踏み出す。
「え?」
「なんか、いつもと違いますね⋯⋯。温泉では⋯⋯その大きな眼鏡⋯⋯はずすんですか?」
そう言って私の眼鏡に触れようとする⋯⋯
「はいはい、そこまでー。ルークちゃん、湯冷めしちゃうよ〜?」
ぬるっとどこからか現れたジンさんが、ごく自然に私とルークの間に割り込んできた。
手には村の名産の冷えたフルーツ水の瓶を二つ持っている。
「ジンさん!?」
「はい、ユーリちゃん、冷たいのどうぞー。外で一緒に飲もっか」
「わぁ! ありがとうジンさん! 飲む飲む〜!」
私はジンさんからフルーツ水を受け取る。
一口飲むと。ふわっと広がるフルーツの味。
んんん!!!
美味しい〜。
「これ美味しい〜お土産に買っていこうかな?」
私が言うと
「いいねぇ〜主任とカズへ買ってくかぁ〜」
そんなことを話していると。
「また!まいっかいだ!毎回!邪魔ばっかして!」
後ろでルークがブツブツ言ってるけど。
⋯⋯?どうしたのかなあ?
「ルークも一口飲む?美味しいよ?」
私が瓶を差し出すと。
「!えっ!?あ、ありがとうございます!のみますー!」
ルークは瓶を受け取り。
ゴクゴクっと飲み干した。
えー?!一口っていったのにい!
「ユ・ユーリ先輩!この瓶もらっていいですか?!」
え?
「う、うん。いいけど?」
突然変なことを言うからびっくり。
「おい!ゴミ箱はあっちだぞ」
ジンさんの声も聞かず。ルークは瓶を持って小走りで部屋に戻ってしまった。
もー飲まれた。ルークのやつー!
「もう1個買ってやるよ!」
ジンさん!優しい!!
私はフルーツ水をもう1本買ってもらって満足。
うん!本当に美味しいこれ。お土産に決定だわ!
瓶は重いからジンさんに持ってもらおう〜。
グウウゥゥ〜
お腹がなる。
確か今日は結界修復完了のお疲れ様会で、ご馳走ってマカロン主任言ってたから〜
たくさん食べて、明日は帰還だ〜!
おじいちゃんのお土産は何にしようかな〜
私はやっとお仕事が終わったので、軽い開放感で、の~んびり背伸び。
さぁ、明日は早く帰ろう〜




