第8話:脱糞弾と黒い旋風
唇は割れていた。市場の猫どもに殴られた痕だ。ナナは魚屋のスギオノ爺さんの店へ、そろそろと忍び寄った。小さな体は買い物客の足の壁を スルッ と抜ける。
やった! ナナは心の中で叫んだ。
体を翻して店を出ようとした瞬間、
「おい!」「この痩せた泥棒猫め!」スギオノがナナに向かって怒鳴った。
ナナは ダッ と隅へ走った。口には盗んだイワシ。
シャキン!シャキン! スギオノは出刃包丁を二本取り出し、打ち鳴らした。まるでナナの細い体を真っ二つにする気だ。
ミコは尻尾の痛みをこらえて全力で走った。スギオノの店のトタン屋根へ ヨイショ とよじ登る。鋭い目でスギオノのハゲ頭を狙う。まるでライフルスコープの精密さだ。よし、完璧。
ブリッ!ブリッ!ブリッ! 三発の砲弾がミコの尻から発射された。北千住市場の緑の蝿と蛆を推進剤にした特製脱糞弾だ。
スギオノの動きが止まった。包丁を下ろし、頭を撫でる。生温かい感触。だが匂いは腐った魚と寸分違わぬ悪臭だ。手の匂いを嗅ぎ、天井を睨んで吐き捨てた。「このクソトカゲが」
神乳騒動で頬に青痣を食らった記憶がフラッシュバックする。スギオノは怒りに我を忘れ、ミコを追いかけ始めた。
ナナはその隙に、盗んだ魚を咥えて ダダッ と逃げ出した。
ナナは呟いた。「またミコに迷惑かけた。またミコを危険な目に遭わせた。私を助けてくれた人を、私が殺そうとしてる」
ミコは上納金を待つ市場のはぐれ猫どもの群れへ向かって歩いていった。
天然ボケが言った。「ほらな、新入りは仕事が早くなきゃな」
修羅場担当がリストラ部長に耳打ちする。「天然ボケがドン・トラに媚び売ってるよ」
すぐにリストラ部長がキレた。「おいボケ、媚び売るんじゃねえ!」そう言って天然ボケの頭を バチン と殴った。
ナナは喧嘩する二匹、リストラ部長と天然ボケの前で立ち止まった。近づきはしない。ただ二匹の前で仁王立ちする。心の中で呟いた。「もう踏みつけられてたまるか」彼女は二匹の目の前で、悪びれもせず盗んだ魚を食い始めた。
「おいボケ、リストラ部長、騒ぐんじゃねえ!新入りを見てみろ、もう反抗期か」
親分が ズシンズシン とナナへ歩み寄る。
ドゴッ! ナナは吹っ飛ばされ、胃液を吐いた。親分の一撃だ。
「あのナナのバカが」ミコはスギオノから逃げ切り、足を引きずりながらナナを助けに向かった。「安全な場所に逃げたと思ったら、市場のゴロツキに喧嘩売ってやがる」
無謀にもミコはナナを助けようとした。だがミコは伝説のトカゲじゃない。市場の隅で、二匹とも バタッ と倒れ伏した。
ミコの視界は チカチカ する。目の前では気絶したナナが、天然ボケとリストラ部長に絶え間なく殴られ続けている。
突然 シュタッ! 黒い影が一閃した。
その目は紫に キラッ と光り……次の瞬間、真っ赤に変わった。
木の棒が二本。一本は口に、もう一本は尻尾で握っている。二刀流だ。
ドスッ!ドスッ! 天然ボケとリストラ部長は、二匹とも地面に顔から ベチャッ と倒れた。
第8話、投稿しました。
1週間、毎日1話更新を続けられて嬉しいです。
そして、日給250円を変わらず貰えている事も、嬉しいです。はははは。
そういえば、なぜ私が「排泄哲学」なんてものを書くのか。
実は昔、痔を患っていました。マジで辛かった。
普通に排泄できる生活が、天国みたいに思えたんです。
手術をして、完治するまで3ヶ月かかりました。
術後、トイレに行くたびに、度胸試しをしているみたいで、冷や汗がだらだら出ました。ははは。
原因は、日々の食物繊維不足と、激辛料理の食べ過ぎでした。
こっちの人達の辛さのレベルは異常です。
私は寿司をめったに食べません。数回食べたことはあります。
嫌いなわけじゃなくて、高いんです。
今の私の日給250円だと、美味しい寿司を食べるには4日間、飯を抜かないといけない。
それでも、食べられるのは高級寿司じゃない。
そういえば、辛さの話に戻りますが、ワサビを食べたことがあります。
辛さの種類や感覚が少し違いました。でも、正直、あれは「辛い」とは言えない。
こっちの人は普段、揚げ物(日本でいう唐揚げみたいなもの)を食べます。
唐揚げ1個に対して、生の唐辛子を2〜3本一緒に食べるのが普通です。
ああ、なんだか揚げ物が食べたくなってきた。
こんな夜に揚げ物を摘まむのは最高なんです。
でも、我慢します。揚げ物7個に150円を出すのは、今の私には重い。
でも大丈夫です。皆さんからの「ブックマーク」「★評価」「コメント」が、今夜の最高の「おつまみ」になります。
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では、第9話でお会いしましょう。
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Trowy-San




