第75話「建長汁グツグツ&鮎甘露煮プルプル!0.5秒=半径8mの理と扇風機で10年を3年に縮めた風の間修行」
05:30 JST。
台所から、グツ…グツ…と大きな土鍋がオキ…熾火がまだ赤く明るく燃えている上にある。タカはトク…トク…と大根、牛蒡、里芋、蒟蒻を切る。胡麻油の薄い香りフワアア…
隣の小さな土鍋の中、3時から既に火がついていて、昨日タカと息子が捕った鮎が12匹以上ある。トロオ…トロオ…汁は濃い茶色、甘辛い醤油と味醂。骨はもう柔らかく、肉は箸が当たるとプル…プル…と揺れる。
外側縁側8℃。ヒエエエ…
霧モク…モク…まだ濃く、縁側まで川が見えない。息ハアア…と白い。
縁側で、ジンサイはもうヨレヨレのセーターで座り、足をぶら下げている。左手に温かいお茶スウウ…右手にスジの網シャア…シャア…とゆっくり編む。
チャアア…ハアア…
タタッ…ノラは稽古したいのでもっと早く起きた。足はまだ濡れチャプッ…
ノラは台所を覗き、「タカさん…何時から?」
タカ、「3時。鮎は急げば崩れる。辛抱強くなきゃ、昨日君が磨いた50個の石のように」
ノラはしばらく黙った。ザアア…ザアア…川の音はまだ台所から聞こえる。「今まで稽古の前にいつも朝ごはんを作ってもらって迷惑かけてすみません」
縁側で、ジンサイは網編みに集中しながら振り向かず、「建長汁は建長寺が起源、坊さんの食べ物だ。硬い根っこ、もし強火で無理に煮れば、硬い。もし弱火でグツ…グツ…とゆっくり煮れば、柔らかくなる。昨日の水の呼吸と同じだ」
ノラ、「……はい」
グルウウ…家の中からお腹の音。
ミコとマオゼウの鼻は相変わらず鋭く嗅ぎ、鼻の方が目が開くより先に起きた。
がばっ!ミコは起きた、「ニオイ!何の匂いこれ!すごくいい匂いウンコの匂いじゃない!」
ポロップ!マオゼウが続いた、「出汁の香り…スズカ、起きろ、ご飯だ!」
フサッ…スズカは寝ぐせで出て来た、「甘い醤油の香り…タカさん何作ったの?」
タカ、「鮎の甘露煮と建長汁。縁側で待ってて、後で一緒にそこで食べよう、まず温かいお茶飲んで待ってて」
ポン…ポン…6つの木のお椀が並べられた。ズズッ…建長汁が掬われ、大根はトロ…豆腐はフヤア…鮎の甘露煮はトロ…トロ…と小皿に乗せられた。
皆縁側に座り、足をぶら下げ、ハアア…白い息。
ミコ、「いただきます!」モグ…鮎は柔らかく口の中で直接崩れた。
マオゼウ、「タカ、これ…これは料理じゃない、スズカとナツヤみたいに柔らかい。そうだろアキオ?」
アキオ、「チッ」
ジンサイは微笑みニコッ…とノラを見て、「今日は刀を持って行く必要はない。食べ終わったら、昨日の川の真ん中の石に戻ろう。昨日0.1秒、わずかでも君が水の呼吸の感覚を掴んだのを僕は見た、今日は0.3秒試してみよう」
ミコ、「そうだねジンサイ先生。お腹いっぱいだと呼吸が同調しやすいと思う。そして…」
「そして一番大事なのはよく食べればウンコが出るって事…」まだ終わってないミコの言葉はすぐマオゼウに遮られた。
ミコ、「君は正しいよマオゼウさん」
ロジャリ、「ミコ、食事中にウンコの話をするのは行儀が悪い」
ミコ、「ごめんロジャリ先生、私セフィリトスにすごく感化されて」
マオゼウ、「プフッ…」
ノラ、「はい」
川はまだ霧がかかり、水はまだ冷たく、ノラは昨日の石の上でまた瞑想に戻った。
シイイイン…朝の風が空の干し場の棚の間を通り、ヒラ…と紅葉の葉が落ちた。
ジンサイ先生はノラの成功に微笑み、「繰り返してみよう」
ポクッ!「違う、繰り返し」まだその技を完全に会得してないノラにジンサイが言った。
11:00 JST
「休憩しよう、最後の7回の試みは全部成功した、しかし君の時間は0.5秒くらいだ」
「0.5秒は敵の半径8mにしか届かない、君の静寂の伝播が時間に削られるからだ」
「君が静寂をより長く作れれば作れるほど、君の攻撃の届く半径は倍増する」
「それが水の呼吸の特長だ」
13:00 JST 風の間の稽古。
稽古の場所はもう四万十川じゃなく、密集した緑の竹の柱がノラを取り囲んだ。
ジンサイ、「風の間、四万十の沈黙を完成させるための最後の段階」
「さっきの合計0.5秒の静寂から、君は間合いの出会いを探さなきゃいけない」
「間は0.0-0.5秒の間にランダムに現れる」
「各ターゲットはそれぞれの間を持ってる、もし君が相手の間を知れば」
シイイイン…約3秒の静寂「四万十の沈黙」ジンサイはノラに実践した。
スパッ!ジンサイの刀がノラの後ろのターゲットの竹の幹を斬った。
葉が倒れる時に擦れザザッ…幹は地面にドサッ!と落ちた
「この稽古は実は一瞬ではできない、自然に5-10年かかる」
ノラはそれを聞いて少し気が滅入った、「いいです何年でもやります、ジンサイ先生!」
ジンサイ、「でもタカはその時間を3年に縮める事ができた」
「風の間自体はターゲット上の風の間だ、僕がスジアオノリを干す度に、父はいつも言った、スジと干し場の風の間を感じて品質を保つようにと」
「スジアオノリは直射日光に当ててはいけない味が変わるから、同じように四万十の沈黙も味を持たなきゃいけない」
「当時僕はその風の間を感じるのに何年もかかった」
「しかし僕の息子タカは、彼がスジを干し終わる度に、部屋へ行って扇風機をつけて、普通の風の間とスジを撫でる薄い自然の風の間を区別できるようにした」
「でも今はまだスジの干し時期じゃない」
ノラ、「……」彼はただ黙って諦めた。
ジンサイ、「だから今回はミコに頼んだ、彼女は腹から何かを抽出できると聞いた」
ミコ、スズカ、ロジャリとアキオはピチクの小さな研究室からミコ、アキオとスズカに手伝われて生きたスジの苔の抽出がある干し場をいくつか持って来た。
ロジャリ、「ジンサイ先生、こんな感じで君が必要なもの?」後ろにナナがロジャリにくっついて彼等が何してるか気になってついて来たのを連れて聞いた。
ノラの目はキラキラ、「皆…」
「何て礼を言えばいいかわからない、君達に借りがある」
「僕達友達だろ?」ミコが言った。
スズカ、「もはや家族って言った方が合ってる、ね?アキオさん」
アキオ、「か…家族…え…えっと…そうだね」顔は赤く緊張してスズカの質問に答えた。
マオゼウ、「プフッ」アキオを見て笑いを堪えた「スズカは人を勘違いさせる、きっとアキオは彼女と家族になる事結婚だと思ってる」心の中で言った。
ジンサイ、「濡れたスジは周りに違う湿度を持ってるから、君は違いを感じるだろう、全ての物と生き物はそれを持ってる」
「その湿度からたまに風の間がある、もし君がどれが間を持ってるかわかれば、箸一本でも、触らずに君の届く範囲で干し場の棚を切る事ができる」
ノラはそれから上に濡れたスジが置かれた干し場の棚の周りのその味を感じながら座禅して試した。ジンサイは彼に一本の箸を与えた。
30分が瞑想しながら斬ろうとして過ぎたが何も切れなかった。
ポクッ!ノラの頭はこの風の間の稽古で初めて叩かれた、「目を開けろ…君はまだわかってない」
ジンサイ、「ナナちゃん、タカを呼んで来て、ここへ来て彼の稽古を実践するように」
「もしかしたらノラちゃんに応用できるかもしれない」
ナナ、「はい!ジンサイ先生」ナナはジンサイの家へ向かって走りタカを呼びに行った。
あとがき
心優しき読者の皆様へ
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
貴重なUnchi(ブックマーク・評価・感想)を残してくださり、ありがとうございます。
皆様のUnchiのおかげで、ランキングがすくすくと育ちました。むへへへへ。
皆様のUnchiは、私の作品にとって最高の肥料です。
改めて、心から感謝申し上げます。
trowysan




