第25話 真昼の闇市場!「アナ クンバン カンティル オポ オラ?」マンドラ酒、完成まで残り1分45秒!
真昼、東南アジアの闇市場。
キモチ「すみません、唐辛子とカンティルの花はありますか?」
インドネシア人商人「...うちでは扱ってないですね。」
キモチ、デニスの元へ戻る「ダメだ、デニスさん。売ってないって。」
デニス、携帯を取り出す「おい、トゥクル。今インドネシア人街にいるんだが...カンティルが買えねえ。知ってるか?」
トゥクル「ハハッ、デニスさん。それ、誰にでも売るもんじゃない。呪術の品だ。」
「こう言え。『アナ クンバン カンティル オポ オラ?』」
(あな くんばん かんてぃる おぽ おら)
「**『カンカク クサンブット、ニョン アレップ ンゴバティ カンカク』**だ。」
(かんちゃく くさんぶっと、にょん あれっぷ んごばてぃ かんちゃく)
「”ジャワから来た”って言えば、鍵が開く。」
デニス、電話を切る。商人の前へ行き、真剣な顔で
「アナ クンバン カンティル オポ オラ?カンカク クサンブット...」
(あな くんばん かんてぃる おぽ おら?かんちゃく くさんぶっと...)
商人、目つきがガラッと変わる。左右を確認し
「...ジャワの方ですか。待ってな。今出す。」
キモチ、ポカンとする
「デニスさん...今の何...?」
デニス、ニヤリと笑う「郷に入っては郷に従え、ってな。ジャワの呪文だ。」
「よし帰るぞ。ロジャリ先生に電話だ。崑崙の唐辛子と花、手に入れたってな」
「もしもしロジャリ先生、私たちは崑崙の唐辛子と花を手に入れました。そっちは?」
「私たちも芦ノ湖の水と箱根の谷のハトムギを手に入れた。私とストレージはすぐ帰る」
夜、基地にて。キモチ・スガは先祖伝来の神酒を細心の注意で調合していた。手はブルブル震え、顔には汗がタラタラ流れ出す。多くの命と世界の未来が懸かっている。重い責任が肩にのしかかる。正義の炎が心でメラメラ燃え、リチャードとPUMP社の悪行を見過ごせなかった。
「よし、出来た。この酒壺にタイマーをセットする。7日間に設定だ」
神酒を作ってから6日目。ミコは重傷から意識を取り戻し、目を覚ました。だがエンハンスド・プープエナジーの力で、胃の栄養吸収が常人以上に早いため、治癒も速かった。
6日23時間57分。神酒の壺のタイマーに表示された時間。
「ついに、もう少しで私の先祖の神酒が見られる」
ズドン!ズドン!「おいロジャリ、どこだ!」ヨシキがロジャリの基地の鉄門をドンドン叩き壊そうと叫んだ。
アキオと毛沢山がCCTVの画面を見る。「まずいですロジャリ先生、あの女レスラーです。北千住のアパートでミコを半殺しにした」
「くそ、もう少しだったのに」ロジャリ先生が言った。
ノラ「私があの女の動きを止める。お前たちは酒を守れ」
ナナ「私も行きます、師匠」
「いいだろう。だが無理はするな!」
「私も行く」毛沢山、アキオ、ミコ、スズカ、デニス、ロジャリ、エンプリート、そしてキモチ。全員だ。ただし富士山へ帰ったストレージさんを除いて。
「ロジャリ先生、あなたは後ろに下がって、この酒壺を守っていてください」
ズドン!バキィン!基地正面の鉄門がヨシキの拳で粉々に砕けた。
ヒュン!ヨシキが基地前の植木鉢を手動大砲のように基地の建物へ投げつけた。ズドン!ズドン!激しい揺れが起きた。
「出てこいや、臭えゴキブリどもが!」
「ロジャリ、私について来い。さもなきゃお前の基地を木っ端微塵にしてやる!」
「リチャードは約束したんだ。お前を生け捕りにすれば、一生分の下剤をくれるってな」怒りに満ちた顔で、ヨシキは2週間も続く便秘を堪えていた。怒りはさらにメラメラ燃え上がる。
「ナナ、待て、無茶するな!」ノラが叫んだ。
「私はもう千住市場の臆病な子猫じゃない、ノラ先生。見ててください!」
「ひゃああああ、食らえこの化け物!」
ゲロッ!ナナはヨシキに蹴り飛ばされ、木にぶら下がった。「このウジ虫が、チッ」
「アキオさん、ナナちゃんを助けて」スズカがアキオを見た。アキオはその木へ走って登った。
毛沢山「おいスズカ、どこへ行く気だ?」
スズカ「決まってるでしょ、あの女を攻撃するのよ、毛沢山くん」テフロンのフライパンと鉄のお玉を持って走った。
「馬鹿な真似はやめろ!」毛沢山が叫んだ。
スズカは構わずヨシキへ突撃した。「ひゃあ、食らえ!」
カン、カン、カン!スズカはフライパンとお玉でヨシキを殴った。ヨシキはただ欠伸をした。
「眠くなるだけだ、このクソギャルが」拳がスズカの胸に向かう。
スズカは吹っ飛ばされた。しかし神聖な二つの山の緩衝材のおかげで重傷は負わず、地面をズザーっと引きずられた擦り傷だけで済んだ。「助かったわ、あなたのおかげよスズカ。危うく死ぬところだった」
「スズカ、大丈夫か?」アキオが包帯を持って聞いた。
「覚悟しろ、ゴリラ女!」アキオは戦闘ドローンを数機出動させた。
戦闘ドローンが小型ミサイルを発射する。ヒュン!ヒュン!全てヨシキに掴まれ、ドローンとアキオと毛沢山の方へ投げ返された。
アキオはミサイルの爆発を最小限に抑えるため、スズカの方へ伏せて走った。ドォン、ドォン!彼らは倒れた。アキオ、スズカ、毛沢山、ナナ、この4人はもう戦えない。
「舐めるなよ、奥さん」デニスさんが腰からGロックを取り出した。
ダン、ダン、ダン!三発の銃弾がヨシキに向かう。しかし全て外れた。1発だけがヨシキの頬をカスった。
ヨシキは鉄門を盾にして走った。雄牛のように速く、ヨシキはデニスへ突進した。運動不足のデニスは避けようとしたが、腰痛が再発した。「くそ、終わった!」ズドン!デニスはヨシキにナチスの戦車のように轢かれた。
「デニスさん!」スガちゃんが叫んだ。
「ロジャリ先生、あと何分ですか?」
「あと2分15秒だ、スガさん」
スガちゃんはヨシキを正面から何度も攻撃し、ヨシキの拳を簡単に避けた。突然、彼女はヨシキの背後から殴りかかった。
ミコはただ石のように固まっていた。口をポカンと開けて見ているだけだった。
ノラ「おい、ミコ!ミコ!ミコ!正気に戻れ!」
パァン!ノラはミコを正気に戻すため、頬を叩いた。
ミコは気づいた。スガさんの攻撃が、地下違法レスラー時代の異名「鋼の肌」を持つヨシキの体に何のダメージも与えていない事を。
ミコはあの時のヨシキの拳のトラウマがまだ残っていた。
ミコの体はガタガタ震えていた。
ズドン!スガさんはヨシキの強烈な一撃を食らい、血を吐いた。
もはや呂律の回らない声で「ロジャリ先生、あと何分...?」
「1分45秒だ、スガさん」
スガは立ち上がり、ヨシキの方へ歩こうとしたが、視界が真っ暗になった。「くそ...この化け物を止められるのは、あと30秒だけか」スガさんは倒れた!
「おいミコ!またボーッとしてるのか、一緒にあのババアを攻撃するぞ」ノラが誘った。
「た...でも、ノラさん...」ミコの唇はまだヨシキへの恐怖で震えていた。足が鉛のように重くて動かない。
「この腰抜け!北千住の市場で会った時とは別人だな」ノラの目は紫から赤に変わった。戦闘モードに入った証だ。
ノラはヨシキへ向かって走った。ミコはまだガタガタ震えて汗だくだ!
ミコはただオロオロするだけで呟いた。「私に何ができるの?仲間がみんな死んじゃうの?」
皆さん、第25話を読んでいただきありがとうございます!
今回の話で登場した『アナ クンバン カンティル オポ オラ?』は、作者の母国インドネシア・ジャワ地方の言葉です。
「カンティルの花はありますか?」
「友達が悪いものに取り憑かれました、治したいんです」
という意味になります。
ジャワでは、カンティル(カナンガ)の花は昔から神秘的な力を持つとされ、お墓参りや、魔除け・お清めの儀式に使われる神聖な花です。
ジャワの伝統市場では普通に売られている身近な花ですが、この物語の中では特別な力を持つ儀式の品として描いています。現実では合言葉は要りませんが、物語を盛り上げるための演出です。
今回、デニスさんの腰痛も、ヨシキの便秘も、スズカのフライパンも、全部アドリブです。キャラクターたちが勝手に動いてくれました。作者にも止められませんw
そして、神酒の完成まで残り1分45秒――
ミコはどうなるのか?ヨシキは?ロジャリ先生は?
次回、第26話『3分間の地獄、神酒の奇跡』でお会いしましょう。
追伸:
ブックマーク、コメント、評価、よろしくお願いします!皆さんの応援が作者のエンハンスド・プープエナジーの源です。
実は作者の故郷でも、カンティルの花は儀式に使うミステリアスな花なんです。内緒ですよ?
...というか、実は私、修行中の行者が作家に化けてるだけなんです。シーッ、この秘密はここだけの話ですよwww
それでは、また第26話でお会いしましょう。
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最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました!
―― トロ作




