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雑文よっぱらい「空飛ぶおちゃけ。神様はウイスキーがお好き?~巫女というお仕事~」  作者: ぽっち先生/監修俺
雑文ラノベ「転生したら天空が仕事場でした~だからと言っても別に雲になった訳ではありません~」
22/23

いつまでも色つきのオンナでいてくれっ!

神輿 恋菜 (みこし こいな)の活躍?により戦艦デトックスによる地球侵攻を阻止してから333日後。世界は平穏を取り戻していた。

それは雲の上でも同様で、異世界転生・転移の女神コロンディーナ・コロンデールに代わり雲の管理という仕事を引き継いだ神輿 恋菜 (みこし こいな)は今日も怠惰におちゃけを飲みながらAIに自作の歌を歌わせようと奮闘していた。


そんな恋菜の下にコロンディーナ・コロンデールがやって来た。


「恋菜ちゃ~ん、今度のプロモーションビデオで着るキュアキュアの衣装合わせしましょう~っ!」

「コロンちゃん、ごめん。私、今忙しいから後でね。」


「しゃら~ぷっ!コップ酒片手にスマホを弄っているところのどこが忙しいのよっ!」

「コロンちゃん、世は今、AI革命の真っ最中なんだよ?もう、肉体労働なんて流行らないの。みんなこぎれいなオフィスでパソコンのモニターを見ながらマネーゲームをするのがエクセルブティックなの。」


「恋菜ちゃん・・、多分『エグゼクティブ』って言いたかったんだろうけど、それでも使い方を間違っているわ。エクゼブティブって企業や組織内での上級管理職、または幹部を指す言葉よ?確かに恋菜ちゃんの肩書きは会社組織で例えると社長だし、管理下に天使たちもいるから合っている気もしなくは無いけど、恋菜ちゃんのお仕事は雲の管理であってマネーゲームではないわ。」


「いや、実は私ってOL時代のスキルを活かして新しく事業を立ち上げたのよ。1ヘクタール単位で降水量1mmに付き333円で『降雨』を確約するネットショップを開いたのっ!」

「恋菜ちゃん・・、それって職権乱用なんじゃないかしら?もしくは独占禁止法に抵触する気がする・・。」

いや、一応今の恋菜は雲の管理者なので身分的には神様の使徒だから人間の法律的には対象外なはずだし、そもそも死んでいるんだけど?

いや、事件なんかでも容疑者死亡のまま書類送検される事もあるから対象になるのか?


だが、恋菜はそんな型に嵌まった指摘など気にする様子もなく持論を展開してきた。


「大丈夫っ!だってこれは人助けなんだもの。雨を望んでいる農家さんたちに雨を恵むのだから文句を言われる筋合いは無いわっ!」

「むーっ、正しいような、屁理屈のような・・、微妙な言い分ね。」


「私は弱き者たちの味方なのっ!なのでこの前も超大国の大統領がいる執務屋敷に1時間で333mmの降雨をお見舞いしてあげたわっ!勿論タダでねっ!」

「あーっ、あの大統領も雨じゃなくてミサイルや爆弾を民衆の上に降らせたからおあいこかしらねぇ。」

恋菜は何故か急に時事ネタを繰り出して自身を正当化し始めた。うん、まさに米国の大統領と一緒だね。

そんな恋菜の言い訳は更に続いた。


「ゴビ砂漠やサハラ砂漠でもPR営業として雨を降らせたんだけど、ああいうところって地面にあまり栄養がないらしくて雑草は生えたんだけど稲や小麦は育たなかったわ。」

「へぇ~、作物って水があれば育つわけじゃないんだ。」


「そうみたい。逆にサボテンなんかはあまり水をあげすぎると根が腐っちゃうんだって。」

「あーっ、スイカなんかも甘味が薄れたり表面が割れちゃうらしいわよね。」


「なので適量ってのがあるらしいのよ。それを適性に管理してあげるんだから333円は安いくらいだわっ!」

いや、恋菜よ、そもそも雨は自然現象なんだから金銭を要求するのはどうかと思うのだが?

まぁ、確かに金を払っても雨が降って欲しいと願う者たちもいるだろうが、そうゆう場合はタダで降らせてあげようよ。

なのでコロンディーナは恋菜に対してそのところを突いて来た。


「それはそうなのかも知れないけど、あなたってもう死んでいるんだからお金があっても仕方なくない?と言うかあなた口座すら持ってないじゃない。」

「うん、だから稼いだお金はネット上で仲良くなった友だちの口座経由で推しのアイドルにつぎ込むのっ!私の今一番の推しはジュリーよっ!」


「いや、さすがにジュリーは古過ぎない?と言うか、あなた女の子なんだから『ジュリー』じゃなくて『ジュエリー』に興味を持ちなさいよ。」


「ジュエリーってなに?」

「まさかの質問だわ。あなた本当に女の子?そもそもジュエリーって言ったら『いとしのエリー』に決まっているじゃないっ!」

いや、どこが決まっているんだ?後ろの2文字しか合致していないじゃないかっ!

だが、恋菜はこのボケ?に対してまともに返してきた。


「私の沢田研二ボケにサザンオールスターズで返してくるとはお主もやるな。」

「私の突っ込みはまだまだこんなもんじゃないわよ?チェリーにアーチェリー、カーフェリーにトムとジェリー、そして真打ちは貰ってうれしいアクセサリーとランジェリーよっ!」

いつの間にか話の話題が語尾の語呂合わせ合戦になってしまった・・。だが、これには恋菜も至極まともな返しをしてきた。


「コロンちゃん、昨今は金のかかる女は敬遠されるよ?昔と違って男たちも車やオートバイに関心を持たなくなっているんだから。なのでアクセサリーとランジェリーはホワイトデーとクリスマスまで待たないと。・・いや、待てっ!アクセサリーはともかく、ランジェリーは駄目だろうっ!」

「しゃら~ぷっ!女はいつまでも輝いていなくちゃ駄目なのよっ!ジュリーも言っていたわっ!『いつまでも色つきのオンナでいてくれっ!』ってねっ!」


「はいはい、判りました。でもだからと言ってキュアキュアの衣装は着ません。」

「えーっ、着ようよ~。恋菜ちゃんは腹黒だからぷりぷりブラックの方を担当ねっ!私は可愛いからぷりぷりピンクなの。」


「ぷりぷりブラックの相方はぷりぷりホワイトだった気がするんだけど・・。」

「いや~、さすがにこの歳で白無垢はねぇ。バトルすると汚れが目立つし。」


「ピンクの方がよっぽど違和感ありありだわっ!」

「いいのよ、今度のプロモーションビデオはヲタクちゃん向けなんだから。恋菜ちゃんはこの前の件でヲタクちゃんたちに借りがあるんだから諦めなさい。」


「あれはポチが勝手にやったんだけどなぁ。まぁいいわ。うわ~、なにこの衣装っ!スカート丈がミニ過ぎるでしょうっ!これじゃ屈んだりしたらパンツが丸見えじゃないっ!」

「アイドルは屈んだりしないから問題なしっ!」

いや、確かにアイドルはうんこをしないと噂されているが、普通に屈みはするだろう。そしてその場合はちゃんと手や荷物で隠すのでパンチラはないはずだ。

まぁ、それでも油断していると執拗なパパラッチに激写されてしまうんだけどね。あいつら絶対楽な死に方しないよな。


とは言え、最初こそは衣装に文句を言っていた恋菜だが、撮影場所である南国のピーチに移動して着てしまえば腹も据わったのか、カメラマンの注文に結構ノリノリでポーズを取りニコニコと笑顔で応えていた。

そんな恋菜に負けじとコロンディーナも過激ポーズを繰り出す。


「悩殺っ!にゃんこポーズだにゃんっ!」

「くっ、やるわねっ!ならば私はM字開脚だぁっ!」

説明しようっ!M字開脚とは地面にぺたっと尻をつけ座り、前方に投げだした両足を膝を曲げながら引き寄せ、尚且つがばっと開くポーズの事である。

その姿を正面から見ると、両足の形がアルファベットの『M』の字に見える事からこの名前がついた。


そしてこの姿勢は主にアダルトビデオやグラビア写真などでの定番ポーズのひとつである。つまり、えっちぃのだ。

そんなお色気過激競争に陥ったふたりをカメラマンが更に煽った。


「いいね、いいねぇ~。まさに君たちは天然色だよっ!渚のデッキにベストマッチだっ!うんっ、いつまでも色つきのオンナでいてくれよっ!天使ちゃんたちっ!」

「もうっ!カメラマンさんたら本当の事とはいえ正直なんだからっ!もうっ!サービスで『天使のウインク』をあげちゃうっ!」


「いや、コロンちゃん。そこは衣装の色に合わせて『ピンクのモーツァルト』の方がいいんじゃない?」

「あー、そうかも。もしくはシチュエーションに合わせて『渚のバルコニー』でもいいかもね。」


「よ~し、私も聖子ちゃんシバリでがんばるかな。えーと、何があったかなぁ。あっ、『青い珊瑚礁』ならここのシチュエーションにも合うな。よしっ、ポチっ!『南の風』を吹かせろっ!私はそれに乗って走るっ!」

「了解です。それじゃポチっとな。」

いつの間にかふたりの側にいたポチが指をパチンと鳴らすと、それまで快晴だった空が俄かに曇りだし、強風が吹き出し始めた。

その風に煽られてピーチの椰子の木がぐらんぐらんと揺れだし恋菜とコロンディーナの頭上に椰子の実爆弾を降らせた。


ひゅ~、ぱこんっ!


「いてっ!こらっ、ポチっ!お前は加減というものを知らんのかっ!なんで台風級の風を起こすんじゃいっ!」

「いや~、日本で南風と言ったら台風の風でしょう?」


「ここは日本じゃないっ!あれ?日本じゃないよな?あれ?もしかして沖縄?」

「えーと、ここは北海道の北東に位置する歯舞群島 (はぼまいぐんとう)です。だから日本ですよ。」


「北海道より北かよっ!さっき南のピーチって言ってなかったかっ!」

「北極点から見たら地球上のどこでも南です。」


「そんなトンチはいらんっ!と言うかさらりと北方領土問題を盛り込むなっ!」

「恋菜ちゃん、それよりも歯舞群島に椰子の木が生えている事を疑問に持った方がいいんじゃない?」

恋菜とポチの掛け合いに、このままだと話が進まないと思ったのかコロンディーナが方向修正してきた。だが、恋菜は中々認めない。


「あれ?そう言えばそうね?でも流れ着いた実が根付いたのかも。」

「いや、そこは素直にポチにからかわれているって気付こうよ。で、ポチ。本当はどこなの?」


「えーと、南鳥島です。位置的には東京から南東の方向に約1860km離れている絶海の孤島です。なので閉鎖系ミステリーの舞台に最適です。」

「いや、南鳥島って一般人は入れないでしょ?」


「おーっ、これは驚きっ!まさかコロンディーナ様がその事をご存知とはっ!もしかして明日は雪ですか?」

「お前、元とはいえ私が雲の管理者だったて事を忘れているでしょ?誰が降らすかっ!」


「ははは、冗談です。本当は沖縄本島から南西に約290kmのところにある宮古島で、白砂と青い海がアピールポイントです。」

「沖縄って日本の南の端だと思っていたけど、宮古島はそこから更に290kmも離れているんだ・・。」

ポチの説明に恋菜は驚いたようだ。なのでその事を素直に口にした。

そんな恋菜にポチは更に説明する。


「驚くのはまだ早いです。なんと宮古島の先には石垣島や与那国島があります。与那国島なんてお隣の台湾の方が宮古島との直線距離よりも近いんですよ。」

「近いってどれくらい?」


「えーと、直線距離で約120kmくらいですかね。この距離は東京からだと富士山よりちょっと遠いくらいですね。」

「マジか。ちょっと高台に登れば台湾が見えちゃうんじゃないの?」


「海岸からだと厳しいですが、標高231mの宇良部岳 (うらぶだけ)山頂からならば晴れていれば台湾の山並みは見えるはずです。まっ、海岸は無理ですけど。」

「与那国島で一番高いところって231mなんだ・・。それって東京タワーよりも低いじゃん。東京都庁第一本庁舎や池袋のサンシャイン60にも負けてるじゃんっ!」


「いや、別に勝ち負けではないと思うんですけど・・。」

「なんにしてもすごいところなのね。どうりで台湾有事問題で話題になる訳だ。」


「そうですね、仮になにかあったとしても、沖縄本島からF-15戦闘機を飛ばしても、この距離だと戦闘警戒モードでは30分も上空に留まれません。なので空母を欲しがるんですよ。」

「はいはい、そうゆう話はまた今度ね。それじゃ陽も傾いてきたしそろそろ帰りましょ。」


「あっ、はい。では最後に1枚撮りましょう。カメラマンさん、お願いします。」

ポチに促されて、それまで話に割り込めずに手持ち無沙汰だったカメラマンは嬉々としてカメラを構えた。


そして恋菜とコロンディーナのふたりは最後に決め台詞とポーズをとって撮影は無事に終了したのである。


「ふたりは他人っ!だけどサービス、サービスぅ~!」

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