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雑文よっぱらい「空飛ぶおちゃけ。神様はウイスキーがお好き?~巫女というお仕事~」  作者: ぽっち先生/監修俺
雑文よっぱらい「空飛ぶおちゃけ。神様はウイスキーがお好き?~巫女というお仕事~」
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あっそれっ!酒が飲める、飲めるぞっ!

と言う事で、ロケットに関しては伝えられる事があまりない。と言うか、詳しく述べるとテロに使われかねないと公安に目を付けられるので自重する事とする。なので、次はおちゃけに関する事を見て行こう。

先にロケットにはおちゃけを搭載すると述べたが、その搭載するおちゃけは、事前に神社の巫女によって神様の嗜好に合うかの審査を受けねばならない事になっている。


この巫女による審査に通らないとロケットを打ち上げられないのだ。そしてその審査をするのが、数年前に出雲大社で有名な島根県・・の隣県からこの地に移住してきた女性『神輿 恋菜 (みこし こいな)22歳+アルファ』であった。

うむ、昨今の鳥取県人口減少問題の一角がこんなところにまで及んでいたとはびっくりだ。


因みにこの女性がこの地に引っ越し巫女役を買って出た理由は、巫女になればおちゃけが飲み放題という噂を聞いたからだ。

いや、飲み放題かは判らないが確かに巫女には神事に使用するおちゃけが神様のお眼鏡に適うか事前に試飲するという役目がある。


更に昨今はこの地の神様のご利益が世間でも噂になっており、日本はもとより世界中の酒造メーカーが自分のところのおちゃけを使って欲しいと『無償提供』を申し出るので、各地区の氏子総代たちも酒代が浮くからと積極的に巫女へアピールするらしい。


勿論おちゃけが認められた場合は酒造メーカーから地区に『寄付』という形でキックバックがあるので地区の者たちも真剣だ。

つまりなんやかんやと言っては巫女の下に世界各地のおちゃけが届けられるのだ。


そして今日もフランスからワイン卸業者が高級シャンパン、つまりドン・ペリニヨンを持ち込み営業を仕掛けてきた。


「ボンジュール、恋菜。コマンタレブゥ。今日は我が国が世界に誇るシャンパンをお持ちいたしました。なにとぞ当社が扱うワインを神事にご採用下さい。」

「ウィ、メルシー。では早速試させてもらいましょう。」


ぐびぐびぐび。ぷはーっ!


巫女はジョッキっ!に注がれたドン・ペリニヨンをまるでビールを飲むかのように一気に飲み干した。

そして空になったジョッキを突き出し卸業者にお替りを催促した。


因みにドン・ペリニョンは神様からの通達で打ち上げ用としては使用禁止になっている。その事は卸業者も氏子総代を通じて聞いているので実際に打ち上げられるのは別のワインだ。

ただ、巫女への忖度、もしくは袖の下用に卸業者はドン・ペリニョンをダースで持ち込んだのである。


ぐびぐびぐび。ぷはーっ!


卸業者から差し出された2杯目も一気に飲み干した巫女は、漸く満足したのか酒の肴として持ち込まれたチーズを齧りながら卸業者へ次のようにのたまった。


「うむっ、うまかったっ!よかろう、神様へは我からその方らのワインを勧めておく。これでそちらのワインは馬鹿売れ間違いなしじゃっ!」

「トレビアーンっ!メルシー、マドモアゼル恋菜っ!」

巫女の言葉に安堵した卸業者は、それでも念には念をと更に奥の手を差し出してきた。


「こちらはアルプスの高原で育ったヤギから絞った乳でございます。輸入食品に対する検閲の関係で滅菌処置は施してありますが風味は絞りたてと変わらないと自負しております。どうか、こちらもお納め下さい。」

「おっ、気が利くな。ミルクはこの神社の神獣であるナツ様の大好物じゃ。」

そう言うと巫女は差し出されたミルクを三方さんぼうに載せた白い皿 (かわらげ)に注ぐとぽんぽんと平手を打った。

するとどこからともなく白いフェレットが現われて鼻をクンクンさせた。そう、このつぶらな瞳の白いフェレットこそがこの神社の神獣『ナツ』様である。


「ほれ、ナツ様。アルプスの大きなモミの木の下でセントバーナード犬に守られながら育ったヤギから搾ったミルクじゃ。今日は特別に好きなだけ飲んでよいぞよ。」

巫女の言葉が理解できるのか、ナツ様は小躍りして喜ぶ。そして一目散に巫女の下に走り寄るとわき目も振らずに白い皿 (かわらげ)に注がれたミルクをピチャピチャ舐め始めた。


「おーっ、飲んどる飲んどる。うむっ、いつもの粉乳を溶かしたミルクとは食い付きが違うのぉ。さすがはナツ様じゃ。違いが判ると見える。」

そんな巫女のからかいも聞こえないのか、ナツ様はあっという間にミルクを舐め干した。そして満足したが故の余興なのか、くるくると自分の尾を追い掛け回し始めた。

そんなナツ様を見て巫女は笑い出す。


「にゃははははっ!これ、ナツ様。そんなにくるくる回ってはバターになってホットケーキの材料になってしまうぞよ。いや、この場合はチーズか?にゃははははっ!」

ナツ様に向かってそう言いつつも、何故か巫女も一緒に踊り始めた。するとスピーカーもないのにどこからか雅楽の音曲が流れ出し巫女の舞に合わせ始めた。


しゃんしゃんしゃん


いつの間に手にしたのか、巫女は神楽鈴 (かぐらすず)を手にして音頭を取る。と言うか巫女の衣装までもが儀式用の正装に変わっていた。

おかしい・・、この手の変身シーンではキャラクターは一旦裸体になるはずなのだが気づかなかったぞ?

何故だろう?やはりR-15指定にしておかなかったから規制が掛かったのだろうか?


そして演舞が最高潮になるころには、巫女が手にしていた神楽鈴が何故か扇子に変わっており、そこから液体が噴水のように噴出していた。

そう、所謂『水芸』へというやつだ。もっとも扇子から噴出した液体は水ではなくおちゃけだったのだが・・。


ただ、不思議なのは飛び散ったおちゃけは床に届く直前で消えていた。なので床が水浸しになる事はなかった。

成る程、さすがはおちゃけを所望する神様に仕える巫女である。勿体無い事はしないのだな。


因みにロケットで打ち上げて爆散させるおちゃけは神様がお飲みになるという建前なので食べ物を粗末にしているという指摘は受け付けないらしい。


その後、ドン・ペリニョンをジョッキっ!でガブ飲みしたにも関わらず、ちょっとノリノリで踊ってしまった巫女は体の隅々までアルコールが巡ったのか、その場で幸せそうに寝てしまった。

まっ、この手の事は日常茶飯事なのか、氏子総代は気にする素振りも見せずに巫女をそのままにして卸業者を促し神社を後にした。


その後も世界各地の酒造メーカーが巫女の下を訪れては営業を仕掛けてきた。

ある時は米国のビール会社が赤白の日傘をかざした『バドガール』を引き連れてやって来たし、またある時はソンブレロとマントで地域性をアピールした南米のテキーラメーカーが陽気に「ブエノス・ディアス、アミーガっ!」とギターを弾きながらやって来た。


当然欧州勢も負けていられじと英国のメーカーはシルクハットにステッキという如何にも英国紳士風ないでたちで自慢のスコッチウイスキーを持ってきた。

また亜細亜圏からも中国のメーカーは白酒 (バイジュウ)を、韓国からはマッコリが持ち込まれた。


勿論現在世界中の自由経済圏から嫌われているロシアからも、商売は別とばかりにウオッカが届けられた。

当然日本からも各地の酒蔵から日本酒や焼酎が連日のように贈られて来て、それらを巫女は毎日幸せそうに飲むのであった。

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