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雑文よっぱらい「空飛ぶおちゃけ。神様はウイスキーがお好き?~巫女というお仕事~」  作者: ぽっち先生/監修俺
雑文ラノベ「転生したら天空が仕事場でした~だからと言っても別に雲になった訳ではありません~」
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新しいお仕事

「で、交渉では相手に何か要求する時は大抵『対価』が発生します。ただ、ここでは物々交換ではなく共通対価として『ギール』を使用します。まっ、これはあなたがいた世界で言うところの『通貨』のようなものです。」

「えーと、つまりお金を払って相手から必要なモノを買えって事ですか?」


「そう、太陽からは『熱』を。海水からは『水蒸気』を。大気からは『気圧差』、つまり風向きと風速を仕入れて『雲』を作り出し、あなたはその雲を運用するの。」

「地形が抜けていた気がするんだけど?」


「地形に関してはあまり交渉の余地がないのよね。なんせ動かすだけでも一苦労だから。でも万年単位でなら動かせます。」

「いきなり話が壮大になってきた気がする・・。それって大陸プレート移動説?」


「そう、この惑星の地殻ってマントルの上に浮かんでいる状態だから、マントルの対流現象に引っ張られて動くらしいのよ。それ以外にも、とある場所ではマントルから地殻の原料が噴出していて、その噴出す場所は『海嶺』と呼ばれ、逆に地殻がマントル内に沈み込む場所は『海溝』と呼ばれているわ。」

「ふ~ん、どちらも場所は海の底なんだ。」


「いえ、地表にある場所もあるわ。アフリカとかアイスランドとかの『地溝帯』が有名よ。日本にも『フォッサマグナ』と言う名で新潟県から神奈川県にかけて存在しているらしいの。」

「はぁ、さいですか。でもそんな万年単位でしか動けない要素の担当者と何を打ち合わせればいいのよ?」


「地形に関してはどちらかと言うと、あっちから色々お願いされるケースが多いかな。ほら、地形って山だけじゃなく平地も含まれるから。」

「あーっ、『雨乞い』かぁ。つまり地形に関しては人間からの要望も含まれるという事なのね。」


「そう、だからあなたの仕事は人間からのお願いを処理する事が殆どです。なので『元』人間であるあなたにはぴったりな仕事でしょ?」

「うーっ、私、実は営業とか打ち合わせって得意じゃないのよねぇ。だから本当はあまり人と係わらないトラック運転手になるのが夢だったくらいだもの。」


「あら、そうなの?ならなんでそっちに就職しなかったの?」

「えーと、大型免許の検定試験に落ちました・・。」


「あーっ、大型免許って自動車教習所では取れないらしいから運転免許試験場での通称「一発試験(限定解除)」に合格する必要があるものねぇ。噂では合格率は一桁台と言われ司法試験より難しいなんて言われているらしいから仕方ないわね。」

「それは自動二輪の大型免許だっ!しかも相当昔の話じゃんっ!今は二輪車の大型免許もお金さえ払えば教習所で取れますっ!」


「そうなの?でも自動車学校での合格率って90%以上って聞いた事があるわよ?なんであなたは検定試験に落ちたの?」

「あーっ、検定の前日に飲み過ぎて乗車前の呼気試験で失格になっちゃったの・・。」


「大切な検定日の前にアルコールが残るくらい飲むんじゃないっ!」

「すみません・・、でもそれからはウイスキーは一日2杯までを厳守しています。」


「それって水割りで?」

「いえ、ストレートで。且つコップに波々と注いで・・。」


「絶対量は以前と変わらんやんけっ!と言うか毎日ストレートで333mlも飲むなっ!肝臓がやられるぞっ!」

「健康診断で渡される診断表の肝機能欄の値がすごく怖いです・・。」


「さすがは酒飲み・・、判っていながら止められないのね。でもならばいっその事太く短く生きましょうっ!というか、あなた既に死んでいるからガンマGTPの値なんて関係なしっ!うん、この仕事はおちゃけ飲み放題よっ!」

「わーい、嬉しいなここみぃ。では早速仕事をさせて下さいっ!」


「死んでいるのにバイタリティあるなぁ。まっ、いいわ。で、仕事の内容は殆どルーチン化してスケジュール表にまとめられているから、あなたはそれらがちゃんと実行されているかを監視するだけです。でも異変があったら対処しなければなりません。」

「異変って?」


「海水の海面温度が上がり過ぎて水蒸気量がすごく増えたにも関わらず、そこに台風とかを持ってきてしまったとか、または日本海の水蒸気をたっぷりと含んだ大気に対して発達したシベリア寒気団の冷風とかを掛け合わせてしまったとかね。更には太平洋高気圧の張り出し具合を見誤って必要な場所に雲を送り込めないなんてケースもあなたの責任になります。」

「つまり昨今の台風被害や大雪被害、はたまた日照りによる水不足は全て前任者であったあなたがサボっていたからという事ですね?」


「サボってませんっ!ただ忘れていただけですぅ!うふっ、コロンディーナの忘れん坊さん!」

「お茶目に言っても駄目な気がするんですけど?」


「まっ、たまにはこうして災いを与えないと人間って直ぐ感謝の気持ちを忘れますからね。なので仕方ないのです。本当は私だって見過ごしたくなかったんです。」

「つまり、絶賛の感想が欲しいから王子に対して悪役令嬢の事を盛りに盛ってチクったと。」


「あなた、例えが少しおかしくない?なんでここで『ざまぁ系』か出てくるのよ。」

「某所に入り浸っている子たちには、この方が判り易いらしいんです。」


「そうなんだ・・。まっ、私の事はいいわ。それじゃ後は頼んだわよ。何か判らない事があったらポチに聞いて頂戴。じゃあね、チャオ~。」

そう言うと異世界転生・転移の女神『コロンディーナ・コロンデール』はスケジュール表と厚い本を神輿 恋菜 (みこし こいな)に手渡すとオペラを観劇しに普段着のまま行ってしまった。


その自由奔放な行動に神輿 恋菜 (みこし こいな)は暫し呆然としたが、それでも仕事をすればおちゃけが飲み放題だったという事を思い出し渡されたスケジュール表とQ&A集を読み始めた。

因みにQ&A集の表紙には『魔術書グリモワール』とタイトルが書かれており、社外秘のスタンプが押されていた。

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