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流石に疲れて来たので、結局明日は普通にお休みということで決着がついた。
アリシアも連戦で疲れているだろうし、もしミーアたちを見かけたらすぐに逃げるようにしよう。
暗い部屋の中、適当にベッドに寝ようとすると置いてあったある物が見えた。
爆発して真っ黒になっているそのスマホは、二度とは使えない代物になっている。
こうなった場合流石に復元はできないだろうけど、この世界でも技術が発達すればこういうものは作れるんだろうか。
そもそも魔法と機械を組み合わせればもっと凄いことになりそうだけれど、生憎僕にはまだそういう事ができるスキルを持っていない。
「それにしても、機械が無いと本当にやる事が無いな。」
ルーン石で多少明かりがついているけれど、それでもまだ暗い方だ。
このまま眠りにつくにはまだ時間が早いけど、ベッドに寝て眠りにつくようにしなければいけない。
ぐっすりと。恐らく僕が元いた世界の自分の部屋で寝る時よりも暗いベッドの中に潜む。
寒さもいいかげん慣れて来たころだ。
その心地よさを感じて来たときだった、どん、と軽い衝撃が僕の上に起きた。
誰かが、僕の上に乗ったのだろうか。驚いて目を開けると、僕の眼前にモニカが居た。
「っ・・!?」
これは一体どういう状況なのかよく分からないが、割と心臓に悪すぎる。
「こんばんはお兄ちゃん。こうして会うのも久しぶりね。」
「お、おう。」
あれ?モニカにお兄ちゃんって呼ばれてたっけ?
それ以前にどうして彼女が目の前に突然来るのか、もしかしてこれから何かの復讐でもされるのか。
「こんなに早く寝ちゃうだなんて、健康的すぎない?」
「えっと、今何時ぐらいか分かるか?」
「ん?まだ10時程度だけれど。」
「まぁ、仕事をしていればすぐに寝れる時間帯だな・・。」
「そうね。アリシアが突然キスした事も含めて、話をしたいのだけれど。」
「見ていたのか!?」
「この私が貴方たちを放っておくわけないでしょう?邪魔なエクレールから逃げた後に、貴方たちを探していたのよ。貴方の存在なら、普通にかぎつけられるし。」
「い、犬みたいだな・・。」
「女の子を犬呼ばわりするなんて、変態すぎない?」
この状況で突然モニカは僕の上で上下するけれど、その体勢はあきらかに笑えない。
「はしたないぞ止めるんだ、って・・!?」
金縛りが起きていたが、これは明らかにモニカによるものだろう。
更に、よく見るとモニカの左手には大罪、暴食が握られていた。
「お前・・アリシアはどうしたんだ!?」
「そう大声を出さないでお兄ちゃん。別に、あいつがトイレに出て行った後にこっそり暴食だけ貰っただけだから。」
「トイレ・・。」
「大か小、どっちだと思う?」
「お前、アリシアにさっさと殺されてしまえ!!」
小学生レベルの下品な会話にガチでつっこんでしまったが、アリシアも迂闊過ぎるとは思った。
「まぁ、どっちにしろ貴方の自由な無いけれど。どうしてほしい?」
「どうって、モニカは・・その暴食を取り返しに来ただけなんだろ?なら、別に君とは戦わないよ。」
「つまらないわね。」
「モニカとは戦いたくない。」
「そう。でもアリシアの奴隷でいるつもりなのね。」
「あ、あぁ。」
「はぁ・・・グレコからも聞いたけど、私がそれほど貴方に何も見られていないかよく分かってるから。今は割とブルーな気分。」
「えっと、その。」
「だからこの力で肉屋の豚肉をまるごと頂いてきちゃったんだけど。これ、一体何かわかる?」
「君の必殺技がどういうものかなんて僕が分かるわけないだろ。別に、モニカが自分の口で食べたわけじゃないだろ?」
「何で分かったの?」
「僕を馬鹿だと思ってるのか・・。」
ていうか、暴食を手に入れたのならさっさと出て行ってほしい。僕だって眠りたいんだから。




