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ベッドに座って居るアリシアは武装は脱いでおり、簡素な私服姿になっている。
見た目はかなり綺麗な女の子といった感じだけれど、この世界ではいつまでも外に居ても肌が焼けたりしないのだろうか。
彼女の白い肌を見ていたら、アリシアと目があってしまった。
「何を見ているのかしら、もしかして奴隷ともあろう貴方が私に欲情したの?」
「いや、してない。」
「はぁ。全く、どうして年頃の男の子はすぐにそんな目をするのかしらね。この私の魅力に抗えない気持ちも分からなくは無いけれど。」
アリシアがどれだけ高慢なのかは知らないけれど、その業はどれぐらい深いものなんだろうか。
聞いてみたけれど、率直に聞くとまたおすわりさせられそうになるだろうし。
「アリシアは、子供の頃はどこに住んでいたんだ?」
「私はこの町で生まれて、ずっとギルド協会で働いていたのよ。」
「え?」
「戦災孤児という奴ね。昔、このバスティーユ王国は外国と戦争が起きている最中だったから。数十年間続いた戦争が終息期に向かっている時に一度、大きな戦闘が別の町で行われていたの。城の防衛線に勝利する事はできたけれど、民間人に多数の被害者が出てしまい、私の両親もそれに含まれていた。私は親族に引き取られた後、ギルド協会の訓練施設に預けられて見事に試験を突破、10歳の頃にはギルドの初歩的な仕事を受け付けていたの。残念だけど、その年の頃の私の魔力は安定していないからエクレールに比べると戦果は乏しいのよね。」
そのまま協会の仕事を請け負って5年は経っただろうけど、彼女にとっては苦痛ではなかったのだろうか。
自分とは違い、両親も友達も殆ど居ない状態のまま戦っていたのだとしたらかなり窮屈な生活になる。
「君は、辛くは無かったのか?」
「モニカみたいな異常者に比べたら、私はまだ幸運なタイプかしらね。私以外にだって、その戦災孤児という男女は今、過去の出来事に対して猛烈な恨みを抱いているはずだもの。バスティーユが外国との領地に関する契約争いがエスカレートした結果、戦争に発展していたみたいだけど。その戦争により貴族の力が疲弊してしまい、王族の権力が強くなった。そして今はフィリップ王による王族の強権的な世界観が築かれ、首都のアンドラはそのフィリップ王によって改築と拡大が繰り返されているみたいだけど。そこでは大多数の無能力者が何かこき使われているみたいだし。」
「改築って、何をしてるんだ?」
「色々よ。町も宮殿も含めてね。商業もかなり活発化しているみたいだけれど、私としては少し心配にはなるわね。」
「何か困る事があったのか?」
「最近、無能力者同士の結束力が強まってきていて、機械技術の進歩も相まって魔法使いや貴族、王に対抗
しようとする思想が起きているの。」
「機械技術か。銃器も見かけたし、でも魔法でも十分生活はできるんだよな。」
「それはそうだけど。魔法使いの数は限られているし、無制限に力を使う事なんてできないもの。数千万存在する無能力者と、数十万程度しかいない魔法使いではバランスが悪いけれど。更に魔法使いには個人差が大きいから、誰にでも大きな力を使えるわけではない。だから余計、私みたいに力のある魔法使いが期待されがちなのよね。しかも、その魔法使いにも悪い奴はいるから、余計無能力者の反感を買ってしまう事もあるのよ。そんな無能力者たちの殆どは少ない金を使って生きていて、反感を持った人間たちが時に襲い掛かってくるから。ナガトも気を付けた方がいいわ。」
その無能力者はナガトも入って居るはずなのだが、無名を使ってある程度無茶苦茶な戦いはできてしまったため簡単には認めてもらえないだろう。
更に、騎士の奴隷をやっている以上は普通の人からは変な目で見られるかもしれない。




