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ロワールに到着し、馬車は指定の馬小屋に格納される。
ようやく人が居る街並みについてナガトはほっとしていた。また変な状況に陥って、死臭を感じるのはもう経験したくない。
アリシアについて行き、彼女の仮住まいになっているギルド寮にお邪魔した。
遠出する事が多いギルドの騎士は、指定されているギルド寮に無料で泊まれるらしい。
その彼女の部屋の中まで荷物を運び、綺麗に整理した後に一息つけるようになった。
「それで?これからどうするんだ?」
「私はこれから協会支部の所に行くから、貴方はここでお留守番するように。」
「もう夜だぞ?」
「えぇ。でも向こうから来いって言われてるのよね。」
流石にアリシアもしんどいだろう。夜になっても仕事の続きが発生するのだから、正直ギルドはあまりいい仕事ではないのかもしれない。
「夜になってもこき使われるとは、中々いい身分ですね。」
「貴方も来るのよ。」
檻をアリシアが持ち上げる。グレコはあまり理解できていなかったようだ。
「なんで?」
「貴方、凶悪犯の共犯者という自覚が無いのね。ある意味貴方らしいけれど、そう言って誤魔化されるわけではないわ。」
「はぁ。やはり私は売られるんですね。」
「変な魔術師に解剖されるような目に遭いたくなかったら大人しくすること。それじゃぁ、私はグレコと一緒に支部に行くから。これで適当に夕飯を食べてて。」
適当に小銭入れを手渡された後、彼女はすぐに出て行ってしまった。
明らかに彼女は多忙な様子だが、奴隷の身である僕がしてやれることはあまり無いだろう。
というより、自分がどうしてここに居るのかを説明しろと言われたら、すぐには言えない。
明らかに変なのは僕なのかもしれないが、僕はとりあえず彼女に言われた通りに夕飯を食べに行くしかない。
ギルド寮にある食堂。そこはとても広く、色々な人が集まっていた。
とりあえず、列に並んで待つとしよう。と、その場所に明らかに見知った人が居た。
「あれ?君・・エクレール?」
「え?」
ピンク色の髪の少女が振り向くと、確かに彼女はエクレールだった。
まさかこんな所で会ってしまうとは思わなかったけれど、エクレールは誰かに連行されていたはずじゃ。
「えっと・・どちら様、でしたっけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
アリシアの言う通り、エクレールは明らかに僕の事を忘れている様子だった。
もはや怒る気にもなれない。というか、本気で忘れていたから僕を気にせずに素通りしていったのだろうか。
まぁ、アリシアが死にそうになった時だから仕方が無いけれど。
何だか、ここまで空しくなってくるとむしろ清々しい。むしろ初対面イベントだと思えばいいけど。




