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異世界で騎士の奴隷となった日  作者: 時川
始まり、森から屋敷へ
40/131

〇40

高慢と暴食はこちらにあり、オルフェウス教団が持っているとされるのが貪欲、色欲、嫉妬、憤怒、惰性となる。

しかし、貪欲は世界中の何処かに居て、惰性は何故か極東という所に居るというのはグレコにしてみれば不自然な状況のようだ。

「なぁ、極東ってどういう場所なんだ?」

「この国よりもかなり遠い場所ですね。陸路では少し危険な場所を通る可能性があるので、今でな海路でその極東に行く事ができますが。いくらオルフェウス教団でも、そんな遠い場所まで惰性を持つ人物を派遣するのはおかしい行為です。色欲、嫉妬、憤怒、加えて高慢はいつも同じ場所に集まって居て、国外には出る事はありませんでしたが。」

「オルフェウス教団が何か企んでいるということかしら。」

「さぁ。特に貪欲を所有していると思われる人物の行動範囲が広すぎます。時々、索敵魔法で探知できない場所にまで居ますから。私とモニカも10年間国内をある程度旅していましたが、流石に貪欲さんの行動を真似するのはかなり根気がいるかと。」

「随分物好きなんじゃないかしら。貪欲っていうくらいだから、旅行先でお土産でも買ってるんじゃない?」

「そんな平和的なら大罪なんて名前はつきませんよ。」

もし本当に貪欲を所持している人がお土産を買って旅をしているのだとしたら、割と面白い光景にはなるだろうけど。

確かに、大罪というには何かが足りなさすぎるだろう。

「他の武器もどういうものか知ってるんでしょう?全部言ってくれる?」

「高慢はルシファー、外見はクレイモアとほぼ同じ大きさです。貪欲はマモン、長い槍の形状をしています。憤怒はサタン、戦斧の形状をしています。暴食はベルゼブブ、ダガーの形状をしています。色欲はアスモデウス、弓の形をしています。嫉妬はレヴィアタン、杖の形をしています。惰性はベルフェゴール、刀の形をしています。」

かなり適当にグレコは喋ったが、思っている以上に種類はばらばらになっていた。

「といっても、使い手本人が弱ければ例え強情を持っていても意味はありません。魔力の素質も含め、七つの大罪は所有者の感情を試す事で力を発揮する魔道具です。」

「あの、テレジアという子とモニカが戦っていたけれど。あれも実際にはモニカの方がポテンシャルが高かったから拮抗していただけで、もし普通の人間であればすぐに負ける可能性もあったわけね。」

「むしろテレジアという子が実際にはかなり弱いという可能性もあります。いくらオルフェウス教団とはいえ、有能な人材をいくつも持っているとは限りませんから。」

この世界の人間たちのパワーバランス自体は僕もよく分からないが、アリシアがその高慢・・ルシファーを扱う事でより魔的な力は発揮できてしまっている。

もう少し平和的な会話をしたいのだが、今は実際にはそれほどのんびりできるわけではないのだろうか。

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