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しかし、町まではまだ時間があるのでかなり暇ではあった。
いっその事、町につくまで寝るとしようかと思っていた。
「町につく前に聞く事があるのだけれど。いいかしらグレコ。」
「嫌です。」
即答だった。
しかし、その返答によって檻の上部に魔法陣が形成され、勝手にレバーが回転する。
徐々にグレコを押しつぶすように檻が稼働しており、このままでは明らかにグロテクスな状態になる。
「ぎゃー!?本当にやる人が居ますか!?分かりましたから喋りますから!」
「全く。どうしてそう言う事を聞かないのかしら。言っておくけど、貴方には殆ど自由は無いのだから。勝手な事は言わないように。」
「本当に嫌な人ですね。それで、何を尋問してくれるんです?」
「七つの大罪の事。結局どうしてそれが作られてたのか。貴方はそもそも一体なんなのか。聞きたい事は山ほどあるのだけど。」
「はぁ。まさか高慢に魅入られて武器を奪うくらいだから、貴方は相当やばい人なんですけれど。」
「潰されたいの?」
「別に貴方には言いたくありませんが。大体、それを言ったら高慢を最大限に発揮する可能性はあるじゃないですか。大罪に関連する事はできるだけ人には教えたくないのです。特に、貴方みたいに武器の力を一度でも発揮したことのある人物には。」
「別に大丈夫よ。」
「何処にそんな自信があるんですか?」
「私は少なくとも呪い系には強いのだけど。まさか、その武器を使っていると最終的に悪魔にでもなったりするのかしら。」
「悪魔にはなりませんが。正直私にも分からないんです。私は武器を管轄する一種の精霊みたいなものですから。」
「そう。その七つの大罪がどういうものか詳しく説明できるかしら。」
「はぁ。言わないと私の事を潰す気満々ですね。未だに強い魔力を感じます。私を潰してもおいしくないですよ?」
「分かってるわよ。」
「七つの大罪の種別は高慢、貪欲、色欲、暴食、憤怒、嫉妬、怠惰という名前が割り当てられています。高慢として分別されるその剣の正式名称はルシファーですが、実際の悪魔とはそこまで関連性はありません。
10年前に、私を創造した魔法使いがオルフェウス教団という人たちによって殺害された後は暴食以外が奪われました。当時、私とモニカが屋敷の外に居たのが幸運でしたが。その教団は町での凶行を起こした後、ギルド協会により討伐対象とされたので、私たちは姿を隠すだけで暴食ベルゼブブを何とか守る事ができました。
私は武器の位置関係を大体分かって居るのですが、今は少々おかしいことになっていますね。」
「おかしいこと?」
「オルフェウス教団はこの国の山岳地帯によく根城にはしていたと思われましたが、怠惰が極東の方まで移動していると思われます。」
「極東?何でまたそんな所にあるの。」
「分かりません。あまり索敵魔法をすると逆探知されるので、数秒程度でしか行わないので。更に貪欲は世界各地を移動しているように見えました。オルフェウス教団の行動範囲としては少し異常過ぎるほど広すぎますから。明らかに大罪に魅入られているとしか思えませんね。」
大罪に魅入られている、ということはモニカもそうなのだろうか。




